「自分の大切な人が亡くなること」は、それだけで大変ショックの大きいことです。
しかも、その悲しみに追い打ちをかけるようにかかってくるのが、宗教やお墓、仏壇のダイレクトメールや宗教の勧誘です。
舞い込んでくるダイレクトメール
家族が亡くなると、多数のダイレクトメールが届きます。
「生前故人がとりよせていた商品に関するダイレクトメール」などの場合は、郵便物に、「亡くなりましたので配布をとめてください」として送り返せば問題はありません。
今ならば、インターネットでメールするのが一番早いでしょう。
もっと厄介なのは…
「亡くなったことを知らないから、送られてくるダイレクトメール」はそれほど厄介なものではありません。
もっと厄介で、そして遺族の気持ちを逆なでするのは、やはり、お墓や仏壇に関するダイレクトメールや電話でしょう。
対処方法
ダイレクトメールに関しては、基本は無視が一番です。そのうちおさまります。
ただ、「何通も同じところから送られてくる」、「頻繁に電話がかかってくる」という場合は、電話で、
「こういうダイレクトメールや電話をしてくるところとは、絶対に契約をしない」
と言い切ってしまいましょう。ここまで言えば、相手から追撃が来ることはほとんどありません。
実のところ、これらのダイレクトメールのなかには、いわゆる「適正価格」で販売している業者もたくさんあります。
あなたがまったくこだわらない人ならばこのなかから選んでもたしかに良いのですが、弱っている人につけこんだり、契約を焦らせたりするような業者とはあまり取引しない方が賢明です。
宗教勧誘について
ダイレクトメールに輪をかけて厄介なのが、「宗教勧誘」なのではないでしょうか。
とても嫌な言い方ではありますが、「人の死」は、よからぬ宗教団体については「よいエサ」です。特に若くして亡くなった人の遺族などは、しばしば、「うちの宗教に入れば救われます」といった勧誘を受けます。
心が弱っているときに勧誘に耳を傾けるのは危険です
普段ならば聞き流したり相手にしなかったりということができる人でも、家族が亡くなったときにつけこまれると、つい流されてしまいそうになります。
もちろん宗教のすべてが悪いというわけではありませんが、大切な人を失って判断力が鈍っている人に対して「布教」をしている宗教が、はたして本当にその人を救ってくれるでしょうか。
対処方法
電話や訪問ならば「いらない」と一言言って早々に拒絶しましょう。
親類や友人、あるいはしつこい勧誘に関しては、何を言われても、
と応答します。その際は、できるだけ感情を交えない方が疲れないでしょう。
気持ちが落ち着いてから考えても遅くありません。
「どのように人を見送るか」というのは、人それぞれで大きく違います。
また、ダイレクトメールが「渡りに船」になる人もいれば、宗教によって救われる人もいるでしょう。しかしいずれの場合であっても、心が弱っているときに軽々に判断するべきではありません。
お墓も仏壇も宗教も、あなたが落ち着いてから求めても何の問題もないのですから。(執筆者:鍋谷 萌子)