株式会社博報堂のシンクタンクである博報堂生活総合研究所は、20～69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化する調査を毎月実施しています。
今回の調査は9月2日から5日にかけて行われ、その結果が「来月の消費予報」として発表されました。
2024年10月の消費意欲指数は44.4点となり、前月比で－1.4ポイント、前年比でも－2.1ポイントと、いずれも低下しました。これは過去5年間の10月として最も低い数値です。
10月の消費意欲指数が低下した理由としては、秋らしい意欲が高まる一方で、節約意識が強まっていることが挙げられます。
具体的には、消費にポジティブな回答が前月の291件から360件に増加し、ネガティブな回答は888件から872件と横ばいでした。
ポジティブな回答では「秋服が欲しい」「食欲の秋」といった季節的な意欲向上が増加しています。
一方、ネガティブな回答では「金銭的な理由で節約・我慢」が増加し、「暑い季節は出かけたくない」という回答は減少しました。
前年と比較すると、消費にポジティブな回答は322件から360件に増加し、ネガティブな回答は888件から872件と横ばいでした。具体的には、「自分へのご褒美」といった満足のための消費意欲がやや増加しています。
しかし、「今月までに多く使った反動で節約」という回答が増加し、物価高や値上げ、円安の影響も依然として高い水準にあります。
また、「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」と回答した人の割合は26.6%で、前月比で+3.4ポイント、前年比でも+0.9ポイントと上昇しました。
16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「食品」「ファッション」「旅行」の3カテゴリーが20件以上増加しましたが、前年比では「外食」「ファッション」「日用品」「スマートフォン・携帯電話」「書籍・エンタメ」の5カテゴリーが20件以上減少しました。
このように、秋らしいカテゴリーでの消費意向は前月より高まる一方で、前年からは幅広いカテゴリーで低下することが予想されます。物価高の影響などにより金銭的に余裕が持てず、節約意識が高まっていることが、10月の消費意欲指数の低下に繋がっていると考えられます。
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