先週は、為替相場での為替介入の影響がどれくらいかというところから始まり、中国の習近平国家主席の人事で、権限が集中するとの見方から、香港ハンセン指数が大幅に下落し、日本のマーケットも影響を受けました。
引き続きインフレ懸念が投資家心理の悪化を招いている一方で、決算発表後の株価の動きに一喜一憂の相場環境の中、特に週末の米国主要指数に関しては、GAFAMの業績悪化懸念から大きく下げる場面もありました。
結果的にアップルやインテルが上昇したことによって、NYダウの上昇へとつながっての週末入りとなっています。
この流れを受けて、日経平均株価も月曜日の寄付は高く始まりそうですが、インフレ懸念が払しょくされたわけではなく、このまますんなりと状況が好転していくというわけにはいかないようです。
「米国株式の低迷は今後10年間続く」とみる理由 積立投資家はどうとらえるべきか?
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、上向きで推移しています。
25日線は、下向きから若干横向きへ向きを変えそうな位置です。
75日線は上向きに推移し、26日にはローソク足が75日線に触れています。
並び順は引き続き、75日5日25日で下降トレンドの終わりとなっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、下向きで2万7186円処を推移しています。
26日と27日に200日線の上に株価が出て、28日には株価は窓を開けて下げましたが、200日線に触れた状態で終えています。
5日線25日線75日線100日線200日線が接近して絡み合っていて、エッジがない状況で、引き続きBOX相場が意識されるところです。
トレンドライン
10月3日13日の安値を結んだラインが下値切り上げとなっていて、2万7300円処の節目のラインとの三角持ち合いが意識されていました。
この三角持ち合いを水曜日と木曜日に上抜け、金曜日には下げて三角持ち合いの中に入り、3日と13日安値を結んだラインの延長線上に位置し、引き続きこの下値支持線が機能しているという事を確認しての週末入りとなっています。
範囲を広げると、8月17日の高値と9月13日の高値を結んだラインとも三角持ち合いとなっていて、現状株価はこの持ち合いの中にいます。
意識されるのは、たくさん開けている窓ですが、27日と28日にも窓が開きましたので、直近で意識される窓としては、まず下から、
- 10月3日4日の窓
- 10月13日14日の窓
- 10月17日18日の窓
そして上には
- 27日28日の窓と
- 9月20日21日の窓
があります。
現在、今年になってから意識されていた大きなBOXの中間に位置しています。
一目均衡表
いよいよ11月1日に雲のねじれですが、雲のねじれは転換のサインとして意識されるところですので、今までの方向性から転換するのか、もしくは、今までの方向を更に勢いづけるものなのか、分かれ道となっています。
25日に転換線と基準線がクロスして、転換線が上向き、基準線が下向きとなっています。
遅行線も下向きですが、月曜日に21日22日の窓を通ることが想定されて、そこの位置を上抜けると遅行線は上への障害物がなくなる青天井状態となり、上昇が期待できるところです。
直近では、7日後の天底一致が考えられます。
ボリンジャーバンド
収縮から横ばいへのバンドの動きとなっています。バンドが波を打ち、全てのバンドがきれいに横ばいを示唆している状況です。
スローストキャスト
買われすぎゾーンで、横ばいの動きをしています。
ここから更なる上昇で、上に張り付くのか、それとも売られすぎゾーンに向かうのか注目です。
MACD
0ラインを超えてきました。ここから上昇トレンドとなりますが、ヒストグラムの弱さが見えるので、すんなり上昇するとはならず、BOXの動きが想定されます。
次回の満月は11月8日(皆既月食)です。
次回の水星逆行期間は、12月29日から1月18日です。
総合判断
10月に入って、下値を切り上げてトレンドを作ってきた日経平均株価ですが、1か月間で作ってきた三角持ち合いは、まもなく煮詰まり、どちらかに放れる公算です。
上放れとなった場合は、毎年の季節性のアノマリー通りの展開となる可能性がありますが、ここで下抜けた場合には、アノマリー通りとはならずに、来年、再来年と、影響が出てくる可能性もあります。
今週から11月相場となりますが、そろそろ年足を意識して、今年の足型を想像しながら年末相場を迎えたいところです。(執筆者:AFP、FP2級 城 晶子)
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