

建物を建てたのに登記をしていない家屋は、古い住宅ではめずらしくありません。ただ、放っておくと困る場面が決まっています。登記がなくても固定資産税は課され、いざ売ろうとしたときや融資を受けようとしたときに、登記手続で話が止まりやすくなります。しかも建物の表題登記には、法律が申請の期限を定めています。未登記のままにできる建物はない、と考えておくのが安全です。
表題登記には「取得の日から1か月以内」という期限がある
不動産の登記は、建物の物理的な状況を記録する表題登記と、誰のものかを記録する権利の登記に分かれます。このうち表題登記については、新築した建物、または区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に申請しなければならない、と不動産登記法が定めています。
期限が過ぎたら終わり、という話ではありません。申請すべき義務がある人が正当な理由なく申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処すると同じ法律に定められています。過料は前科の残る刑罰ではありませんが、放置してよい理由にはなりません。
親から引き継いだ家が未登記だったと後から分かる例もあります。その場合も、所有権を取得した人に申請の義務が生じる点は変わりません。

登記していなくても、固定資産税は課される
「登記していないのだから、市町村も把握していないはずだ」と考えるのは誤りです。固定資産税は固定資産の所有者に課すもので、土地や家屋の所有者とは、登記簿だけでなく、土地補充課税台帳や家屋補充課税台帳に所有者として登録されている人も含む、と地方税法が定めています。
市町村(東京都23区内では都)は現地の調査などで建物の存在を把握できるため、登記の有無にかかわらず課税されます。建物を建てれば、登記をしていなくても翌年度以降に課税対象となり、納税通知書が届くことがあります。届いた通知書は、自治体が所有者として把握している手がかりにはなりますが、登記の代わりにはなりません。税金は届くのに、登記による裏づけだけがありません。未登記の状態は、持ち主にとって一方的に不利になりやすいのです。
売るとき、担保に入れるときに、そこで止まる
不動産に関する権利の変動は、登記をしなければ第三者に対抗できない、と民法が定めています。自分のものだと主張できるのは当事者の間だけで、第三者が現れたときに登記のない側は弱くなります。
通常の売買や融資では、まず表題登記や所有権保存登記を整え、その後に所有権移転登記や抵当権設定登記へ進みます。売買や建て替えの話が具体的になってから登記に着手すると、必要な資料を集める時間の分だけ話が止まります。
未登記だと分かった時点が、動きどきになる
未登記の建物は、税金の面では持ち主として扱われ、権利の面では持ち主と主張しにくい状態に置かれます。表題登記には1か月以内という期限があり、怠れば過料の定めもあります。相続や売却の予定がまだなくても、未登記だと分かった時点で、建物の所在地を管轄する法務局に相談してみてください。登記に必要な図面や書類は、時間が経つほど集めにくくなります。
月収40万円は多いほう?全体の平均は34万円台、係長級と同じくらい
