

最終出社の日に、必要な書類が一式そろって手渡されると思っていませんか。実際には、会社がその場で渡せる書類と、辞めた後の手続きを経て届く書類があります。この違いを知らないまま待つと、雇用保険の受給手続きが遅れたり、催促の電話をかけて気まずくなったりします。辞めるときに受け取る書類の期限を、先に押さえておきましょう。
転職先を決めずに辞めた30代会社員の戸惑い
「最終出社の日に、一式まとめて渡されると思っていたんです」。都内の会社を8月末で辞めた30代の会社員は、そう振り返ります。ロッカーを空にし、パソコンと社員証を返して、あいさつを済ませました。手元に残ったのは挨拶状だけでした。
雇用保険の受給手続きに行こうとして、離職票が要ると知ります。会社に問い合わせても「もう少しかかります」との返事。辞めた後に届く書類があると分かっていれば、待ち方も変わっていたはずです。
会社が動くのは、辞めた後の10日間
離職票は、会社がその場で渡せる書類ではありません。会社はまず、雇用していた人が被保険者でなくなったことを、その事実があった日の翌日から起算して10日以内に、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長へ届け出ます。離職が理由で、本人から離職票不要の申し出がない場合は、離職証明書と、離職の日前の賃金の額を証明できる書類を添えることになっています。離職票不要の申し出があるときは離職証明書を添えないことができますが、離職の日において59歳以上の被保険者はこの限りではありません。
この届出を受けて離職票を交付するのは、会社ではなく公共職業安定所の長です。交付された離職票が会社を経由して手元に届くことがあるため、最終出社の日に間に合わないのは、手続きの順序としてはふつうのことです。
会社が届出のときに離職証明書を出していない場合もあります。その場合でも、辞めた人が離職票の交付を請求するために離職証明書の交付を求めたときは、会社はこれを交付しなければならないと定められています。退職日に渡していないので終わり、という話ではありません。
源泉徴収票は1か月以内、退職証明書は請求してから
年の途中で辞めた人に対する源泉徴収票は、年末調整の時期まで待つ書類ではありません。転職先に提出したり、自分で確定申告をしたりするときに使うので、届いたらそのまま保管しておきます。
退職証明書は、少し性質が違います。使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金、退職の事由について、辞めた人が請求した場合に交付するものです。つまり、請求しなければ出てきません。転職先から前職の在籍確認を求められたときや、国民健康保険や年金の窓口で退職の事実を示すときに効きます。必要になりそうなら、辞める前に「請求すれば出る書類だ」と知っておくだけで動きが変わります。

社員証や制服など貸与品をいつ返すかは、勤務先の規程によります。
届かないと感じたら、日付を数えてみる
辞めるときに受け取る書類は、渡される日がそろっていません。期限を知っていれば、「遅い」と感じたときに、それが待つべき時間なのか、問い合わせるべき時間なのかを自分で判断できます。退職証明書のように、請求しなければ動かない書類があることも、あわせて覚えておいてください。
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