

離れて暮らす親の様子が変わってきたと感じたとき、まず何から動けばいいのか迷いませんか。介護保険の申請を思い浮かべる人が多いのですが、その前に相談できる窓口が市町村に置かれています。介護保険法が役割を定めた公的な機関で、まだ介護が必要と決まっていない段階でも使えます。名前と役割だけでも、先に知っておく価値があります。
離れて暮らす親の変化に気づいた40代の迷い
「同じ話を、電話のたびに聞くようになったんです」。実家を離れて暮らす40代の会社員は、そう話します。冷蔵庫には同じ食材が並び、薬の袋が手つかずのまま積まれていました。すぐに介護が必要という状態ではないけれど、放っておいていいとも思えません。
かといって、いきなり介護保険の申請をするのもためらわれました。誰に聞けばいいのか分からないまま、帰省のたびに気になる場面だけが増えていきます。こうしたときの相談先が、地域包括支援センターです。
介護保険法が定める「包括的に支援する施設」
地域包括支援センターは、介護保険法に位置づけられた施設です。介護予防の必要な援助と、法が定める包括的支援事業などを実施し、地域住民の心身の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行います。それによって保健医療の向上と福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設だ、と法に定められています。
市町村が設置できるほか、市町村から委託を受けた者が、あらかじめ市町村長に届け出て設置する形もあります。運営主体が社会福祉法人や医療法人になっている地域もあります。窓口の名前が「高齢者あんしんセンター」のように地域独自の呼び方になっていることもありますが、根拠となる法律は同じです。
職員の基準は、国が定める基準に従って市町村の条例で決めることになっています。相談を受ける体制そのものが、法令で裏づけられた仕組みだということです。
相談から権利擁護、ケアマネジャーの支援まで
法が定める包括的支援事業には、次の役割が並んでいます。「まだ介護保険を使うほどではない」段階の相談が、そのまま業務の中に入っているわけです。

つまり、本人が来なくても、離れて暮らす家族からの相談を受け止め、必要な窓口へつなぐところまでが役割に入っています。
自分の地域の担当は、市町村に聞けば分かる
センターには担当区域があり、市町村のホームページなどで確認できる地域が多くあります。実家がどのセンターの区域か分からないときは、その市町村の高齢福祉・介護保険の担当課に住所を伝えて確認すると確実です。支所が置かれている地域もあるので、担当を先に調べておくと安心です。親の様子が気になり始めた段階で、名前と場所を控えておきましょう。それだけで、いざというときに窓口を探す時間を使わずに済みます。
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