近年、投資目的としても注目の高級ブランド時計。
と、前回の記事で紹介しました。
関連記事:【腕時計の相場事情】相場が上がっている理由や少しでも高く売る方法
今回はレディース時計の特徴について、創業68年ブランド品リユースショップの買取の最前線から分かりやすく解説いたします。
【5分でわかる】新NISA(シンNISA) ポイ活節約主婦が考える魅力・準備・取り組みかた
腕時計のルーツはレディース
世界で初めての腕時計はレディースだったと言われています。
1800年代初頭、初めて腕時計を作らせたとされているのがナポリ王妃。
ブレスレットに小さな時計を取り付けさせた物で、時計職人のブレゲにオーダーしたところから始まります。
その後、ヨーロッパの貴婦人らの間で時計をオーダーすることが社交界のトレンドとなり女性たちは男性よりも先んじて腕時計を楽しみました。
1900年代に入ると人類史上初めて月に降り立った時計で有名なオメガがゴールドやダイヤを施したジュエリーウォッチや医療に携わる女性に向け、脈を測るための時計を発表。
いち早くレディースウォッチを採用し世界に普及させました。
レディース時計の定義
腕時計のサイズは大きく分けて3つあります。
・メンズ
・ボーイズ(またはユニセックス)
・レディース
メンズの一般的なケースサイズは38~45mmで、38mm以下は小さめ、38~40mmが普通、41mm以上は大きめといわれるサイズ感です。
38mm以下は腕回りの細い女性にも合うためボーイズサイズやユニセックス(男女兼用)とされています。
レディースは小さい物で20mmより小さいものからあり、一般的には華奢なサイズの20~30mm前後が好まれている印象です。
今ではファッションやご自身の価値観に合わせ、サイズにこだわらず存在感のある時計をする方も多く見受けられるようになりました。
多様性やジェンダーレスな考え方からか女性がメンズサイズの時計をしたり、逆に男性もゴールドやダイヤモンドを施したボーイズのサイズを選ぶことも珍しくなくなりました。
※ケースサイズとは腕時計の横幅直径のことで基本リューズ(ゼンマイを巻いたり時間を調整したりする“つまみ”)は含みません
ムーブメント(機構)の特徴
時計のムーブメント(機構)は大きく分けて3つあります。
・電池で駆動する【クォーツ式】
・日常生活でゼンマイ切れを防ぐ【自動巻き式】
・自身で巻き上げを行う【手巻き式】
※自動巻き式と手巻き式は「機械式時計」ともいわれています。
クォーツ式
1日あたりの時間のズレが約1秒未満と時間が狂いにくく、精度が高いのが特徴です。
クォーツ式の時計は機構が単純で大量生産が可能なため価格が安いメリットがあります。
しかし数年に1度は、電池を交換する必要性があります。
自動巻き式
巻き始めに手で巻く必要がありますが、それ以降は腕に巻かれている状態であれば日常生活の動きにより、自動的にゼンマイが巻かれるのをサポートしてくれる機構です。
デメリットとしては2日ほど放置しているとゼンマイがほどけ止まってしまうことがあります。
止まってしまった際には都度、時刻や日付合わせを行う必要があります。
手巻き式
主に高級時計、またはヴィンテージなどの古い時計に搭載されていることが多く、メンテナンス次第では長い時を経て次世代に受け継ぐことが可能です。
一般的に巻き上げ後の稼働時間が48時間とされており、ゼンマイがほどけるほどに時間が狂い始めます。
古い物だと1日の時間のズレが10秒前後と大きく狂うことがあります。
部品への負担をなくすために毎日同じ時間、同じ回数巻き上げ作業を行うと良いとされており日常的に巻き上げを行うことで時計への愛着が湧き、時計本来の魅力を味わえる良さがあります。
レディース時計が安い理由
一般的にレディース時計の買取価格は、男性物の時計よりも安くなってしまう傾向にあります。
レディース時計は、クォーツ式が多く見受けられるからです。
実用性を重視し非常に軽く、時間が狂いにくく比較的安価で販売を行っているため普段使いに向いており選ばれているのではないでしょうか。
先述した通りクォーツ式の機構は大量生産が可能で生産数も多く、自動巻きや手巻き式などの機械式時計よりも価格が下がってしまうと言えます。
手巻き式は一部の高級メーカーを除いてはヴィンテージやアンティークといった比較的古い物になり、メーカーの保証期間が切れているものや替えの部品がないためにアフターの面を考え安くなってしまう傾向にあります。
レディース時計の相場の特徴
ルイヴィトンやシャネルといったいわゆるファッションブランドから発売しているものは、流行りなどの影響からか相場が安定していない傾向にあります。
自社で一貫して部品の製造から組み立てまでを行っているロレックスやオメガなどの時計メーカーは、時計製造としての歴史も深く信頼性もあり、ムーブメントやアフターサービスも充実しているため比較的安定したメーカーといえます。
価格が下がりにくい時計やプレミアが付いているレディース時計も存在します。
ロレックス社製の時計や、ニューヨークに本店を構えるティファニーとのコラボ商品(Wネーム)などはプレミア価格が付いており、数十年前の古い物でも高価買取が見込めます。
世界三大時計メーカーのパテック・フィリップのノーチラスやオーデマ・ピゲのロイヤルオークなどは購入制限などの希少性もあり、レディースサイズであってもプレミア価格で取引されています。
世界三大ジュエラーの一つ、カルティエのベニュワールやクラッシュなども生産数が極めて少なく数百万円~数千万円での買取額となることもあります。
これら相場が安定している時計に共通していることは、
- 時計メーカーから販売されている
- ムーブメントが機械式
という点です。
自動巻きや手巻き式など各メーカーの腕利きの職人達によって組み上げられた複雑時計は、精巧に作られており定期的なメンテナンスを行うことで、半永久的に時を刻み続けることが可能です。
時計メーカーから販売されている多くの時計は、経年後も修理が行えるように部品のストックを抱えていたり代用品を製造することが可能なため、購入後の保証面でも相場が安定している一つの要因と言えます。
お手入れについて
腕時計は基本的に動かし続けた方が良いとされています。
特に機械式時計はゼンマイが切れて止まっている状態が続くと、時計内部に差してある潤滑油が固まり歯車に摩擦を生じ、時計の寿命を縮めてしまうと言われています。
歯車は消耗品のため3年~5年周期でオーバーホール(以下OH)といわれるメンテンナンスを行う必要があります。
OHの費用は、一般的に5万~10万円ほど(ムーブメントにより異なります)。
しかし定期的に行うことで、次の世代まで引き継ぐことも可能です。
・使用後は手首の汗や皮脂で汚れているため柔らかいクロスで拭く
・定期的にベルトを外しケースとの間を掃除する
埃や汚れを落とすことでサビを予防し、綺麗な状態を保つことで高価買取にも繋がる場合があります。
レディース時計の値動きについて
レディース時計はメンズ時計に比べて、大きく相場が変動する事は少ないように感じます。
ムーブメントの違いや海外コレクター需要の高まりによって変動やプレミアが付く事はありますが、ごく一部です。
一般的にレディース時計はプレミアが付きにくく、トレンドによって変動すると感じています。
フランクのロングアイランドも同様です。
レディース時計は、トレンドに敏感な女性ならではの値動きを見せる為、トレンドに敏感になる事はとても重要です。(高級ブランド品買取勤務20年以上 宮田哲生)
NISA恒久化決定!非課税期間の無期限化&投資上限額の大幅引き上げ実現で「これからできること」を解説