国内旅行支援が始まり、国内旅行の熱が高まっています。
筆者もその一人ですが、久しぶりの遠出となると予期せぬケガやトラブルもあるかもしれません。
海外旅行の際に海外旅行保険に加入する人は多いですし、海外旅行保険が付帯したクレカもあります。
それと同様に、国内旅行保険が付帯したクレカもありますが、詳しく知らない方も多いでしょう。
ここでは、国内旅行保険が付帯したクレカについて、よくある疑問点を回答と共にまとめました。
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国内旅行保険が付帯する年会費無料クレカはある?
≪画像元:JCB≫
国内旅行保険が自動付帯する年会費無料クレカは、学生専用カードがほとんどです。
それ以外でも、「JCB CARD W」(39歳以下のみ申込可能)など、条件が付いたカードくらいしかありません。
≪画像元:リクルート≫
条件を「利用付帯」に広げれば、国内旅行保険が付帯する年会費無料クレカはあります。
メジャーどころですと、Delight JACCS CARD、リクルートカードなどです。
- 自動付帯 … 旅行代金を当該カードで支払わなくても保険が付帯
- 利用付帯 … 旅行代金を当該カードで支払った場合のみ保険が付帯
条件を「年会費有料」に広げれば、その選択肢はさらに多くなりますよ。
利用付帯の条件って?
利用付帯とは、旅行代金を当該カードで支払った場合のみ保険が付帯する条件です。
リクルートカードを例にとると、保険が付帯する「旅行代金」は、以下の通りです。
- 国内航空券
- 航空券チケットレスサービス
- 公共交通乗用具の乗車券
- 宿泊クーポン
- 宿泊料金のチェックイン以前の前払い
- 旅行代理店やツアーデスクなどで予約した宿泊の料金
- 宿泊を伴う募集型企画旅行クーポン
ツアーや個人旅行など、多くの国内旅行シーンが対象となりそうですね。
ただし、公共交通乗用具は電車・バス・船・飛行機が対象で、レンタカーやマイカー、タクシーは含まれません。
もっとも、マイカーやレンタカーは自動車保険に加入していますが。
また、会社の慰安旅行や会社の出張などは、宿泊を伴う募集型企画旅行に含まれません。
ツアーの場合はツアー代金を支払った場合のみ、ツアー中のケガやトラブルが補償されます。
何でも補償されるの?
≪画像元:モンベル≫
病気による死亡・後遺障害・治療(手術・通院)は補償されませんので、病気は医療保険や生命保険で備えましょう。
また、自動車事故や山岳登はんなどの事故も補償されません。
山岳登はんの際は登山保険に別途加入することをおすすめします。
≪画像元:東京海上日動≫
レンタカーの運転の際は保険が付いていますが、友達の車を運転するときなどは、その友達が加入している自動車保険によっては補償されません。
1日からの自動車保険がコンビニやネットで加入できますので、旅行前に加入してください。
保険金の請求手続きってどうやるの?
≪画像元:三井住友カード≫
クレカの海外旅行保険には、現地で支払う必要がない「キャッシュレス診療」が付帯しているカードもあります。
日本人が国内を旅行する分には健康保険が使えますし、10割負担だとしても現金調達の手段は少なくありません。
よって、旅行から戻って保険金の請求手続きをするケースがほとんどでしょう。
三井住友カードを例に、ケガのとき、航空便遅延のときに分けて紹介します。
ケガのとき
とりあえず治療費を立て替えて、現地で領収書と診断書をもらってください。
治療費が30万円以下の場合は、原則として診断書が必要ありません。
診断書の作成に時間がかかる病院もあるので、その場合は郵送してもらうなどしましょう。
現地でもらった書類と他の書類を合わせて、事故日より30日以内に請求します。
死亡、後遺障害、入院・通院によって必要書類が異なるので、確認してください。
航空便遅延のとき
≪画像元:JAL≫
航空便遅延のときは、航空会社より遅延・欠便証明書類が必要です。
国内旅行保険を使う旨を航空会社のカウンターやカスタマーセンターなどに伝えれば、発行してくれます。
遅延・欠便証明書類と他の書類を合わせて、事故日より30日以内に請求しましょう。
クレカの補償だけじゃ足りないんだけど?
海外旅行保険であれば、複数枚のクレカの補償を合算することができます。
しかし、国内旅行保険は最も高い補償額を限度として保険金が支払われ、合算できません。
クレカの補償に上乗せできる保険商品もありますが、いずれも海外旅行保険です。
契約している保険でカバーできる場合も
≪画像元:損保ジャパン≫
保険会社の医療保険や傷害保険を契約している人は、自分自身のケガならばその保険でカバーできます。
また、火災保険や自動車保険には、自宅以外の場所で壊れたカメラなども補償の対象となる「携行品損害特約」が付いているものもあります。
ぜひ、お手持ちの保険商品をチェックしてください。
旅行をキャンセルする場合も補償される?
≪画像元:アメリカン・エキスプレス≫
全国旅行支援に申し込んだものの、コロナになった人がいてキャンセルなんてこともあるでしょう。
アメックス・ゴールドなど一部のクレカには、キャンセル保険が付帯しています。
カード会員やその家族の病気による入院、傷害通院などで補償される「キャンセル・プロテクション」です。
カードのランクが上がるほど補償対象が増え、補償額も増加します。
一般カードにはまず付帯していないので、保険会社のキャンセル保険を付帯しておくといいでしょう。
別途保険に加入することも検討を
国内旅行需要が高まると、それに伴うケガやトラブルも増えてきます。
転ばぬ先の杖として、国内旅行保険が付帯しているクレカを持つのもいいでしょう。
利用付帯のクレカは、旅行代金をそのクレカで支払うことを忘れないでください。
また、クレカの保険で足りない部分は、別途保険に加入して補うことも検討しましょう。(執筆者:キャッシュレス研究家 角野 達仁)