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マイナンバーカードを作ると「税務調査の対象」になりやすいのは本当か


マイナンバーカードを作成したことで、税務調査を受けやすくなることを心配している方もいるかもしれません。

ポイント付与のキャンペーン効果もあり、マイナンバーカードを申請している割合は、令和5年4月2日時点で76%を超えています。

そこで今回は、マイナンバーカード作成による税務調査への影響について解説します。

マイナンバーカードを作ると税務調査の対象に なりやすい?

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マイナンバーカードの有無は税務調査に影響しない

最初に結論を申し上げますと、マイナンバーカードの作成の有無は税務調査に影響しません

住民票がある方に対しては平成27年10月以降、個人番号(マイナンバー)が付与されており、マイナンバーカードを作成していなくても、個人番号はすでに有している状態です。

現時点でも個人番号の記載が必要になる場面は多く、たとえば確定申告書を提出する際は個人番号を記載しなければなりません

また、個人番号に関する法律「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」では、所得税や相続税などの事務を行うために必要な限度で個人番号を使用することができるとしています。

したがって、マイナンバーカードを作成していない方であっても、法律で認められた範囲内で個人番号は利用されていますので、マイナンバーカードの作成が税務調査に影響を及ぼすとは考えにくいです。

マイナンバー紐づけ範囲拡大による税務調査への影響

マイナンバーカードの活用範囲は徐々に拡大しており、令和5年5月16日からはマイナンバーカードに登録している住所を変更すると、金融機関へ届け出ている住所も自動変更されるサービスが開始される予定です。

個人番号に紐づけられる範囲が拡大すれば、法律の範囲内で個人番号からいろいろな情報を把握することが可能となるので、税務署の情報収集網が拡大する懸念があるかもしれません。

確かに、個人番号との紐づけ範囲が広がれば、税務署が個人番号から集められる情報が増えることも想定されます。

ただ一方で、税務署は個人番号がない時代から情報を集める手段は数多く有していますので、マイナンバーとの紐づけ範囲が拡大したとしても、税務署が得る情報量が大幅に増加するとは考えにくいです。

利便性向上のメリットは意外と大きい

マイナンバーカードの活用範囲が広がれば、住所変更に伴う手続きが簡略・省略されるなど、事務手続きの負担が軽減されます。

コンビニでは、マイナンバーカードの読み取りに対応しているマルチコピー機があれば、役所へ行かずに住民票や印鑑登録証明書などを取得することが可能です。

税務署などに情報を掴まれている感覚は、あまり気分のいいものではないかもしれませんが、行政機関も個人番号を利用する範囲は制限されていますし、不正利用した際は罰則規定も存在します。

マイナンバーカード申請者は4分の3以上いますので、これからはマイナンバーカードを利用した利便性向上を望んだ方が、今よりも生活が快適になるかもしれません。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

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