寒い季節になってくると「ヒートショックに注意しましょう」とテレビなどで特集されているのを見かけます。
冬でも高齢者の脱水に注意!加湿器を使わずに無理なく乾燥・脱水対策をする方法3つ
ヒートショックとは、気温差によって血圧が上下に変動し、心筋梗塞や脳梗塞など心臓や血管の疾患が起こることを言います。
起こりやすい時期や状況は、11月から2月の間で、暖房のきいた部屋から寒い脱衣場や浴室内へ移動し、浴槽に入ったときなどです。
ヒートショック対策の1つとして有効になるのが暖房器具で浴室や脱衣場を温めておくことです。
今回は、高齢者でも使いやすい暖房器具を紹介します。
足元に不安がある方は、壁掛け式セラミックファンヒーター
≪画像元:山善ビズコム≫
脱衣場に暖房器具を置きたいけれど、足元への不安や暖房器具を置けるスペースが不十分で、置くのをあきらめている方もいます。
そんな時には、壁掛け式のセラミックファンヒーターがおすすめです。
取付金具を脱衣場の壁に固定し、そこに本体の金具をひっかけます。さらに本体下部と取付金具をねじでとめる機種もあります。
その後、脱衣場のコンセントに電源プラグを差し込めば、設置完了です。
取り付けが簡単で、電源さえあればすぐに利用でき、温風だけでなく送風やドライヤーとして使用できる機種もあります。
リモコンで簡単に操作ができ、温風・送風・ヘアドライヤー機能を搭載しています。切タイマーやオートオフ機能付きで、切り忘れ対策もバッチリです。
クーラーのように冷風は出ませんが、冬場だけではなく、夏場の入浴時の暑さ対策にも使えます。
フィルター掃除が定期的に必要な点や風向きの調整が手動な点は手間に感じるかもしれませんが、夏場や夜の入浴だけでなく、脱衣場と洗面所が一緒になっている場合は、朝の洗面時の寒さ対策にも使えますので、値段以上に活躍してくれるお得な機種といえます。
スイッチのオンオフが自分で難しい場合は、人感センサー付き
≪画像元:Amazon≫
認知症の方など、自分でスイッチのオンオフが難しい場合には、人感センサー付きの暖房器具がおすすめです。
人感センサーで、人の動きを感知して自動運転するため、節電が期待できる機種です。
縦置き・横置きどちらもできるので、狭い場所でも置くことができます。
チャイルドロック機能や転倒時電源オフ機能がついている為、認知症の方にピッタリの機種です。
認知症の方に暖房器具を導入する場合、実際に利用できるのか分からなかったり、よく分からないまま触ってしまうなどが問題となります。
アイリスオーヤマ 人感センサー付きセラミックファンヒーターであれば、コンパクトなため、置き場所を工夫できます。触った場合もチャイルドロック機能や転倒時電源オフ機能があるので安心です。
値段もお手頃で、ヒートショック対策にぜひ導入を考えて頂きたい暖房器具です。
リフォームで浴室も温められる、浴室乾燥暖房機を取り付ける方法も
脱衣場に暖房器具を置くのではなく、リフォーム工事をして浴室に浴室乾燥暖房機をつけるという方法もあります。
価格は、脱衣場に設置する暖房器具よりもかなり高くなり、工事も必要ですが、入浴前にスイッチひとつで、浴室・脱衣場のどちらも素早く温められ、ヒートショックの予防に一役買います。
乾燥機能でカビの抑制や雨の日の洗濯物も乾かせたりと、使い道は幅広いです。
カビの抑制は、お風呂のカビ取り掃除の回数を減らすことができます。
洗濯物を部屋内ではなく浴室内に干せることで、部屋内での転倒の危険性を減らせます。
人感センサーや涼風機能、ミストサウナ機能を備えた機種もあります。
電気だけではなく、ガスで動くタイプもあるため、その家庭ごとの事情に合わせることもできます。
浴室乾燥暖房機は別途の工事費がかかったり、本体の値段が高くなりますが、見合うだけの品質や機能を兼ね備えています。
我慢しない節約
脱衣場や浴室の広さや使う高齢者の状態によって、ベストな暖房器具は異なります。
使用する本人がどういった流れで入浴を行っているのかをよく見て、生活スタイルに合った機種を選ぶことが重要です。
暖房器具だけでなく、お風呂の温度を高めに設定しない、飲酒後の入浴は避けるなどの予防策をあわせてとっていくことも大切です。
暖房器具を購入し設置しても電気代やガス代がもったいないからと、使わない方もいるかもしれません。
使わないことが節約になるのではなく、ヒートショックになる方が大変なことになることをじっくりと話し合って理解してもらうことも必要になってきます。
ガスや電気代の高騰で少しでも節約したいとの思いも分かりますが、1時間当たりの電気代やガス代を具体的に示すなどをしながら、暖房器具を有効活用していけるようにしていきましょう。