海外でカード払いをした際、基本的には現地通貨建てで利用します。
カード会社から利用代金が利用者に請求される際、円貨に換算する必要があるのですが、その事務処理費用が海外事務手数料です。
Visa/Mastercardなどの国際ブランドが指定する為替レートに、カード会社が独自に設定する事務処理手数料を加えた換算レートで請求されます。
海外旅行の際は、この海外事務手数料に注意が必要です。
海外事務手数料の引き上げが相次ぐ
≪執筆者撮影≫
先日、フランス旅行をした際のカード利用明細が届きました。
6月18日に「CARREFOUR」というスーパーを利用した際の明細を見てみましょう。
10.66ユーロ支払ったのですが、請求額は1,852円でした。
≪画像元:Mastercard≫
6月18時点のMastercardのレートは1ユーロ=169.93円でしたが、カード会社からの請求時のレートは173.734円です。
つまり、差し引き1ユーロ=3.804円がカード会社の海外事務手数料です。
筆者が使ったクレジットカードは、後述の「三菱UFJニコス」で、海外事務手数料率は2.2%となっています。
このコストが増大しているため、最近になって海外事務手数料を引き上げるカード会社が続出しています。
【楽天カード】海外事務手数料を2.2%に引き上げ
≪画像元:楽天カード≫
今年の4月、楽天カードは海外事務手数料を改定しました。
3月まではVisa/Mastercardが1.63%、JCBが1.6%、アメックスが2%でした。
4月以降は国際ブランドに関係なく、2.2%に引き上げられました。
【三菱UFJニコス】(8月より)海外事務手数料を3.85%に引き上げ
≪画像元:三菱UFJニコス≫
三菱UFJニコスでは、海外事務手数料を2.2% → 3.85%に改定します。
・ MUFGカード(三菱UFJカード含む):8月13日請求分より
・ NICOSカード/JAカード:8月27日請求分より
と、カードブランドにより改定時期が異なります。
仮に8月過ぎに旅行に行っていたら、最終的な請求金額が1,852円 → 1,881円となったところでした。
ただし、改定対象となるのはVisa/Mastercardブランドのみで、JCB/Amexブランドは引き続き2.2%です。
【三井住友カード】(11/1より)海外事務手数料を3.63%に引き上げ
≪画像元:三井住友カード≫
三井住友カードでは、11月1日以降に三井住友カードに到着した売上より、海外事務手数料を以下のように改定します。
・ クレジットカード:2.2% → 3.63%
・ デビットカード:3.05% → 3.63%
ただし、改定日とカード利用日と一致するものではありません。
加盟店からのデータの持ち込みのタイミング、三井住友カードでの処理タイミングによっては、10月31日以前の利用分でも改定後の事務処理手数料が適用される場合があります。
逆に、11月1日の利用分でも改定前の事務処理手数料が適用される場合もあります。
一部提携カードについては改定の対象となりません。
海外事務手数料がお得なカードを紹介!
海外旅行の機運に水を差すように、海外事務手数料が改悪されます。
しかし、海外事務手数料がお得なカードはまだありますので、紹介しましょう。
【IDARE】海外事務手数料ゼロ
≪画像元:Fivot≫
「IDARE」は、株式会社Fivotが運営する目標貯金アプリです。
リアルカードとしてプリペイドカードも発行していますが、海外で無類の強さを発揮します。
現在のところ、IDAREでは海外事務手数料を徴収していません。
【Sony Bank WALLET】外貨建て決済なら海外事務手数料ゼロ
≪画像元:ソニー銀行≫
ソニー銀行のデビットカード「Sony Bank WALLET」は、海外事務手数料がお得です。
残高がある外貨普通預金口座から支払えば、海外事務手数料がかかりません。
円普通預金口座から外貨の不足分を充当した外貨普通預金口座から支払っても、為替コスト(100米ドルなら15円)のみです。
上記に該当しなくても、海外事務手数料は1.79%となります。
【JCB】アメックス・ディスカバー加盟店でも利用可能
≪画像元:JCB≫
JCBが発行しているクレジットカードでは、海外事務手数料が1.6%です。
ちなみにJCBをハワイで使うと、20%キャッシュバックというキャンペーンを8月に実施しています。
JCBは海外で利用できないというイメージがありますが、そんなことはありません。
アメックスの使えるお店ならJCBも利用できますし、アメリカならディスカバーの使えるお店でもJCBが利用できます。
【イオンカード】ショッピング保険が充実
≪画像元:イオン銀行≫
イオントカードでは、Visa/Mastercard/JCBのいずれでも海外事務手数料が1.6%です。
イオンカードにはショッピング保険が付帯しており、最高50万円(ゴールドは300万円)を補償します。
しかも、通常は購入日から90日間しか補償してくれないのですが、イオンカードなら180日間商品を補償してくれるのです。
【ACマスターカード】キャッシングもお得
≪画像元:アコム≫
大手消費者金融アコム発行の「ACマスターカード」は、海外事務手数料が1.6%程度です。
アコムとの初回契約に限り、30日間キャッシングの金利ゼロというキャンペーンがあります。
これは海外キャッシングも対象です。
また、海外キャッシングをしたその日にスマホなどから即時返済が可能で、そうすれば金利は発生しません。
デビット・プリペイドカードは使えないお店も
海外でお得になるには、海外事務手数料を無視できません。
クレジットカードだけでなく、デビットカードやプリペイドカードにもお得なカードがあります。
しかし、デビットカードやプリペイドカードは、一部のお店で使えない場合があります。
IDAREの場合、以下の店で利用できません。
・ 宿泊施設
・ ガソリンスタンド
・ 一部の公共交通機関
・ 一部のタクシー
・ 飛行機・客船等の機内販売
・ 高速道路料金
十分に注意し、できれば1枚はクレジットカードを持ってくといいでしょう。
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