先週は買い優勢で始まりましたが、米消費者物価指数の発表を受けて、利上げ加速の警戒感から大きく下落し、米国NYダウは年初来安値をつけました。
米国の流れから日本のマーケットでも14日には窓を空けて陰線となり、下げ幅を拡大させました。
9月7日からの上昇は、日経平均株価のチャート上で見ると、窓を空けて上昇したことによって酒田五法の三空となり、「三空踏み上げ 売り向かえ」という格言が意識されました。
実際にはその通りの動きとなり、三空の窓のはじめに付けた窓を、金曜日に埋めるところまで下落して週末を迎えました。
9月7日からの上昇を打ち消す、行ってこいの相場となっています。
9月7日の安値を割らずにBOX下限とするのか、それとも割って7月19日20日の窓埋め水準まで下げるのか、FOMCの反応によっては大きな動きになる可能性もあるので引き続き警戒していきましょう。
9月第1週の海外投資家動向は現物213億円の売り越しで、先物は1460億円の買い越し、合計1247億円の買い越しとなりました。
今週はジャクソンホール会議が意識される中、日経はどう動くのか
チャート分析
日足の移動平均線
5日線は、上向きではじまりましたが水曜日に下向きとなり、株価も5日線を割って推移し、乖離を広げて週末入りしました。
25日線は、横向きから週末にかけて若干下向きへと変化しています。
株価は25日線の上を推移しましたが、水曜日に5日線と25日線を割り込み乖離を広げています。
その水曜日には25日線と75日線がゴールデンクロスかと思われましたが、買いが膨らまずにゴールデンクロスとはならず。
75日線は上向き継続中で、75日線を下支えにしてきましたが、金曜日には75日線に触れて終えています。
並び順は25日5日75日の並び順で、上昇トレンドの終わりとなっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は下向き継続で、2万7412円処を推移しています。
トレンドライン
たくさんの窓が開いている状態でしたが、最も意識されていた8月12日16日と、22日23日と25日26日、26日29日と同じ価格帯で開いていた窓をしっかり埋め、その上には、8月19日と22日の窓を残すのみとなりました。
現在の価格からの上値メドとして意識されるところは9月13日14日と9月15日16日の窓があります。
下値メドとしては、7月19日20日の窓があり、この7月19日20日の窓の価格帯は心理的節目の2万7000円の水準であることと、6月20日安値と8月17日高値の0.618%押しとなる水準ですので、ポイントになってくる価格帯だと思います。
一目均衡表
しばらくの間、雲に触れることなく雲の上を推移し、強気相場が継続されていましたが、金曜日に雲の中に入り込みました。
このままスルスルと雲の下に抜けると、厚めの雲が上値抵抗帯になる可能性もあります。
このままの価格で推移すると、9月最終週には、基準線が下を向き、転換線とのクロスの可能性があり、弱気相場となります。
そして遅行線は、3営業日後に天底一致となる可能性もあり、一目均衡表を見ると、シルバーウイーク明けの26日が重要な転換となりそうです。
ボリンジャーバンド
バンドが横ばい、BOX示唆の形となっていますが、金曜日に若干バンドの動きに変化があり、-3σから+2σまでが下向きとなっていることが気になるところです。
株価は-1σを割ってきているので、-2σの水準まで下押しすることも考えられ注意が必要です。
スローストキャスティクス
火曜日に頂点を付けて買われすぎゾーンに触れ、下向きとなりました。
このまま売られすぎゾーンまで下げてくるのか確認していきましょう。
MACD
0ライン近辺での攻防です。ヒストグラムが好転で始まりましたが、金曜日には陰転し、MACDも0ラインの下を推移しています。
月の満ち欠けですが、次回新月は9月26日、満月は10月10日です。
現在、9月10日から10月2日まで水星逆行期間中です。
総合判断
8月17日から下降してきた日経平均株価は、ちょうど50%押しの2万7371円処で下げ止まり、BOXの上値がどこかというところで、上値探しとなりました。
これについても上値をフィボナッチで予測すると、0.382%が2万8682円となり、50%が2万9119円、0.618%で2万9555円でしたが、0.382%の水準で上値をつけた形となりました。
パラボリックは金曜日に陰転し、下げへの意識が強くなっている中、日本はシルバーウイークで今週は3営業日となっています。
しかも、その3営業日は、FOMCと重なり、場合によっては水星逆行のアノマリーのように波乱の展開があるかもしれません。
このように連休の時や、相場と向き合う時間がないなという時には、必ず建玉の整理整頓をして、なるべく連休はゆっくり休めるようなトレードを心がけていくことが、これからのトレーダー人生をゆとりのある豊かなものにしてくれると思います。
ヘッジをしたことによって、損切りが発生してしまったとしても、その考え方が将来の資産を守るリスクヘッジとなります。(執筆者:城 晶子)