先週は、米国での追加利上げの警戒感が和らいで、週後半は買いが先行し、気になっていた消費者物価指数も株価に大きな影響を与えることなく通過となりました。
米国の流れを受け、日経平均株価も15日金曜日には大きく上昇し、8日金曜日のSQ値も超える上昇となりました。
為替では円安が進行しており、147円台と輸出関連企業には追い風となっています。
今週は19日20日のFOMCと21日22日の日銀政策決定会合があり、注目イベントが目白押しですが、投資家の関心事は、9月のFOMCではなく、10月31日11月1日のFOMCの予想へと移っているようです。
しかしまだイベントを通過したわけではないので、波乱の展開もあり得ます。
市場はあくまでも予想からの動きなので、20日のFRBパウエル議長の会見や日銀政策決定会合後の為替介入があるのかなど、しっかり確認しましょう。
米市場レーバーデーの休場後、強い相場が戻ってくるか【今週の日経平均を考える】
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、週後半は上向きとなり週末入りしています。株価も5日線の上を推移しています。
25日線は、下向きだった先週から一転、今週は上向きで推移しています。
75日線は、上向きで推移しています。
並び順は、5日75日25日の並び順で、上昇トレンドのはじまりとなっています。25日線が上向きとなったことで、この先75日線とのゴールデンクロスも視野に意識していきたいところです。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、上向きで推移し、2万9665円処を推移しています。
トレンドライン
9月7日8日に空けた窓を木曜日に埋め、しばらく意識されていた上昇フラッグ型の上限、7月3日と8月1日の上値を結んだラインを15日金曜日に窓開けで突破しました。
6月16日19日に付けた高値3万3772円を超えて年初来高値更新となって更に3万4000円を目指す勢いです。
現在BOX上限ですので、このBOXを突破することで上昇トレンドとなります。
グランビルの法則では買いの3突破という段階でしょうか。
下には、直近9月14日15日に空けた窓を早めに埋めたいところです。
この窓は下げに転じる時にアイランドリバーサルということも考えられます。
その下は9月11日の安値が下値として意識されます。
一目均衡表
三役好転の良い雰囲気になりましたね。
遅行線はいわゆる青天井で、どこまでも上へ行ける状態となりました。
7営業日後に天底一致の可能性があります。
転換線基準線も上向きで、日々線もしっかり雲の上に抜けて乖離を始めました。
9月21日の雲のねじれと10月17日の雲のねじれを意識しながら見ていきましょう。
ボリンジャーバンド
バンドがそれぞれ外向きとなり、株価は+2σに到達しました。
この+2σのバンドは上向きの為、ここからボリンジャーウォークが始まるのか+3σに向かうのか、週明け見定めです。
+2σ到達時の下値メドは-1σとなります。
スローストキャスト
13日水曜日からは中折れして上向きに転換し、再び買われすぎゾーンまで戻ってきました。
ここから上に張り付いて強い上昇を見せるのか、いつ売られすぎゾーンへ向かうのか気になるところです。
MACD
0ラインの上でもみ合いましたが、14日木曜日にはヒストグラムも好転し、MACDもシグナルも上へ向かい強さを見せています。
次回の満月は、9月29日中秋の名月で、新月は10月15日金環日食です。
総合判断
パラボリックが15日金曜日に好転となり上への勢いが増したようです。
相場の世界では、
「危ないよ、気を付けよう」という声が出れば出るほど、下げずに上昇に向かう
「上がりすぎたからもう上がらないんじゃないか」という声が多くなると更に上がる
「まだまだ上がるぞ」という声が広がると梯子を外され大きく下げる
ということがよくあります。
感情だけの判断で売買せずに、私達は常にトレンドを意識してメドを立てて、しっかり利益につながるトレードをしていきたいです。
上昇フラッグを上抜け、ここから完全な上昇トレンドとなるのか、まずはBOX上限の年初来高値更新3万3772円を超えられるか確認。
この8月18日からの上昇に対しては、
- E値3万5369円
- V値3万4243円
- N値3万4438円
となっているのです、直近ではV値を意識していきたいです。
日本は月曜日が祝日で休場の為、油断せずに米国の流れや世界の情勢を確認してから週明け相場に挑みましょう。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)
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