継続して働いていくにあたっては家庭の事情により仕事を継続することが困難になることもあるでしょう。
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その1つに家族の介護問題が挙げられます。
介護問題は多くの方が通る道で完全に避けて通ることは難しく、日本国内を見渡しても多くの世帯で悩みのひとつに挙げられます。
今回は家族の介護問題で仕事を休まざるを得なくなった際に活用できる、給付金制度について解説します。
介護休業とは?
労働者が要介護状態である家族を介護するために、休業することができる制度です。
要介護状態とは、原則として、2週間以上の期間、常時介護を必要とする状態にある対象家族を介護するための休業です。
実務上は「要介護2以上」とされていますが、この基準に固執してしまうと労働者の介護休業の取得が制限されてしまう恐れがあり、介護の悩みを抱える労働者の個々の事情を勘案し、可能な限り、労働者が仕事と介護を両立できる体制を選択すべきとされています。
もし、既に要介護状態となっている家族がいる場合や、その恐れがある場合等は職場に相談することが良いでしょう。
介護休業給付金とは?
介護休業を取得した場合、当該期間中、法律上は給与の支給義務がありません。
実務上も無給とされているケースが多いです。
ただし、介護休業期間中も生活費は発生することから、経済的な問題が無視できなくなります。
そこで、雇用保険に加入している労働者に対しては、介護休業給付金制度が設けられています。
介護休業給付金とは、介護休業中の収入補填との位置付けで、非課税給付として通算93日分を受給することができます。
ただし、介護休業給付金対象者は雇用保険加入者ですので、会社の経営者や雇用保険未加入者は対象になりません。
介護休業給付金の計算式
端的には、
休業開始時賃金日額×支給日数×67%
となります。
なお、休業開始時賃金日額とは介護休業前の6 か月間の賃金を 180 で割った額です。
正確な金額は当然個々人によって異なりますが、異ならない部分として非課税であることです。
受給額の目安
なお、受給額の目安としては概ね以下のとおりです。
平均して概ね月額15万円の場合、支給額は概ね月額10万円
平均して概ね月額20万円の場合、支給額は概ね月額13.4万円
平均して概ね月額30万円の場合、支給額は概ね月額20.1万円
介護休業中の就労は?
よくある相談事例として、介護休業中に働いた場合、介護休業給付金はどうなるのかです。
もし、働いた場合、1支給単位期間(介護休業開始日から起算した1か月ごとの期間)において、就労している日数が10日以下でなければその支給単位期間については支給対象となりません。
この就労している日数は、在職中の会社以外で働いた分も含まれるという理解です。
また、介護休業終了日が含まれる1か月未満の支給単位期間については、就労している日数が10日以下であるとともに、介護休業している日が1日以上あることが必要となります。
介護休業中に就労で給与が支払われた場合は?
前述の「1支給単位期間」において、休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支給されている場合、介護休業給付金は支給されません。
また、80%に満たない場合であっても、賃金額に応じて、支給額が減額される場合があります。
介護休業中は仕事どころではなく、休業に専念したいという場合は問題になり得ないと思われますが、徐々に介護から就労に移行していく際には必ず頭にいれておきたい論点です。
介護休業給付金制度をかしこく活用しよう
少子高齢化社会真っ只中の日本において介護問題は今後も多くの方が対象になり得る問題です。
介護休業給付金はそのような問題に直面した労働者に対して、雇用保険制度上活用できる制度ですので、賢く活用すべきと考えます。