パートやアルバイトなどの短時間労働者に対しての健康保険料や厚生年金保険料がかかってくる「年収106万円の壁」ですが、厚生労働省は2026年10月に撤廃することで調整に入りました。
今回は、社会保険料の年収の壁である「年収106万円の壁」とはどのような壁なのかを説明するとともに、撤廃されたらどのような人にどのような影響があるのかについても解説していきます。
年収106万円の壁とは?
年収106万円の壁とは、パートやアルバイトなどの短時間労働者が健康保険や厚生年金保険の被保険者となり、社会保険料を支払わなければならなくなる壁のことです。
社会保険の加入要件は、正社員やパート、アルバイトなどの雇用形態を問わず以下の労働者です。
(1) 社会保険の適用事業所に勤務する常用的な労働者
(2) 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上の短時間労働者
(3) 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満の短時間労働者のうち以下の条件を満たす労働者
・ 勤務先の従業員数(厚生年金保険の被保険者数)が51人以上
・ 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者(週の所定労働時間が30時間以上の労働者は通常労働者の4分の3以上と考えられるため社会保険の被保険者となる)
・ 2か月を超えて雇用される見込みがある労働者
・ 学生ではないこと(休学中の学生や夜間学生は社会保険の加入対象)
・ 所定内賃金が月額8万8,000円以上である労働者(通勤手当・残業代・賞与等を除く)
月額8万8,000円を年収に直すと約106万円になるため、年収106万円の壁と言われています。
年収106万円の壁の撤廃
厚生労働省は、パートやアルバイトなどの短時間労働者に対して社会保険料が発生する基準である年収106万円の壁を2026年10月に撤廃する調整に入りました。
所定内賃金が月額8万8,000円以上である労働者についての年収要件を撤廃して、収入にかかわらず社会保険に加入しなければならないというものです。
また、現在51人以上としている勤務先の企業規模要件についても、2027年10月に撤廃する調整に入りました。
これにより、週20時間以上働く人は、原則として社会保険に加入して社会保険料を支払わなければならなくなるかもしれません。
年収106万円の壁の撤廃は社会保険の加入者を増やすことになり、新たに加入した従業員は将来の年金額は増えます。
しかし、今まで支払っていなかった社会保険料を支払う人が増えることになるため、手取りが減る従業員も増えることが予想されるのです。
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