先週は、営業日数が3日と短く、更に重要イベントがあったこともあり、様子見ムードが漂った週となりました。
意識されていたFOMCでは、0.75%の利上げとなり米利上げを継続していくという方針に世界の景気減速につながると株価は大きく下げました。
ロシア地政学リスクの高まりが重荷となり、下げを加速させました。
日本のマーケットが休場中に英国では、国債の売却を発表して金利が急上昇し、その影響で、英国のみならず、欧州も米国にも波及し、全面安の展開となっています。
スイスでは経済がリセッションに陥る可能性についてスイス国立銀行総裁から言及があったり、世界各国ではリスクオフの動きとなっています。
この流れを受け、連休明けの日本のマーケットにも影響しそうです。ゴールドマンサックスは、S&P500の2022年年末予想を4300から3600へ下方修正したと報じられています。
暗いニュースが多い中、日本ではGOTO再開や海外旅行者の受け入れなどで、インバウンド関連が盛り上がりを見せています。
為替介入で円安進行が若干セーブされましたが、方向としては引き続き円安の水準が続きそうで、海外からの旅行者によって経済が活性化され、良い流れになるのか。
金融緩和の政策を引き続き行っていくという日本の方針は今後どのような影響が出るのか、常に経済にアンテナを張っていきたいところです。
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、下向きに推移し、株価も5日線に頭を押さえられるかたちで5日線の下を推移しました。
25日線は、下向きで推移し、株価との乖離が広がっています。
75日線は若干下向きに推移し始めました。まもなく5日線とのデッドクロスとなりそうです。
並び順は25日5日75日の並び順で、上昇トレンドの終わりとなっています。週明けに5日線と75日線がデットクロスとなると、並び順が変わり、25日75日5日で下降トレンドの始まりとなります。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、下向きで2万7390円処を推移しています。
200日線の上にあった株価が21日に200日線に触れ、22日には200日線を割ってきました。
トレンドライン
20日21日と21日22日と連日窓を空け、月曜日に窓を空けると、9月7日からの三空踏み上げとは違って逆に三空叩き込みとなります。
7月19日20日の窓と心理的節目の2万7000円処を割ってきたことで、下への意識が強くなっているチャート形状です。
下値メドとして意識されるところは、3月9日の安値から6月20日安値を結んだ延長線上のラインと、3月9日の安値から6月20日の終値を結んだ延長線上のラインが直近の下値メドとして機能してきます。
2万6000円処が心理的節目へとなります。
上はまず直近に開けた窓を埋め、2万7000円を奪還できるかというところです。
一目均衡表
基準線、転換線ともに下向きとなり、弱さが目立ちます。
更に遅行線も下向きで、下への障害物がない為、遅行線に関してもとても弱いです。
株価は雲の中から22日には下に抜けて、今後は厚めの雲が上値抵抗となっていきます。
22日の段階で、天底一致となるのかというところでしたが、週明けの26日に上昇に転じない場合は天底一致とはならず。
先々を見ると14営業日後に底底の可能性が出てきます。
ボリンジャーバンド
バンドは全て下向きで、株価は-2σまで到達しました。
ここから反転して-1σへと進行するのか、それとも-2σのボリンジャーウォークとなるのか、週明けの展開に注目です。
スローストキャスト
売られすぎゾーンへ入ってきました。
まだ下向きのまま売られすぎゾーンから好転する気配がないため、ゾーン内での動きに気を付けてみていきましょう。
MACD
0ラインの下を推移し、下降トレンドに入っています。
ヒストグラム
陰転の真っただ中で、ここからヒストグラムが好転するまでは気を付けていきたいところです。
月の満ち欠けですが、次回新月は9月26日、満月は10月10日です。
現在、9月10日から10月2日まで水星逆行期間中です。
総合判断
心理的節目の2万7000円を割ってきたことによって、下げが加速する可能性もある為、注意していきましょう。
フィボナッチでは、6月20日安値から8月17日高値からの0.618%押し2万6934円処で22日安値が2万6955円ですので、この水準に株価が推移しています。
ここで下げ止まれずに押した場合には、0.786%押しが2万6312円処です。もっと長期の目線で見ると、2020年3月19日の安値から2021年9月14日の高値までの上昇に対しての0.382%押しが2万5280円です。
「夜明け前が1番暗い」という格言があるように、追証発生して投げ売りにより下げが加速すると、いよいよ夜明けとなります。
総悲観となり買いに行けないという心理になった時に、やっと反発に転じるということで、人と同じ動きをすることなく、相場と向き合っていきたいものです。「人の行く裏に道あり花の山」ですね。(執筆者:城 晶子)