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2023年度から支給される公的年金と、年金生活者支援給付金の目安額


国民年金から支給される老齢基礎年金を65歳から受給するには、次のような期間の合計が、原則10年以上必要になります。

・ 公的年金(国民年金、厚生年金保険など)の保険料を納付した期間

・ 国民年金の保険料の全額免除、納付猶予、一部免除(4分の3、半額、4分の1)、学生納付特例を受けた期間

年収130万円未満などの要件を満たしている、厚生年金保険に加入している方の配偶者(20歳以上60歳未満)は、所定の届出によって国民年金の第3号被保険者になります。

また第3号被保険者になっている間は、国民年金の保険料を納付しなくても、納付したという取り扱いになるのです。

こういった納付したという取り扱いになる期間も含めて、原則10年以上という受給資格期間を満たすと、老齢基礎年金を受給できますが、受給資格期間を満たした後も引き続き、保険料を納付した方が良いのです。

その理由として20歳から60歳までの間に、公的年金の保険料の未納期間や免除期間などが一度もないと、満額の老齢基礎年金を受給できます。

つまり40年の納付で満額を受給できるため、公的年金の保険料を納付した期間が10年だった場合、65歳から受給できる老齢基礎年金は、満額の4分の1になってしまうからです。

)2023年度から支給される公的年金

【年金額改定】令和5年度の老齢基礎年金の満額は、人によって違う?

新年度から賃金や物価の変動率で金額が改定される

老齢基礎年金を受給できる方のうち、厚生年金保険に加入した期間が1月以上ある方が65歳になると、厚生年金保険から老齢厚生年金が支給されます。

この老齢厚生年金は在職中に、勤務先から受け取った給与(月給、賞与)の平均額や、厚生年金保険に加入した月数を元にして算出するため、老齢基礎年金と違って現役時代の収入の影響を受けるのです。

一方で偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の15日に、前2か月分がまとめて支給されるところは、両者の共通点になります。

また新年度が始まる4月(実際に金額が変わるのは6月)に、原則的には次のようなルールで金額を改定するところも、両者の共通点になります。

新規裁定者(67歳以下の方)

過去3年度平均の賃金の変動率が、プラスまたはマイナス(2023年度は+2.8%)になった分だけ、前年度より金額を増額(減額)させるのです。

既裁定者(68歳以上の方)

前年の物価の変動率(全国消費者物価指数)が、プラスまたはマイナス(2023年度は+2.5%)になった分だけ、前年度より金額を増額(減額)させるのです。

以上のようになりますが、2023年度のように改定率がプラスの場合、公的年金の被保険者の変動と、平均余命の伸びによって算出したスライド調整率(2023年度は-0.6%)を、賃金や物価の変動率から控除します。

そのため最終的な改定率は、新規裁定者が+2.2%(+2.8%-0.6%)、既裁定者が+1.9%(+2.5%-0.6%)になるのです。

2023年度は金額が増えても伸びが弱い

政府が公的年金に関する政策を決める際は、次のような設定のモデル世帯の年金額(夫の老齢厚生年金+夫婦2名分の満額の老齢基礎年金)を、参考にする場合が多いのです。

・ 夫は40年に渡って厚生年金保険に加入し、その期間中の夫の平均収入は、厚生年金保険に加入する男性の平均収入と同額

・ 妻は40年に渡って、国民年金のみに加入する専業主婦

2023年1月20日に厚生労働省から、「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」というプレスリリース(pdf)が発表されました。

この中には2023年度から支給される、「新規裁定者に関する満額の老齢基礎年金(月額)」と、「新規裁定者に関するモデル世帯の年金額(月額)」が記載してあります。

また両者の金額(上段は満額の老齢基礎年金、下段はモデル世帯の年金額)は、次のようになっているのです。

上段は満額の老齢基礎年金、下段はモデル世帯の年金額

これを見てみると、新規裁定者に関する2023年度の満額の老齢基礎年金(月額)は、前年度より+1,434円の6万6,250円だとわかります。

また表の中には記載されていないのですが、既裁定者に関する2023年度の満額の老齢基礎年金(月額)は、前年度より+1,234円の6万6,050円になるようです。

一方で新規裁定者に関する2023年度のモデル世帯の年金額(月額)は、表の中に記載されているように、前年度より+4,889円の22万4,482円になります。

いずれについても金額は増えていますが、スライド調整率が控除された分だけ、金額は伸びていないようです。

なお近年は共働きの夫婦が増え、モデル世帯の設定が時代に合わなくなっているため、この年金額は目安として捉えた方が良いのです。

障害年金や遺族年金も金額が改定される

公的年金は老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)だけでなく、障害年金(障害基礎年金、障害厚生年金)や、遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)もあります。

これらの金額はプレスリリースの中に記載されていないのですが、例えば国民年金から支給される障害基礎年金は、次のような金額になるのです。

・ 1級の障害基礎年金:2級の1.25倍

・ 2級の障害基礎年金:満額の老齢基礎年金と同額

また国民年金から支給される遺族基礎年金は、満額の老齢基礎年金と同額になるのです。

こういった点から考えると障害年金や遺族年金も、老齢年金と同じくらい増えると推測されます。

年金生活者支援給付金も若干は金額が増える

2019年10月からは低所得の基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金)の受給者に対して、公的年金と同じ支給日に、年金生活者支援給付金が支給されているのです。

また老齢基礎年金に上乗せされる老齢年金生活者支援給付金は、次のような支給要件を満たした時に受給できます

・ 65歳以上の老齢基礎年金の受給者

・ 同一世帯の全員が市町村民税を課税されていない

・ 前年の公的年金と、その他の所得の合計が、老齢基礎年金の満額相当以下である

国民年金の保険料を納付した期間に基づく老齢年金生活者支援給付金(月額)は、次のような計算式で算出するのです。

・ 5,020円(基準額)×国民年金の保険料を納付した月数/480月

一方で国民年金の保険料の全額免除や、一部免除(4分の3、半額)を受けた期間に基づく老齢年金生活者支援給付金(月額)は、次のような計算式で算出するのです。

・ 1万802円(月額に換算した満額の老齢基礎年金の6分の1)×国民年金の保険料の全額免除などを受けた月数/480月

例えば20歳から60歳までの40年(480月)に渡って、国民年金の保険料を納付した場合、老齢年金生活者支援給付金(月額)は5,020円(5,020円×480月/480月)になります。

プレスリリースによると5,020円という基準額は、前年の物価の変動率(+2.5%)に基づく改定により、2023年度からは前年度より+120円の、5,140円に引き上げされるようです。

また障害年金生活者支援給付金や遺族年金生活者支援給付金も、次のように月額が引き上げされるようです。

・ 1級の障害年金生活者支援給付金:6,425円(前年度比で+150円)

・ 2級の障害年金生活者支援給付金:5,140円(前年度比で+120円)

・ 遺族年金生活者支援給付金:5,140円(前年度比で+120円)

もっとも受給者が多い老齢年金生活者支援給付金は、国民年金の保険料を納付した月数や、免除を受けた月数によって金額が変わるため、基準額は目安にすぎませんが、若干は金額が増える場合が多いと思います。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)

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