日本に居住している20歳以上60歳未満のすべての人は、日本の公的年金である国民年金に加入する必要があります。
その中で自営業者や無職の方、学生などの国民年金第1号被保険者は、自分自身で毎月の国民年金保険料を支払わなければなりません。
国民年金保険料は、令和6年4月から令和7年3 月までの令和6年度は16,980円、令和7年4月から令和8年3 月までの令和7年度は17,510円です。
国民年金第1号被保険者の中で収入の低い学生の方は、毎月の国民年金保険料を払うのは大変です。
このような収入の低い学生の方のために、国民年金には在学中の国民年金保険料の納付が猶予される学生納付特例制度があります。
この制度は、収入の低い学生の間は国民年金保険料の納付が猶予され、就職後社会人などになってから猶予されていた国民年金保険料を追納できる制度です。
今回は、国民年金保険料の学生納付特例制度を利用していて保険料が猶予されていた学生が、就職してからも追納しなかったらどうなるかについて解説していきます。
国民年金保険料の学生納付特例制度とは?
国民年金保険料の学生納付特例制度とは、前年の所得が一定以下の学生が申請することにより、在学中の国民年金保険料が猶予される制度のことです。
国民年金保険料の学生納付特例制度は、以下の要件を満たした場合に申請ができます。
・ 前年の所得が128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等であること(収入が基準以上の場合は失業などの理由があること)
・ 大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校や各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する20歳以上60歳未満の学生であること
学生納付特例制度の申請をした場合には、審査で承認されればその期間の国民年金保険料の納付が猶予されます。
学生納付特例制度を利用して国民年金保険料が猶予された期間は、年金の受給資格期間(10年)には算入されます。
しかし、学生納付特例制度を利用した期間は保険料納付済期間には含まれないため、将来受給する老齢基礎年金の年金受給額には反映されません。
また、学生納付特例制度を利用した場合は、承認を受けた期間から10年以内であれば、国民年金保険料の追納ができます。
追納とは、後からさかのぼって納付することです。
ただし、追納する場合は、3年以上前の国民年金保険料に加算額が上乗せされるので、3年以内に追納するとよいでしょう。
追納しなかったらどうなるの?
国民年金保険料の学生納付特例制度を利用した方が10年以内に追納しなかった場合には、国民年金保険料を納付したことにはならずに老齢基礎年金の年金受給額には反映されません。
老齢基礎年金の年金受給額は、以下の計算式で計算できます。
81万6,000円(令和6年度満額) × (国民年金の保険料納付済期間(月数) + 国民年金の保険料の免除月数 × 免除月の反映する割合) ÷ 480 (加入可能年数40年 × 12か月)
この場合、追納しなければ国民年金の保険料納付済期間(月数)にその期間の月数が算入されないため、年金受給額は増えません。
このように、学生納付特例制度を利用した場合には、承認を受けた期間から10年以内であれば国民年金保険料の追納が可能です。
追納しなければ老齢基礎年金の受給額に反映されないため、追納をすることをお勧めします。
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