楽天証券が、「かぶミニ」サービスを開始。
注目すべきなのは、ポイント投資もできることです。
筆者も「かぶミニ」に挑戦してみました。
実際にやってみて気づいた注意点や魅力、レバレッジがいくらになったかも紹介します。
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楽天証券「かぶミニ」とは
≪画像元:楽天証券≫
楽天証券が単元未満株取引の「かぶミニ」を4月17日より開始し、対象銘柄が1株から買付できるようになりました。
そして、株購入に現金はもちろん、ポイントも使えます。
筆者も挑戦しましたが、ポイント使用のためには初期設定を確認しておく必要があるなど注意点もありました。
STEP1:「ポイント」を国内株式買付で使えるようにする
まず、ポイント投資をしたい時は、初期設定を確認しておく必要があります。
「ポイント」を国内株式買付で使える”設定にしておきます。
≪執筆者撮影≫
1. マイメニューから「ポイント設定・SPU」をクリック
2. 「ポイントコース設定」で「楽天ポイントコース」になっていることを確認
3. スクロールしていき「ポイント利用設定」の国内株式現物買付(単元未満株式買付を含む)」の「設定する」をクリック
≪執筆者撮影≫
4. ポイント利用設定では、ポイント利用を「利用する、利用しない」のほか、利用方法も「毎月の上限〇ポイント、すべての利用可能ポイントを使う」から選べます。
≪画像元:楽天証券≫
ポイントで国内株式を買う時には、この「楽天ポイントコース」で「ポイント利用設定」が必要です。
また、注文時は買付代金と手数料の“資金”が必要です。
STEP2:単元未満株「かぶミニ」買付方法
≪執筆者撮影≫
ポイント利用設定が完了したら、次は「かぶミニ」取引です。
1. あらかじめ取扱銘柄(pdf)を見ておく
2. 国内株式で、銘柄名や銘柄コード(4ケタの数字)を入力する
≪執筆者撮影≫
筆者は、高配当株でもある「日本たばこ産業 <2914>」を選びました。
寄付注文、リアルタイム注文、どちらもできる銘柄です。
注文受付時間が決まっているので、指定時間内に注文します。
朝の9時だったため、リアルタイム注文をしてみることにしました。
「かぶミニ」を利用するなら「単元未満買い」をクリックします。
3. 「1株」購入する
≪執筆者撮影≫
指値はできず成行注文です。
日本たばこ産業 <2914>を選び、1株買付してみました。
STEP1で設定しておいたため、ポイントで全額買付できています。
発注を出して、すぐに約定。日本たばこ産業 <2914>の配当(会社予想)は1株あたり188円。
つまり、NISA枠で1株保有すると、非課税で年間188円の配当金がもらえる予定です。
“ポイントが配当金をうみだす株に”なりました。
スプレッドはいくらかかったか計算
≪執筆者撮影≫
「かぶミニ」は、買付手数料は無料ですが、「スプレッド」がかかります。
注文詳細を見たところ、売気配は2,810.5円で、結果として2817円払い、差額は6.5円あったことがわかります。
≪画像元:楽天証券≫
「かぶミニ」では「スプレッド」が買付時、売却時、それぞれかかります。
・ (買付時)0.22%加算した金額で1円未満は切上げ
・ (売却時)0.22%減算した金額で1円未満は切捨て
今回の株価で計算すると、2,810.5円×(100+0.22%)=2,816.68……。
1円未満は切上げ、2,817円分を支払い。
売却時にも「0.22%減算した金額で1円未満は切捨て」のスプレッドがかかります。
買付手数料は無料なものの売却時手数料は11円かかることもあり、「かぶミニ」で売買を繰り返すと手数料負けする可能性もあります。
ただし、カバーできるキャンペーンも始まっています。
キャンペーン1:200万ポイント山分けキャンペーン
≪画像元:楽天証券≫
期間中初めて単元未満株式を購入、約定した人全員で200万ポイントを山分けするキャンペーンを実施しています。
キャンペーン期間は、2023年4月17日~5月31日。
要エントリーキャンペーンなので、エントリーしておきましょう。
キャンペーン2:スタートダッシュ!!かぶミニ取引手数料無料!
