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社会保険料を決定する際に指針となる「標準報酬月額」とは


社会保険料を決定する際に指針となる「標準報酬月額」とは
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健康保険と厚生年金保険を総称して社会保険と呼びます。

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社会保険は法人企業に勤める正社員や役員等が加入する保険です。

特に厚生年金保険料は健康保険と比べて高額であり、手取り額を懸念するために社会保険には入りなくないとの声も少なくありません。

今回は社会保険料を決定する際に指針となる標準報酬月額について解説します。

社会保険料を決定する際に指針となる標準報酬月額について解説

標準報酬月額とは

標準報酬月額とは健康保険料、厚生年金保険料を決定する際に指標となるものです。

標準報酬月額と健康保険料、厚生年金保険料は紐づいており、標準報酬月額が決定すれば、健康保険料も厚生年金保険料も把握することが可能です。

報酬とは

標準報酬月額の前に報酬についても確認しましょう。

まず被保険者が毎月受け取る給与(基本給だけでなく、残業代や通勤手当等も含む)を一定の幅で区分したものを報酬月額と呼びます。

また、報酬に含まれるものと含まれないものも存在します

わかりやすい例から言うと、税務上は一定額まで非課税とされる通勤手当については、社会保険上では報酬と定義されています

それだけでなく、残業代や各種手当(住宅手当や職務手当)も、社会保険上の報酬に当たります。

逆に、報酬に当たらないものとしては、社会通念上妥当な額にとどまる結婚祝い金や、お見舞い金は報酬に当たりません

標準報酬月額の決定

標準報酬月額は一般的には採用時に決定されます。

近年は社会保険加入対象者の拡大が図られており、パートやアルバイトと称していても、職場の人事担当者からは社会保険の対象になりますと言う案内が来ることもあるでしょう。

標準報酬月額は、未来永劫、その等級から変動がないと言う事はありません。

端的には多くの方が対象となる4月から6月の給与を平均した額を届出する算定基礎届と言う業務があります。

算定基礎届の趣旨としては、毎年1回、現在の標準報酬月額と給与の額が適正かを精査するという趣旨です。

ただし、給与の改定は随時起こり得るもので、その場合は随時、標準報酬月額の改定が行われます

そしてその改定に該当するにはいくつかの条件があります。

1つは固定的な賃金が変動することです。

固定的な賃金とは、基本給や手当、あるいは給与体系の変更等が挙げられます。

次に、標準報酬月額が 2等級すると言う要件もあります。

言い換えると固定的な賃金に変動あったとしても、標準報酬月額の変動が1等級のみのでは、対象にならないということです。(ただし、1等級の変動でも改定になるケースはあります)

このように、算定基礎届とは、別に改定を行うことを月額変更(または随時改定)と呼びます。

いろんな疑問が出てきます

標準報酬月額が改定された場合はどうなるのか?

標準報酬月額が改定されると、当然月々の給与から天引きされる保険料の額も改定されます。

それだけでなく、将来受け取る年金額や業務外の病気や怪我により働けなくなった場合に受け取ることができる傷病手当金の額にも影響が及びます

月額変更届は届け出をするか否かは任意ではなく強制となるため、選択の余地はありませんが、届け出した場合にどのような影響が及ぶのか(単純に月々の給与から天引きされる保険料の額が変動するだけではない)は、理解しておくことが望まれます。

賞与が支給された場合はどうなるのか?

給与と賞与の社会保険料の考え方は厳密には異なります。

使用する保険料の率は同じではあっても、そもそも賞与には標準報酬月額と言う概念はありません。

賞与が支給された場合には、1,000円未満を切り捨て、標準賞与額を算出します。

そして、当該標準賞与額に健康保険、厚生年金保険料率を乗じて保険料の額が決定されます。

なお、賞与にかかる厚生年金保険料は、1回あたり150万円と言う上限がありますので150万円を超える賞与が支払われても150万円の賞与が支払われた場合と厚生年金保険料の額は同じということです。

もちろん、将来の年金受給時には、標準賞与額も年金の計算基礎額に含まれます。

短期的な視点と長期的な視点を持つ

標準報酬月額、標準賞与額共に、年金とは密接に結びついており、短期的な視点と長期的な視点を持つことが適切です。

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