このたびクレジットカードのPayPayカードが、Google Payのタッチ決済に対応しました。
クレジットカードがGoogle Payに対応することに、不思議はありません。
ただ見方を変えると、QRコード決済のPayPayがタッチ決済の領域に進出しているともいえます。
最近増えたこのような事例を、4大QRコード決済について追ってみます。
そして、QRコード決済のタッチ決済は、果たしてお得になるものでしょうか。
PayPayカードがGoogle Pay対応
クレジットカードのPayPayカードは、QRコード決済のPayPayで「クレジット」決済するために必須の存在です。
このたびPayPayカードのVISA、Mastercardが、Google Payに対応しました。Androidでタッチ決済が使えるようになりました。
時期未定ですが、JCBも対応予定とのことです。
Apple Payにはすでに対応しているので、PayPayカードはスマホのタッチ決済にほぼ対応したわけです。
Mastercardブランドのクレジットカードが、Google Payに対応するのは初めてのことです。
決済効果はPayPayと同じ
PayPayカードのタッチ決済は、原則通り還元率1.0%です。
そして、還元率を上げるための「PayPayステップ」にもタッチ決済が含まれます。
つまりPayPayカードユーザーは、QRコード決済PayPayに加え、もうひとつ別種の決済方法を得たわけです。
楽天ペイと楽天カードのタッチ決済
楽天カードのスマホタッチ決済は、Apple Payについてはごく普通のものです。
Android対応のタッチ決済は少々変わっており、QRコード決済の楽天ペイで設定します。
ですから、楽天ペイを使ったタッチ決済だともいえるのです。
Google Payでなく楽天ペイで設定することのメリットとして、VISAと並び、楽天カードMastercardでタッチ決済が使えます。
通常Google PayではMastercardのタッチ決済はできないわけで、ここに楽天ペイを使うメリットがあるのです。
Androidユーザーにとっての難点としては、Google Payのタッチ決済と抵触するということです。
ただ、タッチ決済の際も必ずウォレットアプリまたは楽天ペイアプリを開いてから使うようにすれば、どちらを使うかの質問がポップアップで出るので、さほど問題はありません。
いちいちアプリを開いているようではタッチ決済の意味がないと思われるかもしれませんが、これは仕方ありません。
楽天タッチ決済はお得?
さて、還元率について楽天のタッチ決済にお得感はあるでしょうか。
タッチ決済の還元率は、Apple PayもGoogle Payも、楽天カードの券面決済と同一です。
現在楽天では「楽天キャッシュ」で楽天ペイを使うのが最もお得となっているため、楽天カード引落しとなるタッチ決済の数字のメリットはさほどありません。
そして楽天キャッシュは、チャージしてもポイントのつかなくなった楽天カードではなく、楽天ギフトカード(POSAカード)を「ファミリーマートで、ファミペイで」または「ミニストップで、WAONで」買ってチャージするのがお得になっています。
Androidの場合、「エポスゴールドカードから楽天Edyにチャージし、さらに楽天キャッシュに交換する」のが最強で、最大3.1%還元となります(不自然なルートであり、いずれ消滅すると思われます)。
ただ、楽天キャッシュ払いだと、特に東日本ではポイント付与対象外となる店舗も多いのでお気をつけください。
d払いタッチでタッチ決済
ドコモのdカードは、スマホのタッチ決済には対応していません。
Apple Payにセットして使えるようになる決済は、電子マネーiDです。
ですが、QRコード決済のd払いがタッチ決済に対応しています。
結局、dカードも間接的にスマホ決済に対応しているわけです。
これが「d払いタッチ」です。
d払いタッチは、AndroidはiDのみ
d払いタッチは、d払いアプリで設定します。
アプリで発行されたバーチャルカードをApple PayまたはGoogle Payにセットして使います。
通常よりも1段階手順が多いのですが、これでdカードもスマホのタッチに対応できます。
なお「タッチ」とはいうものの、Android版はタッチ決済には対応しておらず、iD決済となります。
iPhone版はタッチ決済とiD、両方に対応しています。
d払いタッチの還元率等のメリットは
d払いタッチの数字のメリットは、「dカードの直接決済」「d払いにdカードをセットした支払い」と変わりません(1.0%)が、dカードがスマホで使えると考えるなら価値はあるでしょう。
ちょっと気になるのは、「d払いタッチ」のキャンペーンはあったものの、d払いのキャンペーンの多くでd払いタッチの利用実績が除外されていることです。
普及させたいのかそうでないのか、よくわかりません。
au PAYはプリペイドカードがApple Payに対応
au PAYは、au PAYプリペイドカードがApple Payに対応しています。
d払いとパラレルに考えると、これはクレジットカードの「au PAYカード」がタッチ決済に対応した、そう考えられるでしょうか?
