2021年までの凄まじい勢いの上昇相場がいったん終わりを迎え、2022年は米国株投資家にとって厳しい1年となりました。
円安の影響により円建評価額ではそこまで損失とならなかったものの、米ドル建では大きな下落となった1年であることは記憶に新しいと思います。
資産が思うように増えず、悩んでいる方も多いかもしれません。
これからの米国株はどうなるのか?
本格的な景気後退入りが懸念されているなか、さらに株価が下がることを予想している専門家もいれば、反対に景気後退入りすることにより利下げ期待からの反転上昇を予想する声もあります。
ですが、実際に株価がどう動くかはその時にならないとわかりません。
ただ、長期的に米国株へ投資している方にとって大切なことは、目先の株価の動きではありません。
今年や来年の株価がどう動こうが、大局的にとらえ、投資を継続する必要があります。
数年後の株価を予想する短期的視点ではなく、長期的視点で考えることが大切です。
下げ相場の後は上げ相場がきます。
定期的に暴落を経験しつつも、これまで右肩上がりで成長しているのが米国株です。
今回はこれからも米国株に期待できる4つの理由について解説したいと思います。
1. これからも人口が増え続ける国
米国は、先進国の中で今後も人口増加が予想されている数少ない国のひとつです。
他国の移民を積極的に受け入れていることも、その理由のひとつでしょう。
経済成長を続けるには人口増加が欠かせません。
人口が減ってしまうとサービスを生産する力も弱くなりますし、そのサービスを消費する人も減ってしまいます。
つまり、そこで生じる経済活動が弱くなってしまうということです。
経済活動が弱くなってしまうと、当然のことながら企業の収益も落ちてしまいます。
企業の収益が落ちれば国としての力も落ちてしまいますので、投資対象としての魅力も薄れてしまいます。
日本をはじめとした先進各国が、こうした人口減少の問題に直面しています。
ですが、米国はこれからも人口増加が予想されており、こういった問題とは現時点では無縁です。
今後も米国が成長していくことは容易に想像できると考えます。
2. 優秀な人材が集まる国
米国は世界中から優秀な人材が集まる国です。
積極的に移民、留学生を受け入れていることもそうですが、大学の数も圧倒的に多く、世界中の優秀な人材が自然と集まるようになっています。
英国と並んで世界トップクラスの大学が複数あり、世界中の学生の憧れとなっています。
- ハーバード大学
- プリンストン大学
- イエール大学
こういった誰もが知っている有名な大学が数多く存在しています。
世界中の優秀な人材が米国の大学に留学する。
卒業後はそのまま米国にとどまり、各分野の最先端で活躍する人材も多いといいます。
誰もが世界のトップに憧れを持つものです。
現時点でのアドバンテージを覆すことは至難の業でしょう。
3. イノベーションはいつも米国から
米国企業は研究開発にも積極的に投資しています。
新たなイノベーションが誕生するのは研究開発費の成果であり、米国企業はこの点、世界でもトップの規模となっています。
- アマゾン
- アルファベット(グーグル)
- マイクロソフト
- アップル
- フェイスブック(メタ)
など、これまでイノベーションを生み出してきた多くの企業が米国企業です。
イノベーションを生み出すには数多くのトライアンドエラーが必要となり、膨大な資金が必要となります。
国の風土として、研究開発費に多大な資金を投じる文化が醸成されていることは、これからの期待値にもつながります。
4. 世界中に張り巡らされている米国企業網
1日を通して米国企業の製品に触れずに生活することは、不可能といっても過言ではありません。
- スマートフォンやSNS
- パソコンやエクセルなどのソフト
- Amazonでのネットショッピング
など、日常で使うサービスの多くは米国企業であふれています。
飲食においても
- コカコーラ
- マクドナルド
など多くの方が親しみを持っている企業が数多くあります。
これは日本に限った話ではありません。
世界中の国、地域に米国企業が進出しています。
これらの企業は米国の成長だけでなく、世界各国の成長も取り込めるということになります。
インドやベトナムなどの国が著しく成長したとしても、その国の生活の中に米国企業が存在し、さまざまなサービスを展開しています。
必然的に米国企業の利益も上がり、米国自体も成長していくということになります。
すでに世界中の日常生活に溶け込んでいるのは、何よりの強みといえるでしょう。
使うことが当たり前になっているサービスを、他国のサービスへ切り替えるには多大な手間、費用がかかります。
仮に今の米国企業のポジションを奪うためには、日常生活のありとあらゆる場面でその座を奪わなければなりません。
それは切り替える側(消費者)にとっても多大なコスト、手間のかかるもので容易ではないでしょう。
まだまだ米国企業の優位性は揺るがないと考えて良いのではないでしょうか。
今後も米国株は成長継続!長期的視点で投資の継続を!
今回解説した4つの理由以外にも、米国株の今後に期待できる点はたくさんあります。
- 投資家保護の法整備がされている
- GDPが伸び続けている
- インフラが整備されている
などなどあげればキリがありません。
企業側、投資家側双方の観点からここまで安心できる国はそうありません。
相対的に米国よりも成長率の高い国が出てきたとしても、即米国株の終わりにつながるわけではありません。
むしろ先に解説したとおり、その国の成長をも取り込み、さらなる成長を遂げる期待を抱かせるのが米国です。
長期的視点では、これからも米国株への投資が中心となることは間違いないと考えます。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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