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マイナ保険証は「2024年10月、2025年春、2026年中」に明暗を分ける


マイナ保険証は「2024年10月、2025年春、2026年中」に明暗を分ける

紙やプラスチックなどの従来の健康保険証は廃止され、マイナ保険証(健康保険証として利用するための登録を済ませたマイナンバーカード)に移行します。

またマイナンバーカードを取得していないなどの理由で、マイナ保険証を使えない方は、健康保険証の代わりに交付される資格確認書に移行します。

政府が掲げる健康保険証の廃止日は2024年12月2日になりますが、この日を境にして状況が大きく変わるとは思えないのです。

その理由として廃止日から最長1年の猶予期間が終わるまでは、健康保険証を使っても良いからです。

つまり実質的な廃止日は猶予期間が終わる日になるため、この日を迎えるまでに政府がマイナ保険証の利用率を、どのくらい高められるのかが明暗を分けると思います。

また2024年10月、2025年春、2026年中という3つの時期も、マイナ保険証の明暗を分けると思いますが、その理由は次のようになります。

3つの時期がマイナ保険証の明暗を分ける

2024年10月に開始予定の利用登録の解除申請

健康保険証の廃止に反対する団体が、厚生労働省に対する直談判や署名活動を行っています。

これらに加えて一部の団体はマイナンバーカードの取得者に、「健康保険証として利用するための登録を止めよう」、または「利用登録を解除しよう」と呼びかけているのです。

その理由としてはマイナンバーカードを取得しても、健康保険証として利用するための登録を行っていない方には、資格確認書が交付されます。

また健康保険証と資格確認書は僅かな違いしかないので、健康保険証の利用者の多くが資格確認書に移行すると、健康保険証の廃止前と同じような状態になるからです。

マイナンバーカードを健康保険証として利用するための登録は、医療機関の窓口にある顔認証付きカードリーダー、セブン銀行ATM、マイナポータルから手続きができます

一方で利用登録の解除については、自治体の事務誤りによって利用登録が行われた場合などの一部の例外を除き、今のところは手続きができないのです。

しかし利用登録を解除するための申請が、2024年10月に開始される予定のため、今後は任意に解除できます。

これを利用して多くの方が資格確認書に移行すると、上記のように健康保険証の廃止前と同じような状態になるため、2024年10月はマイナ保険証の明暗を分けると思います。

医療機関の窓口で利用するのは利用者証明用電子証明書

マイナンバーカードの裏面に付いているICチップには、利用者証明用電子証明書と署名用電子証明書という2つの電子証明書が、標準的に搭載されています。

医療機関の窓口にある顔認証付きカードリーダーで受付する際は、ここにマイナンバーカードを置いた後に、前者の利用者証明用電子証明書の暗証番号を入力します。

もし暗証番号を忘れた場合には、顔認証付きカードリーダーが撮影した顔写真と、IC チップから読み取った顔写真のデータを照合します。

いずれかの方法がうまくいって、利用者証明用電子証明書を利用した本人確認が完了すると、医療機関は患者の資格情報を取得できるのです。

そのため医療費の自己負担の割合は10割ではなく、本来の割合(年齢や所得によって1~3割)になるのです。

2025年春に進化するスマホ用電子証明書搭載サービス

コンビニで住民票などを取得する際には、顔認証付きカードリーダーでの受付と同様に利用者証明用電子証明書を利用するので、こちらの暗証番号を端末に入力します。

一方でオンラインでの確定申告やパスポートの更新の際には、本人が送ったことを証明するために署名用電子証明書を利用するので、こちらの暗証番号を端末に入力します。

このような用途で利用できるマイナンバーカードの電子証明書を、所定の手続きによってスマホに搭載できる、スマホ用電子証明書搭載サービスが始まっています。

まだ利用できる用途は限定されていますが、将来的にはスマホに搭載した電子証明書を、医療機関の窓口で利用できる予定です。

これにより医療機関にスマホだけを持っていけば、本来の割合で医療を受けられるため、マイナンバーカードを持ち歩く必要がないのです。

そのため紛失の予防になるだけでなく、例えば職場で体調が悪くなった時に、マイナンバーカードを自宅まで取りに行く必要がないのです。

スマホ用電子証明書搭載サービスは今のところ、Androidだけに対応していますが、先日にデジタル庁から2025年春には、iOSにも対応すると発表されました。

日本ではiOSが搭載されたApple社のiPhoneを利用する方が多いので、これを予定通りに実現できるのかは、マイナ保険証の明暗を分けると思います。

また顔認証付きカードリーダーによっては、スマホを置けるだけのスペースがないと指摘されているので、Apple社だけでなく医療機関の協力も不可欠になるのです。

電子証明書が失効するとマイナ保険証を利用できない

マイナンバーカードと2つの電子証明書には、次のような有効期間がありますが、後者の電子証明書の有効期間には、特に注意する必要があります。

【マイナンバーカード】

18歳以上:10年(発行日から10回目の誕生日まで)

18歳未満:5年(発行日から5回目の誕生日まで)

【2つの電子証明書】

5年(発行日から5回目の誕生日まで)

その理由としてはマイナンバーカードよりも有効期間が短いだけでなく、更新手続きを忘れて電子証明書が失効すると、マイナ保険証を利用できなくなるからです。

また電子証明書の更新手続きは、本人または代理人が市区町村役場などに足を運び、対面で実施する必要があるため、仕事を休まないと更新できない方がいるからです。

もし更新手続きを忘れて電子証明書が失効した場合、市区町村役場などで再発行できるだけでなく、資格確認書の交付を受けられます。

ただ電子証明書が失効すると医療以外の面でも不利になるため、例えばマイナンバーカードの表面を見て、有効期限を把握しておくのです。

また有効期限の2~3か月前くらいに、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)から有効期限通知書が送付されたら、すぐに中身を確認するのです。

新たなマイナンバーカードが2026年中に導入される

政府は2026年中を目標にして、新たなマイナンバーカードを導入すると発表しています。

新たなマイナンバーカードはデザインが変わるだけでなく、生年月日が元号から西暦になったり、氏名の下にはフリガナとローマ字が併記されたりするのです。

また性別はマイナンバーカードに記載しないで、ICチップの中に記録するため、所定のアプリがないと性別がわからないようになります。

これらよりも評価できると思ったのは、18歳以上に関しては電子証明書の有効期間を、5年から10年に延長する点です。

その理由としてマイナンバーカードと電子証明書の有効期間が、10年に統一されたとしたら、把握しておくべき有効期限がひとつになるからです。

また資格確認書の有効期間の最長5年よりも、電子証明書の有効期間が長くなると、マイナ保険証の優位性が高まるからです。

そのため新たなマイナンバーカードを2026年中に導入できるのかも、マイナ保険証の明暗を分けると思います。

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