今年もこれから確定申告シーズンに突入しますが、所得税の確定申告書は基本的に年1回しか提出しないので慣れませんし、申告書を作成するのも面倒です。
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国税庁は、所得税の確定申告書を以前よりも簡単に作成できるよう改善していますので、今回は令和5年分の所得税の確定申告における手続き上の変更点について解説します。
e-Taxなら自宅で確定申告書を作成・提出が可能
所得税の確定申告書は、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で作成することができるので、税務署に確定申告書を取りに行く必要がありません。
作成した申告書を印刷し、税務署窓口や郵送で提出する方法もありますが、e-Taxを利用すれば自宅から申告書を提出することが可能です。
e-Taxで申告をするためには利用者識別番号の取得など、事前準備が必要となりますが、税務署に行く時間や費用を踏まえればコスパは悪くありません。
今まではパソコン等でマイナンバーカードを読み取るためには、ICカードリーダライタを用意しなければいけませんでしたが、現在はマイナンバーカードの読み取りに対応したスマホを、ICカードリーダライタの代わりとして利用できるようになっています。
そのため、ICカードリーダライタを所有していない方についても、e-Taxで申告することができます。
マイナポータル連携による自動入力の対象項目が拡大
「マイナポータル連携」は、マイナポータル経由で申告に必要となる控除証明書等のデータを取得し、確定申告書の該当項目に自動入力する機能です。
以前からマイナポータル連携の機能は存在していましたが、令和5年分確定申告から連携できる種類に給与所得の源泉徴収票、国民年金基金掛金、iDeCo、小規模企業共済掛金が加わります。
<令和6年1月以降にマイナポータル連携の対象になる入力項目>
給与所得の源泉徴収票
公的年金等の源泉徴収票
株式の特定口座
医療費
ふるさと納税
生命保険
地震保険
国年年金保険料
国民年金基金掛金
iDeCo
小規模企業共済掛金
住宅ローン控除関係
自動入力の対象になるためには、勤務先が税務署に給与所得の源泉徴収票を提出し、マイナポータルと連携していることが条件となっています。
会社員などの給与所得者が確定申告書を作成する場合、収入等も入力(記載)しなければいけませんが、マイナポータル連携に対応していれば給与所得の源泉徴収票の情報が確定申告書に自動入力されるため、数字等の入力誤りを防ぐことができます。
マイナポータル連携を活用する際の注意点
マイナポータル連携は、マイナンバーカードとマイナンバーカード読取対応のスマホ(またはICカードリーダーライタ)を用意し、e-Tax申告する際に活用できる機能です。
手書きなどe-Tax以外の方法で申告書を提出する場合、マイナポータル連携を活用することはできません。
また、勤務先など該当する控除証明書の発行主体がマイナポータル連携に対応していないと機能は利用できないので、勤務先等によっては従来通り申告書に金額等を直接入力する必要がある点には注意してください。
確定申告の準備は少し早めにやるのが吉
確定申告期間は2月16日から3月15日の1か月間ですが、還付申告であれば年明けから申告することが可能となっています。
国税庁ホームページの「確定申告書作成コーナー」はどなたでも利用できますが、ご自身で申告書を作成するのが難しい場合には税務署に相談することも検討してください。
税務署の確定申告相談には入場整理券が必要であり、入場整理券の配付状況によっては当日の相談を断られる可能性もあるため、できるだけ税務署が混雑しないうちに申告することをオススメします。