≪画像元:楽天証券≫
手数料が無料になるキャンペーンも実施中です。
通常、かぶミニの取引での売却手数料は1回につき税込11円がかかるところ、サービスリリースを記念して売却手数料が無料になります。
スプレッドはかかりますが、売却手数料が無料になるため、期間中は売買しやすくなります。
「かぶミニ」対象銘柄には単元未満株で株主優待を受け取れるものも
≪画像元:楽天証券(pdf)≫
「かぶミニ」で取引できる銘柄数、4月17日時点では、寄付銘柄数は473、リアルタイム銘柄数は98でした。
全銘柄ではないものの、筆者が以前紹介した、いわゆる「全株主」対象の株主優待銘柄、「隠れ優待」銘柄もありました。
(全株主優待)
・ 株式会社リコー <7752> … 自社製品の特別価格販売チラシがもらえ、カメラなどが割引価格で購入できる
・ 三菱マテリアル株式会社 <5711>… グループ会社の観光坑道の入場料無料特典
・ SBIホールディングス株式会社 <8473>… 健康補助食品や化粧品の割引購入申込券(50%割引)
・ テルモ株式会社 <4543>… 自社製品の優待販売
・ 京セラ株式会社 <6971>… 自社製品・自社グループ社製品やサービスを特別価格で販売
・ 日本電産株式会社 <6594>… 「日本電産サンキョーオルゴール記念館すわのね」無料入館リーフレット
(隠れ優待)
・ 丸紅株式会社 <8002>… 丸紅ギャラリー無料招待券
・ 積水化学工業株式会社 <4204>… カレンダー
・ デンカ株式会社 <4061>… 自社グループ化粧品を優待価格で購入できる
・ 株式会社 IHI <7013>… カレンダー
・ KDDI株式会社 <9433>… auPAY・auPAYマーケットで使えるクーポン
・ 三菱商事株式会社 <8058>… 東洋文庫ミュージアムや静嘉堂文庫美術館の招待券
・ 三菱重工業株式会社 <7011>… 三菱みなとみらい技術館招待券
全株主優待は1株保有していればもらえる優待です。
また、「株主優待情報はありません」と書かれている銘柄でも、美術館チケットやカレンダーがもらえる銘柄(隠れ優待)も紹介しました。
※隠れ優待については、変更の可能性もあります。
楽天証券の「かぶミニ」の注意点
楽天証券の「かぶミニ」は一見すると、いいことばかりに見えますが、注意点もあります。
注意点1:使えるのは「通常ポイント」のみ
≪画像元:楽天証券≫
楽天証券で、国内株式のポイント投資に「期間限定ポイント、他ポイントから交換して保有している楽天ポイントは」使えませんと明記してあります。
通常ポイントであれば使えます。
注意点2:注文時に現物買付代金・手数料総額文の余力(現金)が必要
≪画像元:楽天証券≫
ポイント投資ができる「かぶミニ」では、注文時、現物買付代金と手数料分の現物購買余力の現金が必要です。
受渡日にポイントを利用するので、それまでは一時的に現金が拘束されることを理解しておきましょう。
注意点3:「かぶミニ」はSPUの対象外
ポイントで「かぶミニ」を買付しても、楽天市場でのSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象にはなりません。
≪画像元:楽天証券≫
楽天証券でのSPU対象は、楽天ポイントコース、マネーブリッジ設定のうえ、投資信託3万円以上ポイント投資で+0.5倍、米国株式3万円以上ポイント投資で+0.5倍(※どちらも最低1ポイント以上使用のこと)。
「かぶミニ」はSPUの対象外になってしまいます。
ポイ活をしている人は、SPUの対象にするため、投資信託、米国株式を買うタイミングで通常ポイントが残っているように配慮しておきたいものです。
注意点4:指値注文ができない
株の注文時、希望する売買価格を指定する指値注文ができません。
リアルタイム、寄付、どちらも「Aの株を〇円で」と指値注文ができないため、たとえば寄付注文で瞬間的に高値になってしまう可能性もあります。
単元未満株のデメリットとも言えるでしょう。
注意点5:注文受付時間が決まっている
≪画像元:楽天証券≫
「かぶミニ」は注文受付時間が決まっています。
リアルタイム取引の場合 … 9:00~11:30、12:30~15:00
寄付の取引の場合 … 17:00~8:45
いつでも注文を受け付けているわけではありません。
寄付取引を見ても、17:00~8:45の間とは書いてあるものの、その時間内でも注文受付不可の時間があります。
注意点はあるもののポイント投資できる「かぶミニ」サービスに期待
「かぶミニ」が始まり、実際に取引をしてみてわかったこともありました。
ポイント投資もできる「かぶミニ」では、「多めにポイントをもらえたから投資してみよう」といったこともでき、ポイ活主婦としても、個人投資家としても興味深い内容でした。
銘柄数は寄付銘柄数473、リアルタイム銘柄数98とまだ少ないものの、今後、銘柄数が増えていくことにも期待したいところです。
高配当株や隠れ優待で株主優待がもらえる銘柄も対象だったことから、楽天経済圏に住み、楽天ポイントが多い人は“貯めて増やす”ができる気がします。(執筆者:株歴15年以上 優待株・高配当株・J-REIT・米国株もあわせ世帯保有250銘柄以上 谷口 久美子)