家庭内の支出を抑えるためには、節税も重要な要素の一つです。会社員などの給与所得者は、個人事業主に比べると節税の選択肢は限られますが、意外と利用できる方法もあるので、節税手段の存在を知っておくことが大切です。
本記事では、家計管理に役立つ所得税に関する知識と節税のポイントについて解説します。
扶養控除・配偶者控除の適用
扶養控除や配偶者控除は、家計の負担を軽減できる代表的な制度です。扶養控除は、所得の少ない家族を扶養している場合に適用され、所得税の計算において一定額を控除できます。
配偶者控除は、配偶者の所得が一定額以下の場合に適用され、税負担を軽減する仕組みです。所得税の所得控除には、生命保険料控除や社会保険料控除のように、支出に応じた額を差し引くものもあります。しかし、扶養控除と配偶者控除は、要件を満たせば、定められた控除額をそのまま差し引くことができるため、支出なしで控除を受けることが可能です。
医療費控除を活用して負担を軽減
医療費控除は、年間の医療費が一定額を超えた場合に適用できる所得控除です。確定申告を行う本人だけでなく、扶養している家族の医療費も合算できるため、家族全体で支払った金額を合計して控除額を計算できます。
注意点として、年間所得が200万円を超える場合、医療費が10万円を超えないと控除の適用対象にはなりません。また、医療費控除を適用するためには確定申告書を提出する必要がありますので、多額の費用が発生する年は、診療費や薬代などの支払いを記録しておきましょう。
ふるさと納税の活用
ふるさと納税は、選んだ自治体に寄付することで翌年の住民税や所得税の控除を受けられる制度です。ふるさと納税を行うと、寄附した金額に応じて「寄附控除」が適用できますが、金額に応じて返礼品を受け取ることができるのも特徴の一つです。
多くの自治体は寄附へのお礼として特産品などを提供しており、節税しながら食材などを受け取ることができます。寄附金控除を適用するためには、通常確定申告が必要ですが、会社員については、ワンストップ特例制度を利用することで、確定申告をせずに控除を適用できます。
NISA・iDeCoで資産形成と節税を両立
NISA（少額投資非課税制度）やiDeCo（個人型確定拠出年金）は、税負担を軽減しながら資産を積み立てられる有効な制度です。NISAは投資で得た利益が非課税となるため、長期的な運用によって効率的な資産形成が可能です。
iDeCoは、国民年金・厚生年金といった公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つで、掛金と運用益の合計額をもとに給付を受け取ります。また、iDeCoの掛金は所得控除の対象となるため、節税しながら老後資金を準備できる点もメリットです。
どちらも将来の資産形成に役立つ制度であり、余裕資金を計画的に運用することで、老後の生活の安定につながります。ただし、NISA・iDeCoともに元本割れのリスクがあるため、メリットだけでなくデメリットも理解した上で利用することが大切です。
まとめ
節税を考える際は、単に支出を減らすだけでなく、税金の仕組みを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
国の施策として、期間限定で適用できる節税法案が制定されることもあるため、普段から税制に関する情報をチェックしておくことで、より効率的に節税を進めることができます。
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