
奈良市立奈良病院がサイバー攻撃を受けたとみられる問題で、市は31日、調査結果の概要を公表した。システム障害が発生した原因はサイバー攻撃でなく、ネットワーク監視装置のソフトウエア更新によるものだと結論づけた。
奈良病院では4月21日夜に装置が異常を検知した。市は同22日に、「サイバー攻撃を受けた疑いがある」として、電子カルテなどのシステムを停止し、通常診療をとりやめると発表した。6月に専門家3人による会議を発足し、原因や影響を調べていた。
調査報告書によると、装置は4月21日夜に異常を検知する直前、通常の3分の1程度の端末しか監視できていなかった。同日夜にソフトウエア更新が実行されると、監視対象が通常の台数に戻り急増したため、異常として検知されたという。
病院は22日午前3時半~24日午前8時半、救急患者の受け入れと外来診療を制限した。18件の手術と約500件の外来予約を延期したが、いずれも健康への影響は確認されていないとしている。救急患者は全て他の病院で受け入れられたという。
一方、装置の監視対象が減少していた原因は、システムに記録が残っておらず、特定できなかった。
記者会見で、奈良病院の西尾博至管理者は「市民のみなさまに、ご不便とご心配をおかけしたことをおわびしたい」と陳謝。仲川げん市長は「今回は市民への影響は限定的だったが、もっと長い期間止めざるを得ないこともある。技術・財政的な支援を国に求めたい」と述べた。【田辺泰裕】
