

転職で月収40万円と言われても、実際に手元へ残る額はすぐには見えません。給与から毎月引かれているのは健康保険料と厚生年金保険料、雇用保険料、そして所得税と住民税です。令和8年4月からは子ども・子育て支援金も加わりました。何がいくら引かれているのか、公式の料率表でたどってみましょう。
転職で月収40万円を提示された30代会社員の疑問
「額面40万円と言われたけれど、実際に使えるお金はいくらなんだろう」。転職活動中の30代会社員が、提示された条件を前に足を止める場面です。求人票に載っているのは額面の月収で、そこから何がいくら引かれるかまでは書かれていません。
ここでは条件を1つに固定して追いかけます。40歳未満・独身で扶養親族はなし、東京都の会社に勤め、健康保険は協会けんぽ、雇用保険は一般の事業、賞与は含めません。さらに、月収40万円がそのまま社会保険の報酬月額に一致すると仮定します(通勤手当などは考慮しません)。
社会保険料と雇用保険料で引かれる6万円あまり
給与から最初に引かれるのが社会保険料です。健康保険料と厚生年金保険料は、支払われた給料そのものではなく「標準報酬月額」という区分に料率をかけ、会社と本人が半分ずつ負担します。月収40万円は標準報酬月額41万円の等級(報酬月額39万5,000円以上42万5,000円未満)に入ります。

子ども・子育て支援金は令和8年4月分から始まった負担で、健康保険料と同じく標準報酬月額に率をかけて労使で折半します。雇用保険料だけは標準報酬月額ではなく、実際に支払われた賃金にかかります。4つを足すと60,178円。税金を引く前の段階で、すでにこれだけが出ていきます。
所得税は毎月、住民税は前年の所得から
税金は2つあり、かかり方がまるで違います。所得税は毎月の給与から先に差し引かれます。額面そのものではなく、社会保険料などを引いた後の金額に令和8年分の源泉徴収税額表(月額表)を当てて決めるしくみです。この条件では扶養親族等の数が0人となり、税額は10,750円。ここまでを引いた残りは329,072円です。
見落としやすいのが、もう一方の住民税です。こちらは前年の1月から12月までの所得で計算されます。所得割の税率は所得に対して10%(道府県民税が4%、市町村民税が6%)が標準で、これに所得と関係なく定額でかかる均等割が加わります。会社員は原則として勤務先が給与から差し引いて納めるため、前年も同じ収入が続いていれば、先ほどの329,072円からさらに住民税の分が減ります。
同じ額面でも手取りは一人ひとり違う
標準報酬月額の等級は毎年の定時決定や昇給時の随時改定で決まるため、額面が同じでも人によって変わります。40歳になれば介護保険料が上乗せされ、扶養親族がいれば所得税は下がります。住民税の税率や均等割は自治体が自ら定めています。まずは手元の給与明細を開き、自分の等級と控除額を一つずつ突き合わせてみてください。
65歳を過ぎて働くと年金は減るのか。分かれ目は給与と年金の合計が月65万円
