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マイナ保険証は「紛失した時の手続きと費用」が健康保険証よりも増える


2024年12月より健康保険証が廃止され、マイナ保険証への一本化が進められます。健保を紛失した場合に比べ、マイナ保険証の紛失時の手続きは複雑で、費用も増加する可能性があります。具体的には、マイナンバー総合フリーダイヤルや警察、市区町村役場などで手続きを行う必要があります。また、再交付手数料として1,000円(電子証明書なしの場合800円)が必要です。ただし、火災や盗難時には手数料の免除も可能です。仮に紛失した場合、資格確認書を申請することで、自己負担割合を抑えた受診が可能です。このように、健康保険証よりも手続きや費用がかさむため、マイナ保険証の管理には注意が必要です。

マイナ保険証は「紛失した時の手続きと費用」が健康保険証よりも増える

健康保険証は2024年12月2日に廃止され、その後の経過措置期間(最長1年)が終わると、マイナ保険証(健康保険証の利用登録を済ませたマイナンバーカード)に原則一本化されます。

またマイナ保険証を利用できない方には、健康保険証と同じように提示すると医療費の自己負担が1割~3割になる、資格確認書が交付される予定です。

健康保険証が廃止されてマイナ保険証を持ち歩く機会が増えると、懸念されるのは紛失だと思います。

マイナ保険証の紛失について調べてみると、次のように健康保険証を紛失した時よりも、手続きと費用が増えるのです。

健康保険証を交付・再交付する保険者の例

健康保険証は次のような保険者(保険料を徴収したり、保険給付を支給したりする公的医療保険の運営主体)が、加入者などに交付・再交付しています。

(1) 国民健康保険の保険者

自治体(市区町村と都道府県)と、特定の職種ごとに設立された国保組合(国民健康保険組合)に分かれます。

(2) 健康保険の保険者

組合健保を運営する健康保険組合と、協会けんぽを運営する全国健康保険協会(都道府県ごとに支部がある)に分かれます。

(3) 後期高齢者医療(原則75歳以上が加入)の保険者

各都道府県にある広域連合になりますが、保険証の受け渡しなどは市区町村役場が窓口になっているのです。

それぞれが加入している公的医療保険の種類や保険者の名称などは、健康保険証の表面を見るとわかります

また2024年9月頃から送付が始まった資格情報のお知らせや、マイナポータルにログインした後に表示される健康保険証の資格情報も、参考になると思います。

健康保険証が再交付されるまでの期間の目安

健康保険証を紛失した時には、勤務先の企業を経由したり、各自が市区町村役場の窓口に足を運んだりして、保険者に再交付を申請するのです。

再交付の申請から健康保険証を受け取れるまでの期間は、保険者によって大きな違いがあります

例えば自治体が運営する国民健康保険や後期高齢者医療は、本人が身分証明書を持って市区町村役場の窓口まで足を運ぶと、その日に受け取れる場合があります

また健康保険証を郵送する市区町村の場合には、再交付の申請から自宅に届くまでに、1週間くらいの期間がかかるようです。

一方で組合健保や協会けんぽは、再交付の申請から健康保険証を受け取れるまでに、2週間~1か月(4月などの入社が多い時期)くらいの期間がかかるようです。

2024年12月2日以降は健康保険証を紛失しても再交付されないので、今後の注目点は資格確認書を紛失した時の再交付だと思います。

資格確認書は健康保険証と同じように保険者が交付・再交付するため、資格確認書を受け取れるまでの期間などは、健康保険証と同じようになると推測します。

健康保険証の再交付にかかる手数料が免除されるケース

自治体が運営する国民健康保険、協会けんぽ、後期高齢者医療は原則として、健康保険証の再交付を受けても手数料は徴収されません

一方で国保組合が運営する国民健康保険や組合健保は、1枚につき500円~1,500円くらいの手数料が徴収される場合が多いようです。

ただ火災などで健康保険証を紛失した時には、市区町村役場(消防署)が発行した罹災証明書の写しを添付すると、手数料の徴収が免除される場合があります。

また盗難で健康保険証を紛失した時には、警察署(交番)に提出した被害届の受理番号を再交付の申請書に記入すると、手数料の徴収が免除される場合があります。

警察署(交番)に提出したのが遺失届(外出時に物を紛失した時の届出)の場合、手数料の徴収は免除されませんが、健康保険証の悪用を防止できるのです。

マイナンバーカードを紛失した時の手続き

マイナンバーカードを紛失した時には、24時間365日対応している次のような場所に連絡し、まずはカードを一時停止するのです。

【マイナンバー総合フリーダイヤル(無料)】

0120-95-0178

【個人番号カードコールセンター(有料)】

0570-783-578、050-3818-1250

また状況によっては健康保険証と同じように、最寄りの警察署(交番)に被害届または遺失届を提出し、その中の受理番号などを控えておくのです。

この後は市区町村役場で紛失・廃止の手続きを実施しますが、手続きの前にカードが見つかった時には、市区町村役場で一時停止を解除すると再び利用できます。

一方で手続きの後にカードが見つかった時には、そのカードは利用できないため、市区町村役場に返納する場合が多いようです。

資格確認書の交付を受けて10割負担を回避する

マイナンバーカードを紛失した方が再交付を希望する場合、紛失・廃止の手続きの後に市区町村役場などで、再交付の申請を実施します。

再交付するための手数料は1,000円になりますが、電子証明書の発行を希望しない場合は800円です。

ただ発行しないとマイナ保険証、コンビニでの証明書の発行、オンラインでの確定申告などの、電子証明書が必要なものを利用できないため1,000円を支払った方が良いのです。

申請が終わった後はマイナンバーカードが再交付されるのを待ちますが、今のところは1か月~1か月半くらいの期間がかかるようです。

この間に診療を受けると10割負担になる可能性がありますが、保険者に申請して資格確認書の交付を受けると、1割~3割の自己負担で診療を受けられます。

なおマイナ保険証での受診が困難な高齢者や障害のある方などは、マイナンバーカードを紛失しなくても、保険者に申請すると資格確認書の交付を受けられる場合があります。

また資格確認書を使えるのなら、マイナンバーカードを持ち歩く必要がないため、紛失の予防になるのです。

マイナ保険証は紛失した時の手続きと費用が増える理由

健康保険証を紛失した時は、状況に応じて市区町村役場(消防署)または警察署(交番)に足を運んだ後に、保険者に再交付を申請するため、手続きは2箇所だけです。

一方でマイナ保険証を紛失した時は、マイナンバー総合フリーダイヤル(個人番号カードコールセンター)、警察署(交番)、市区町村役場、保険者で手続きを実施します。

このように手続きの場所が増えるだけでなく、マイナンバーが漏洩して不正に用いられる恐れがある時は、マイナンバーを変更する場合があるので、手続きの種類も増えます。

また自治体が運営する国民健康保険、協会けんぽ、後期高齢者医療は原則として、健康保険証の再交付を受けても手数料は徴収されませんが、マイナ保険証は手数料が徴収されます

そのためマイナ保険証を紛失した時は、健康保険証よりも手続きと費用が増えるのです。

ただ火災や盗難などでマイナ保険証を紛失した時には、健康保険証と同じように手数料の徴収が免除される場合があります。

市区町村役場などで再交付の申請を実施する際には、こういった手数料の徴収が免除になる要件を、事前に確認しておいた方が良いと思います。

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