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遺言書があったのに遺産分割協議書を作成し直したケース 遺言書の存在により残った「心の傷」について考える


会計事務所に勤めていた時のことです。

都心に住むお客さんより、相続税の申告依頼がありました。

母が亡くなり、相続人は長男(兄)と長女(妹)とのこと。

相続税申告書の作成は、まず、

  • (1) 財産目録を作成し、
  • 次に (2) 遺産分割協議書にもとづいて各人の相続税額の計算をする流れとなる訳ですが、

今回の依頼者は公正証書遺言の作成があるため、遺産分割協議書の作成は不要かもしれないと思いつつお客様と面談しました。

遺言書があったのに再度分割協議

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依頼者に申告の確認をしてみると

直接の依頼者である、長男(兄)にとりあえず、面談してみると

「実は妹が遺言書の内容に納得していないのです」

といいます。

そこで長女(妹)さんにも直接面談し意向を確認したところ、

「そもそも、自分が兄より少ない内容に納得がいかない」

といいます。

遺言書は公正証書遺言で作成してあり、遺言書として有効なものである以上、お母様のご意思を受け入れるしかないことを説明しました。

しかも遺言書の内容は妹さんの方が兄さんより少ないものの、妹さんには遺留分である1/2×1/2=1/4以上の財産を相続する内容で、遺留分も侵害していません。

だからこそ、妹さんは「母の気持ちに納得できない!!」ようです

遺言書の内容に不満のある女性

遺言書を、分割協議で一部修正も

作成後の環境も変化もあり、遺言書の内容を変更したい場合もあります。

例えば、ゴルフの会員権とリゾート会員権を他の相続人と交換したい場合は、相続人全員の合意さえとれれば、取得遺産を変更することもできます。

今回はそんな微調整でなく、取得の中身でなく、妹さんは「兄より取得財産が少ない遺言書」にとにかく納得がいかないようです。

法的には妹さんの承諾なしで名義変更はできますが、「きょうだい関係をこわして強硬突破するのも…」と兄側も困惑していました。

母は、心配な子を思い遺言を作成した?

とりあえず妹さんの気持ちに寄り添ってみようと思い、じっくりお話を聞くことにしました。

妹さんいわく、

「優秀だった自分の方が少ないのが許せない」

といいます。

その話を傾聴していて当方はふと気づきました。

親にしてみれば、「心配な子にこそ多く残してあげたいと思い、遺言書を作成したのでは」と。

そこで妹さんに、

「あくまで想像ですが、あなたが優秀で心配ないから、お母さまは兄の方を多くするという遺言書を作成したのではないでしょうか」

とお話しました。

それでも、納得しない相続人

よくある一般書にも、遺言書作成には相続人の理解を得るよう、付言として遺言者の思いを書くことをおすすめしていますが、どう書いても、少なくされた方はおもしろくないと思うのはやむを得ないことのようです。

今回の妹さん自身も資産家で、お金に困っている訳でもありません。

ただ頑張ってきた自分に対し、他のきょうだいより財産が少ない割合となる遺言書を親が書いたことに、どうしても納得がいかなかったようです。

つまり、

「相続する財産が少ない=親の愛情が少ない」

と考えたようです。

何度も協議した結果、分割協議書にて法定割合に変更

兄側も遺言書どおりに名義変更することに法的な問題はないものの、最終的には兄の配偶者からも

「妹さんの気のすむようにしたら」

のひと言で、遺言書はあったものの、遺産分割協議書を作成し直すことになりました。

兄の配偶者のひとことで解決

これなら、はじめから遺言書を作成せず、相続人間で話し合ったほうが、スムーズにいったのではと思ったのです。

遺言書がなければ、親がどう思っていたかに悩むこともなく、遺産分割協議を円満にできたかもしれません。

妹さんにしてみれば、結果は同じでも、親の書いた遺言書をみることで「心の傷が残ってしまった」かもしれません。(執筆者:FP1級、相続一筋20年 橋本 玄也)

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