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財産を遺す相手が先に亡くなったら。遺贈は効力を生じず、その分は相続人へ


財産を遺す相手が先に亡くなったら。遺贈は効力を生じず、その分は相続人へ
財産を遺す相手が先に亡くなったら。遺贈は効力を生じず、その分は相続人へ

長年世話になった知人に財産の一部を渡すと遺言に書いたものの、相手も高齢で、自分より先に亡くなったらどうなるのか、気になっている方もいるでしょう。民法の決まりでは、何も書いていなければ、その財産は相手の家族ではなく相続人のものになります。先に亡くなった場合まで見通して、遺言を見直しておきましょう。

先に亡くなった相手への遺贈は効力を生じない

遺言で財産を渡す相手は、家族に限られません。国税庁の税務大学校の教本も、受遺者(遺言で財産を受け取る人)は相続人以外の第三者や法人でもよいと説明しています。

気になるのは、その相手が自分より先に亡くなる場合です。民法は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その遺贈は効力を生じないと定めています。

停止条件付きの遺贈でも、その条件が成就する前に受遺者が亡くなれば、同じく効力を生じません。ただしこの場合は、遺言者が遺言に別段の意思を表示していれば、その意思に従います。

渡すはずだった財産の行き先

では、受け取り手がいなくなった財産はどこへ行くのでしょうか。民法第995条は、受遺者が先に亡くなるなどして遺贈が効力を生じないときは、受遺者が受けるべきであったものは相続人に帰属すると定めています。受遺者の家族へ自動的に移るわけではありません。

同じ条文のただし書は、遺言者が遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従うとしています。受遺者が先に亡くなった場合に誰へ渡すかを遺言に書いておけば、その意思に沿って扱われます。

相続人となる家族に「相続させる」と書いた遺言について、最高裁判所は平成23年2月22日の判決で、その相手が先に亡くなった場合は、代襲者などに渡す意思があったとみるべき特段の事情がない限り効力を生じないと判断しました。遺言書に、先に亡くなったときの受け取り先をうかがわせる条項が無かったことも理由に挙げています。

財産を遺す相手が先に亡くなったら。遺贈は効力を生じず、その分は相続人へ

遺言を書くときにできる備え

まず、受遺者の年齢や健康も考え、先に亡くなった場合に誰へ渡すかを決めて、遺言に書いておきます。

次に、書いた遺言を見直す時期を決めます。民法は、遺言者はいつでも、遺言の方式に従って遺言の全部又は一部を撤回できると定めています。受遺者が亡くなったときや家族の状況が変わったときが、書き直しを考える機会です。

最後に、書き方の決まりを確かめます。法務局に遺言書を預ける自筆証書遺言書保管制度の様式は、法務省の案内に載っています。ただし法務局は、遺言書の内容の相談には応じていません。公正証書遺言は、公証役場などで公証人が作成します。

先に亡くなる場合まで見通して書く

遺言で財産を渡す相手が先に亡くなると、その遺贈は効力を生じず、遺言に別段の意思が示されていなければ、財産は相続人のものになります。相手の家族や別の人に渡したいという考えがあるなら、それを遺言に書いておくことが大切です。一度書いた遺言も、相手や家族の状況に合わせて見直していきましょう。

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