

専任媒介で任せて数か月、内見の連絡が一度も来ず、担当者は「反響が少ない」と言うだけで、本当に他社へ紹介されているのか分かりません。売れない理由が値付けなのか、業者の囲い込みなのか。専任・専属専任の売主には、それを自分で確かめる道具が渡されています。まず手元の登録証明書を探してみましょう。
専任媒介の売主には登録証明書が渡されているはず
他社に重ねて依頼しない専任媒介契約を結ぶと、不動産会社は物件を指定流通機構(レインズ)に登録する義務を負います(宅地建物取引業法34条の2第5項)。期限は契約日の翌日から7日以内、自分で見つけた相手とも契約できない特約付きの専属専任媒介では契約日の翌日から5日以内で、休業日は数えません(施行規則15条の10)。登録されると指定流通機構が登録証明書を発行し、不動産会社は請求がなくても売主に遅滞なく渡さなければなりません。
一方、一般媒介契約には登録の義務がないので、この後の確認画面も対象外です。専任か専属専任なのに証明書が届いていないなら、まずそこを担当者に確かめます。証明書には2025年1月から売主専用画面へ入る二次元コードも印字されています。
登録証明書のIDで入る売主専用画面。取引状況は3区分
登録証明書のURL・ID・パスワードで指定流通機構の売主専用画面(売却依頼主向けの物件確認画面)に入ると、登録内容と取引状況を売主自身が確認できます。取引状況は「公開中」(他社の問い合わせを受け付けている状態)、「書面による購入申込みあり」、「売主都合で一時紹介停止中」の3区分です。
注意したいのが、状況が動いてから表示が更新されるまで日数がかかることがある点です。申込みの直後は時間を置いてもう一度見ます。

覚えのない「売主都合で一時紹介停止中」は囲い込みの典型
囲い込みとは、売主と買主の両方から仲介を受けることをねらって、物件の取引状況を故意に隠し、売主の意向に反して他社に紹介しない行為です(国土交通省と指定流通機構のリーフレット)。典型例は、事実に反して「売主都合で一時紹介停止中」と登録する手口です。2025年1月1日からは「取引の申込みの受付に関する状況」が法定の登録事項になり(施行規則15条の11)、専任・専属専任で登録した物件の取引状況が事実と違えば宅建業法65条1項の指示処分の対象になると、国土交通省の運用指針に明記されました。
覚えのない紹介停止や聞いていない購入申込みを見つけたら、まず依頼した不動産会社に問い合わせます。専任媒介では2週間に1回以上の業務処理状況の報告義務があるので、報告の内容と画面の表示を突き合わせます。説明がつかず直らないときは、免許を出した都道府県か国土交通省の宅地建物取引業の担当窓口に申し出る道があります。
売れない理由は、画面を見てから切り分ける
値付けが高いのか、紹介が止められているのかは、売主専用画面を見れば判断の材料がそろいます。登録証明書が無ければ、それ自体が会社に確かめる材料です。取引状況が「公開中」で問い合わせも入っているなら、次は価格や条件の見直しを担当者と相談する番です。
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