児童手当の所得制限撤廃や18歳までの支給延長が決定しましたが、子育て費用と教育費は想像以上に高額です。
子どもが生まれたら、計画的に準備を始める必要があります。
今回は、さまざまな視点と筆者の子育て経験から、子育て費用と教育費の捻出方法を考え、「あてにできるお金」と「あてにならないお金」を探し出しました。
【満3歳児は要注意】保育園と幼稚園で「幼児教育無償化」のタイミングが違うことがある
入園祝いや入学祝はあてにならないお金
子どもが生まれると、誕生祝をいただき、入園入学のたびに入園祝いや入学祝をいただきます。
祖父母や親しい親族からの金封には大きな金額が入っていることも多く、
「祝い金は、子育て費用や教育費捻出の強い味方」
と思っている人も多いのではないでしょうか。
筆者も長い子育ての中で、何度も子どものお祝いを経験しました。
祝い金の金額は、子どもの成長に比例して大きくなる傾向があります。
入園祝いよりも受験を勝ち抜いた合格祝いの方が大きく、祝い金の中でも最大の金額となるものが結婚祝いです。
しかし、子どもへの祝い金は入園や入学などの名目に関係なく、「あてにならないお金」です。
なぜならば、祝い金は子どもに贈られたお金であり、親へのお金ではないからです。
むしろお年玉のあげあい、さりげないお返しなど出費が増えることもあります。
子どもが小さいときにもらったお年玉や入園祝いは、親が預かることもあります。
しかし、親が「お年玉はあなたの教育費に使います」と言うことは難しいでしょう。
多くの人は親が預かり、
- 子ども名義の通帳に預金したり、
- 子どもに自由に使わせたりしているのではないでしょうか。
入園祝いや入学祝は、節目ごとに定期的に入ってくるお金ではありますが、あてにすることはやめたほうがいいでしょう。
メルカリなどのフリマサイトの売上は「あてにできるお金」
子どもが生まれると、必要な服や物がたくさんあります。
誕生祝にいただくブランド物の子ども服やグッズは、とても助かります。
しかし、赤ちゃんや子どもの頃に使うものは、使用期間がとても短いです。
80cm以下の服やベビーグッズの中には、未使用のままや数回の使用で出番を終えるものもあります。
昔は、サイズアウトした服やおもちゃはおさがりすることが一般的でしたが、今はメルカリなどのフリマサイトに出品する人が増えています。
「数百円の利益のために手間をかけたくない」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、ブランド物の子ども服や状態の良いおもちゃは、想像以上に高額で売れます。
ファミリアやミキハウスの子ども服は需要が多く、商品によっては数千円や1万円以上での取引も活発に行われています。
売上金を貯めて必要なモノをフリマサイトで購入することで、新たな出費をすることなく、フリマサイト内でグルグルとお金とモノを回すことができるのです。
メルカリなどのフリマサイトの売上は、出費を抑え、ときにはプラスにもなる「あてにできるお金」です。
国や行政からの手当てや支援金は「あてにできなくなる可能性」を考えておく
児童手当の所得制限撤廃や18歳までの支給延長などが決まりました。
月最大1万5,000円は、「習い事を増やせる金額」「教育費の準備金」に使える大きな金額です。
国や行政からの手当てや支援金は、金額が大きく「安定的にもらえるお金」というイメージがあります。
しかし「もらえるお金」には、「もらえなくなる可能性」を必ずセットで考えておく必要があるでしょう。
過去にも、所得制限なしで子ども1人当たり月1万3,000円支給の「子ども手当」がありました。
「翌年からは1人当たり月2万6,000円に増額」というニュースもあり、筆者は「子育てのお金の負担が軽くなる」と思った覚えがあります。
しかし、月1万3,000円の子ども手当は短期間で終わり、その後は所得制限ありの児童手当になりました。
国や行政からの手当てや支援金は支給されれば「あてにできるお金」です。
しかし「支給されるかもしれない」や「支給する計画」では、確実にあてにできるお金ではありません。
なぜならば、国や行政の手当てや支援金には財源が必要であり、社会情勢によって財源の量や用途は変わる可能性があるからです。
新NISAは確実に「あてにできるお金」
国や行政から支給されるお金よりあてになるものが「制度」です。
新NISAは、2024年から始まる新制度です。
元手となるお金は自分で用意することになりますが、自分で用意するからこそ、あてにできる度合いは高くなるのではないでしょうか。
新NISAは、今までよりも運用できる金額が大きくなったため、十分に教育費を貯める手段として活用できます。
コツコツと運用し、必要となったときにはいつでも引き出せるため、留学などの突然の出費にも対応できます。
例えば、子どもが生まれたときから毎年20万円(月約1万7,000円)ずつ投資して18年間(高校卒業まで)続ければ、360万円貯まります。
しかもNISAは普通預金とは違い、投資信託などで運用するため金利が普通預金よりも高くなる可能性があります(逆に元本割れするリスクもあります)。
予定外に増えた分は、親の老後費用に回せるのです。
新NISAは、子育て費用と教育費以外の捻出にもあてにできる制度ではないでしょうか。
コツは「確実にあてにできるお金だけ」をあてにすること
大学卒業までにかかるお金は、子ども1人当たり1,000万円とも3,000万円とも言われています。
これだけの大金を用意するコツは、「確実にあてにできるお金だけ」をあてにすることです。
「あてにしていたのに」という想定外は、子育てにおいては取り返しがつかないこともあります。(執筆者:美大卒 式部 順子)
奨学金を返し終えた銀行員の3つの反論 「奨学金は借金なのか」「親が悪いのか」「奨学金で進学してはダメなのか」