還付申告してから一定期間が経過しても還付金の振り込みがない場合、税務署に連絡して処理状況を確認した方がいいでしょう。
ただ税務署に連絡する際にはいくつか注意点がありますので、今回は還付金の振り込み状況を確認するときのポイントをご紹介します。
確定申告書の名義人が税務署に連絡すること
税務署に還付申告の処理状況を確認する場合、確定申告書の名義人(納税者)が連絡するようにしてください。
税務署は原則として、申告書に関する情報を納税者本人にしか伝えることができないため、家族が税務署に連絡しても回答を断られる可能性があります。
なお所得税を取り扱っている部門は個人課税部門になりますので、税務署に連絡する際は個人課税部門へ問い合わせてください。
手元に申告書の控えを用意して電話すること
税務署に申告書の内容について確認する場合、手元に提出した申告書の控えを用意してください。
税務署が還付申告の処理状況を調べるためには、提出した申告書を特定しなければなりませんので、納税者の住所・氏名、提出日および提出方法等を伝える必要があります。
税務署に提出される申告書は書面申告と電子申告(e-Tax)の2種類ありますし、書面申告の提出方法は税務署の窓口に提出する以外にも、申告書の相談会場での提出や郵送による提出などさまざまです。
申告書を提出してから日数があまり経過していない場合、申告書の内容をチェックしている段階の可能性もあるため、税務署職員が申告書を探しやすいように情報を正しく伝えることで、スムーズに回答を得ることができます。
申告書と一緒に提出した添付書類の種類を確認すること
住宅ローン控除などの特例は要件を満たしているだけでなく、必要書類がすべて提出されていることで、はじめて適用が認められる制度です。
還付申告書を提出した場合でも、申告内容に誤りがあれば還付手続きが行われませんし、添付義務のある書類が提出されていないときも還付手続きはストップします。
申告書と一緒に必要書類を提出していれば、税務署も申告内容と合わせて書類を確認することができますが、後から書類を提出した場合には、税務署が申告書と添付書類を突合できていない可能性があります。
そのため連絡する前に提出書類の不足がないか確認していただき、後から書類を提出した場合には、書類の種類と提出した日にちを特定してください。
還付手続きが完了する期間の目安は2か月
確定申告の期限である3月15日前後に提出された申告書は、2月中に提出された申告書よりも還付手続きに時間がかかります。
e-Taxで申告している場合、3週間程度で還付手続きは行われますが、書面申告については、申告書を提出してから還付手続きが完了するまで2か月が目安です。
申告してから2か月経過しても還付金が振り込まれない場合には、今回ご紹介した注意点も踏まえて税務署にお問い合わせください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)
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