JR東日本は、「Suica の当たり前を超えます ~ Suica Renaissance ~」と題した大型アップデートに関する発表を行いました。
「Suica」は関東圏を中心に移動やお買い物に便利なプリペイド式の電子マネーです。
発行枚数約9,200万枚と国内電子マネー利用者ランキングでも3位と人気のあるSuicaですが、2025年から2028年度末までにかけて大型リニューアルを行うと発表がありました。
ここでは、JR東日本が発表した「Suica」全面刷新の概要を紹介します。
大型リニューアルの目的
今後10年かけて「移動のデバイス」から「生活のデバイス」へSuicaを進化させ、より生活シーンや地域に密着したサービスにするとしています。
センターサーバー型システムへの移行によって、ウォークスルーや位置情報との連携が強化されより便利にJR東日本の駅を利用できることになります。
JR東日本「Suica」全面刷新リニューアル概要
10年以内にタッチレス改札を拡充
「ウォークスルー改札(タッチレス改札)」
「改札のない駅で位置情報を活用した改札」
を導入し、改札はタッチからウォークスルーに変化していきます。
「Suicaアプリ」でサブスクリプション型クーポン
2028年を目途に、JRでの移動運賃が割引になるサブスクリプション型の鉄道チケットやクーポンを導入するとしています。
例えば、最寄りA駅を基点に、どの駅でも運賃が50%割引になるサブスクリプションで、交通費の改革となりそうです。
また鉄道の日などの記念日、駅ビルやイベントでの買い物で利用できる鉄道クーポンの配信など、交通機外にも駅内のお買い物にも注力していきます。
モバイルSuicaアプリの大幅リニューアル
これまでSuicaの利用上限金額は20,000円だったが、それを超える決済を対応する予定。
バーコード決済機能、個人送金なども対応予定するということで、Suicaでスマホ決済ができるようになるということでしょう。
Suicaの精算機能拡充(後払い)
今後はSuicaにクレジットカード機能や銀行口座を紐づけることで、チャージではなく後払いという形で清算ができる機能も調整中と発表しています。
インバウンド向け「Suica Mobile」
日本到着前にアプリのダウンロードやチャージが可能になる「Suica Mobile」(iOS)が2025年3月よりリリースされます。
年々増加するインバインド需要ですが、訪日前にチャージなどができるとSuicaが利用できるまでの手続きやお問い合わせなど国内処理の負担軽減にもなり、外国人観光客も両者にメリットがある施策です。
デメリット
アプリに集約する場合、スマホの充電切れになると利用不可
JR東日本管内だけの施策となり、他エリアでは対象外
参照:Suica の当たり前を超えます ~ Suica Renaissance ~
今後のSuica
決済方法の多様化やインバウンド対策を視野に入れた対応といえる内容で、今回の発表はSuicaの本気を感じます。
最寄り駅を基点にした移動運賃の割引などは、JR移動の多いビジネスマンなどには有効なサービスといえそうです。
ただ今回の発表は交通機関という強みを活かした改革である一方で、数年後に実装するという機能も多く、そのころには決済トレンドが全く変化していて、利用者にとって機能として親和性が低くなる可能性もあります。
またJR東日本管内だけの施策となり、JRグループ全体で対応するわけではないので、これまでもあったJRエリアによってサービスにバラつきがでるという問題に、より伯爵をかけることも考えられます。
今回の発表はかなりの長期計画であり、メリットもデメリットも多い印象です。
徐々に拡充されるようなので、サービスリリースの内容を確認しながら生活スタイルと合わせて利用検証をするのがよいでしょう。
JR東日本で移動や生活が完結しているという生活スタイルの場合、メリットも多そうなので慎重に検討するとよいです。
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