そうだとも言えるのですが、au PAYプリペイドカードのほうは、もっと汎用性が高いものになっています。
au PAYプリペイドカードの決済原資であるau PAY残高は、さまざまなクレジットカードから作れるためです。
クレジットカード(すべてではない)からチャージして残高を作ると、決済と利用(0.5%)でWポイントとなります。
逆に系列のau PAYクレジットカードだと、月5万円のチャージ上限のないかわり、還元がありません(ゴールドなら1.0%)。
au PAYプリペイドカードのタッチ決済は、ポイントのたまるチャージで作った原資から支払える点が画期的です。
au PAYプリペイドカードは、バーチャルカードでよければ手数料不要で発行できますし、スマホのタッチ決済を主にするなら発行手数料600円するリアルカードは不要でしょう。
あいにくプリペイドカードがMastercardブランドで、Google Payには非対応です。
au PAYプリペイドカードは、ここからApple PayのWAONチャージもできる(ポイントは付かないが、すでにWポイントで作った残高なのでメリットがある)など、キャッシュレスにおいて多様なシーンで活躍場所があります。
4つのQRコード決済系タッチ決済では、Apple Payのみとはいえ数字の価値が最も高いのではないでしょうか。
QRコード決済系タッチ決済の共通項
4大QRコード決済系のタッチ決済を見てきました。
最後に、共通項です。
・ タッチ決済が還元率等においてお得になるわけではない(基本はQRコード決済と同一)
・ QRコード決済のクーポンはタッチ決済では利用できない
・ 地域の大型還元等でタッチ決済は利用できない
・ 交通機関に乗る際は、タッチ決済のみ対応(今後はQRコード決済対応も増えていくと思われる)
使い分けの方法は、お店と、決済原資次第でしょう。
小規模な、キャッシュレス手段がPayPay以外にない店舗では引き続きPayPayで、タッチ決済対応のチェーン店なら利用者が楽なほうで、となるでしょう。
そしてたまったPayPayポイントを決済に利用する際には、QRコード決済で、ということになります。
タッチ決済は複数を自在に使うことはしづらい
4大QRコード決済系列のタッチ決済について見てきました。
QRコード決済は各アプリで使えるため、併用が簡単です。4大QRコード決済を使い分けるのも簡単です。
いっぽうスマホのタッチ決済は、併用すると必ずなんらかの抵触をもたらします。
Apple PayもGoogle Payも、複数のタッチ決済を自在に操るというわけにはなかなかいきません。次の通りです。
・ Apple Pay … メインのカード以外は、「タッチしてから選択する」必要があり、操作に難がある
・ Google Pay … メインのカード以外は、ウォレットアプリをあらかじめ開いてからタッチする必要がある(Apple Payよりは準備しやすい)
結局どうしても、メインに設定した1枚を中心に使うことになります。
ここにタッチ決済の限界があるように思います。
さて現在タッチ決済で数字のメリットが圧倒的に高いのは、QRコード決済と関係の薄い三井住友カードです。
コンビニや飲食店でスマホタッチ7.0%以上となる三井住友カードなら、タッチ決済自体に大きな意味があるのです。
QRコード決済派も、タッチ決済については三井住友カード本線をおすすめします。
決済を絞り込んでいる人にとっては、使うシーンの増えるQRコード決済系タッチ決済は便利でしょう。
ただ、複数使いこなす人にとっては、大きなメリットまではありません。
鉄道利用は便利ですが、基本は従来型のQRコード決済アプリが便利だと考えます。
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