マイホームに分譲マンションを選んだ場合、管理費、修繕積立金の支払い義務が発生します。毎月支払わねばなりません。
戸建住宅との大きな違いです。
住居費を見ると、住宅ローン、急上昇する光熱費の支払いがあり、年に1度、固定資産税の支払いがあります。
それに加えて、管理費・修繕積立金となれば、負担は多く感じます。
しかし「管理費・修繕積立金の支払いはあとでもいいかな」など考えはいけません。
管理費・修繕積立金が滞ると、そのマンションは過分の被害を受けます。
それはお金の問題だけでなく、めぐりめぐってマンションの資産価値も大きく妨げてします。
本日は、管理費・修繕積立金の滞納によって被るマンションの実害について紹介します。
マンション運営への影響
管理費の不足
管理費滞納により、管理組合の運営資金が不足し、共有施設の維持や日常的な管理業務に支障が生じる可能性があります。
修繕積立金の不足
修繕積立金の滞納が続くと、修繕積立金が不足し、将来的な大規模修繕工事に必要な資金が確保できなくなる恐れがあります。
修繕積立金の不足により、管理組合は積立期間を長くして修繕積立金を貯める方法を行うかもしれません。
結果的に修繕工事が遅くなってしまします。
修繕積立金の不足分を借り入れる方法がありますが、その際は利息を支払わなければなりません。
滞納者がいる場合、他の組合員に負担増加を求めることがあり、運営費の上昇や負担の不公平感が生じる可能性があります。
管理組合理事会の負荷
理事会の役員は基本的にマンションの区分所有者です。
また滞納者も区分所有者です。同じマンション内で金銭の催促や取立は、心理的な負担となります。
(理事会以外で、滞納者の名前は個人情報保護の観点から、公表されることはありません)。
滞納が続く場合は法的手続きが必要になり、その費用や手間が管理組合にかかる可能性があります。
資産価値の低下
適切な管理、修繕が行われないと、マンションの評価は下がります。
管理費・修繕積立金の滞納状況により、共用部分を修繕する際の融資に影響がある場合があります。
- 融資の際に割り増し利息の支払いが求められる可能性や、
- 融資自体が許可されない可能性があります。
マンション管理認定制度、マンション管理適正評価制度の認定評価には、管理費・修繕積立金の滞納率の基準があります。
滞納者が多いと、認定・評価を認可されない可能性があります。
参照:国土交通省「マンションの管理認定制度及び各評価サービス(概要)について(pdf)」
中古の分譲マンション売買の際は、管理組合の管理費・修繕積立金に関する会計情報を、仲介業者が提示します。
滞納額も明るみなりますので、滞納が多い組合のマンションは売却が難しくなります。
滞納は悪影響大、支払いを忘れないようにしよう
管理費・修繕積立金の支払いが滞る「滞納」により、どのような弊害がでるかを述べてきました。
管理費による日常業務や、修繕積立金による大規模修繕工事等がおろそかになるだけではありません。
滞納者への対応は、管理組合活動にあつれきが生じます。
マンションの管理評価に悪影響を与え、売却時にネガティブな要素となります。
管理費・修繕積立金の徴収は自動引き落としになっているかとおもいますので、組合員の事務的な手間はないと思います。
管理費・修繕積立金未納は、悪影響が多くありますので、支払いを忘れないようにしましょう。(執筆者:CFP、1級FP技能士 金 弘碩)
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