宝くじの年間売上金額は8,088億円(※令和5年度)にも上り、普段宝くじを買わない人でも、年末ジャンボ宝くじだけは購入する人もいらっしゃるかもしれません。
令和6年の年末ジャンボ宝くじは1等が7億円、前後賞含めると10億円を獲得できますが、これだけの金額を受け取るとなれば、税金がどれだけ発生するのか想像もつかないと思います。
そこで本記事では、宝くじの当せん金に対する課税関係と、税務上で注意すべきポイントを解説します。
宝くじの当せん金は所得税の非課税対象
実は、宝くじの当せん金は非課税なので、10億円に当せんしても所得税を1円も払う必要はありません。
宝くじの当せん金に対して所得税が課されないのは、法律で所得税の非課税対象と定められているからです。
当せん金付証票法第13条では当せん金には所得税を課さないと規定しており、非課税対象になる金額に上限もないため、年末ジャンボ宝くじで当たった場合、当せん金をそのまま手に入れることができます。
年末ジャンボ宝くじ以外では、ナンバーズやロト6なども「当せん金付証票法」の規定により、当せん金に対して所得税は課されません。
競馬・競輪などの払戻金は一時所得の対象
宝くじの当せん金に所得税は課されませんが、競馬や競輪、競艇などの公営ギャンブルに対する非課税規定は存在しません。
したがって、馬券等が的中したことで受け取れる払戻金は、一時所得として課税対象となります。
一時所得には、50万円の特別控除額が用意されているため、年間の的中額が50万円までであれば所得税は課されません。
しかし、払戻金が50万円を超えてしまうと、確定申告が必要になる可能性が出てくるので注意してください。
当せん金を家族に渡した場合は贈与税の対象になる
宝くじの当せん金は非課税ですが、当せん金の一部を家族にプレゼントした場合、贈与税の対象となります。
贈与税は財産をもらった人(受贈者)に対して課される税金で、受け取った額が年間110万円を超えた場合には贈与税の申告・納税手続きを要します。
宝くじに当たったお金をお年玉に上乗せする程度であれば、贈与税の基礎控除額(110万円)以内に収まるので影響はありません。
一方、基礎控除額を超える価値のある車や不動産を贈与したときは、贈与税の納税額が生じますので、受贈者は翌年2月1日から3月15日(令和6年分は令和7年2月3日から3月17日)の間に申告手続きを行ってください。
宝くじの還元率は46.7%
令和5年度の宝くじの売上金額は8,088億円でしたが、当せん金として支払われる額は3,780億円と、売上金額の46.7%しか充てられていません。
競馬の還元率は70%から80%、競輪は75%なので、宝くじの還元率は公営ギャンブルよりも低いです。
宝くじには一攫千金の夢がありますし、税金が非課税なのも大きな魅力ですが、確率で考えると、購入金額を超える当せん金を得られる可能性はそこまで高くありません。