先週米国では、米長期金利が5%を超え、2007年以来16年ぶりの高水準を付け債券安。
さらにハイテク株の決算発表での売り圧力が強く株安になり、米国の動きと同じく日本市場も株価は乱高下。
世界同時株安と囁かれる状況となった1週間でした。
地政学リスクも引き続き警戒され、節目では買い戻される動きも見られるも、翌日には行ってこいの相場で、強さなのか弱さなのか判断がつかない節目で辛うじて保った日経平均株価でした。
今週は、相場に影響を与える可能性のあるイベントが多いため、注意が必要です。
31日は日銀政策決定会合の結果が昼間にあります。
その日の15時30分からは植田総裁の会見、11月1日には、ザラ場中にトヨタの決算発表があり、ザラ場中に大きく動く可能性があります。
FOMCとパウエル議長の発言が2日の3時30分頃で3日にはアップルの決算発表があります。
日本は11月3日が祝日ですが、米国では雇用統計があります。
大事なイベントが多い1週間、その中で日本は金曜日に祝日なので、建玉の整理整頓をしっかりして余裕を持った取引をしていきましょう。
未来がかわる重要な局面、2つの注視ポイント【今週の日経平均を考える】
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、一週間を通して下向きで推移しています。
25日線は、引き続き下向きで推移し、株価に触れることなく、下を推移しています。
75日線は、下向きに推移しています。
並び順は、75日25日5日の並び順で、引き続き安定下降となっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、上向きで推移し、3万0312円処を推移し、株価との乖離が狭まってきました。
上向きに推移していた100日線は木曜日に下向きへと向きをかえてきています。
トレンドライン
引き続き、7月12日と8月18日と10月4日の下向きの斜めラインと平行して、7月3日と8月1日と10月13日の斜めラインの間のBOXとなっています。
非常に意識された価格帯としては、10月4日安値の3万0487円を割るのか割らないのか、という下値抵抗線です。
火曜日に安値3万0551円と10月4日安値を割るのかと意識されましたが、下髭をつけて戻っていきました。
再度、木曜日に安値3万0687円とぎりぎりのところで耐えた1週間となりました。
上で意識されるのは水木に開けた窓を埋めるかどうかで、下は10月4日安値を割るのかどうかというところを今週も意識してみていきましょう。
一目均衡表
火曜日に天底一致かと思われた遅行線ですが、その後木曜日には再度下げに転じ、金曜日は上向きで終えています。
7営業日以降で、遅行線が日々線を上に抜ける箇所がありますが、どうなるでしょうか。
基準線と転換線の位置関係はまだ下降を示し、弱さが見えています。
11月8日の雲のねじれが相場の転換となるのか、注意していきましょう。
ボリンジャーバンド
バンドは下向きで波を打ちながら、-1σと-2σの間を推移しています。
下向きのバンドがいつ収縮し始めるのか確認していきましょう。
スローストキャスト
売られすぎゾーンに到達しました。
まだ下向き継続中ですが、ここからは反転の機会を見逃さずに確認していきましょう。
MACD
0ラインの下で、下降トレンドとなっています。
MACDとシグナルもまだ下向きに推移し、ヒストグラムも弱さが見えています。
次回の満月は、10月29日部分月食で、新月は11月13日です。
総合判断
パラボリックが陰転し、3万2400円処を推移しています。
パラボリック好転までには時間がかかりそうです。
移動平均線の位置関係から安定下降トレンドどなっており、10月4日安値を割ってくるのかが、今週の確認事項です。
強さを見せたら、ここからは下げ止まりが意識されますし、割ってきたらやはり3万円割れが意識されます。
決算発表や地政学リスクなども相まって、難しい相場が続きますが、しっかり下げ止まりを確認していきましょう。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)