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3月の配当・株主優待に向けての個別銘柄を検討されている方も多いでしょう。
その中で、一定のニーズがあるのが鉄道株です。
安定しているイメージがある鉄道株ですがどのような魅力があるのでしょうか。
鉄道会社で上場しているのは計24社
鉄道会社で上場しているのは合計で24社あります。
JRでは、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の4社。
私鉄では、関東圏の大手私鉄(東武、西武、京成、京王、小田急、東急、京急、相鉄)と関西圏の大手私鉄(近鉄、南海、京阪、阪急・阪神)、そして名鉄、西鉄が上場しています。それ以外にも、秩父鉄道や広島電鉄、神戸電鉄など大手私鉄以外にも上場している鉄道会社もあります。
なお、東京メトロは今後、株式を上場することが報道されています。
鉄道会社の売上構成は鉄道以外が中心
鉄道会社の売上構成と聞くと、バス・タクシーを含む交通(運輸)事業が中心と思われがちですが、特に私鉄では交通事業の割合は一般的に思われているよりも高くありません。
・ 東急(9005)交通事業:約19%、不動産:約20%、生活サービス:約54%、ホテル・リゾート約7%
・ 京王電鉄 (9008)運輸業:約32%、流通業:約29%、不動産業:約14%、レジャー・サービス業:約14%
・ 阪急阪神ホールディングス (9042)都市交通:約19%、不動産:約28%、エンタメ:約7%、情報・通信:約5%、旅行:約20%、国際輸送:約17%
(いずれも2023年3月時点)
各私鉄により特徴はありますが、百貨店やスーパーなどの流通業、生活サービスや不動産、ホテルなどのレジャーなど、交通(運輸)事業以外にも多角的に事業を行っています。
これはコロナ禍前からの傾向です。
一方で、JRは各社により売上構成割合が異なります。
例えば、東海旅客鉄道(JR東海) (9022)は運輸事業が80%を占めています。
これは東海道新幹線が売上の中心です。
それ以外のJRの運輸事業の売上構成では、JR東日本(約67%)、JR西日本(約54%)、JR九州(約35%)の順番になっています(いずれも2023年3月時点)。
株主優待はどのぐらい期待できる?
鉄道会社の株式の購入を検討される時に、関心が高いのが株主優待でしょう。
各鉄道会社では株主優待制度を導入しており、その鉄道会社のみで利用できる乗車券や割引券、さらにはグループ企業の割引券もあります。
各私鉄では、100株以上を3月と9月の権利確定日にそれぞれ保有しておくことでもらえますが、中には小田急電鉄 (9007)のように500株以上~が株主優待の対象となっている鉄道会社もあります。
また、相鉄ホールディングス (9003)の優待乗車券は100株保有の人のみ3月しか対象とならないケースもありますので、ご注意を。
一定期間のみ乗り放題になる全線パスは2,000万円以上の株式を購入しておくことが必要など、現実的ではないと思われます。
JRでは、優待割引券が保有株式数に応じてもらえます(JR九州は1日乗り放題切符)。
割引率はJR各社によって異なります(JR東日本40%割引、JR東海10%割引、JR西日本50%割引)。
なお、JR東海は500株以上保有が対象など、こちらも株式を購入する前に確認しておきましょう。
さらに、JR東日本、JR西日本、JR九州では各社グループ企業のホテルなどの割引券も株主優待としてもらえます。
株主優待利回り(投資金額に対する株主優待の割合)ですが、特に割引券はどのぐらい利用するのかにより異なりますが、高くても1%ぐらいです。
優待利回りが高いとは言えません。
配当
配当利回りは1%もしくはそれ以下~1.5%が多くなっています。
コロナ禍の時も含めて比較的安定的に配当を出していますが、日経平均株価の平均配当利回りが2.0%ですので低い水準です。
優待利回りも含めて考えても、いわゆる高配当利回り銘柄と比べると見劣りします。
株価の値動き
コロナ禍で大きく下落した各鉄道会社ですが、アフターコロナになり業績とともに株価も上昇しています。
また、1年前と比べると上昇している鉄道会社も多い状況です。
JR本州3社(JR東日本、東海、西日本)の直近の決算では3社ともに業績見通しを引き上げています。
値動きが安定しているイメージあるかもしれませんが、年間で10%~15%の変動率があります。
また、売上構成は運輸事業以外の項目も業績に大きく影響します。
例えば、ホテルであればインバウンド需要、不動産であれば不動産市況などです。
今後、鉄道各社は人口が減少していくことから、運輸事業以外にも力を入れていきます。その鉄道会社の沿線に住んでいるから馴染みがある、または応援したい。
グループ割引券を使う機会が多い、または長期で保有し大きくはないが確実に利益を狙う場合には、鉄道会社の購入を検討してもよいかもしれません。
日経平均株価などの全体の市況も含めて購入するタイミングは見計らう必要があります。