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節税効果ゼロ?所得税対策を講じる際に確認すべき3つのポイント


所得税は、給与や個人事業主の売上などに対して課される税金です。

配偶者控除や住宅ローン控除など、節税手段は多数用意されていますが、所得税対策は一定の条件を満たさないと効果を発揮しません。

そこで本記事では、所得税を節税する際のポイントを3つご紹介します。

所得税の節税効果はあるのか

1.「課税所得金額」がゼロなら節税対策は不要

所得税は、所得金額から所得控除を差し引いた額(課税所得金額)に対して税率を乗じ、所得税額を算出します。

収入がない人は所得金額がゼロなので所得税は課されませんし、配偶者控除や扶養控除などの所得控除が所得金額よりも大きい場合、課税所得金額はゼロとなるので節税対策を講じる必要はありません

もともとの納税額がゼロであれば、所得控除や税額控除を適用しても所得税は還付されませんので、節税する際はご自身の所得金額や源泉徴収税額を事前に確認してください。

2. 節税効果は税額ベースで判断すること

所得税を節税する手段は、

  • 所得金額を少なくする方法と、
  • 控除額を増やす方法

の2つあります。

所得税の控除には「所得控除」と「税額控除」の2種類あり、

所得控除所得金額から差し引く控除

税額控除算出した所得税額から差し引く控除です。

所得控除に該当する配偶者控除や扶養控除などは控除額が大きいですが、節税効果は所得税の税率を乗じた後の金額で判断しなければなりません。

たとえば所得控除を10万円増やしたとしても、所得税の税率が5%であれば、節税効果は5,000円です。

それに対し税額控除は、所得税額から直接税額を差し引く控除ですので、控除額が1万円であれば、そのまま1万円の節税効果を得られます。

なお税額控除が所得税額よりも大きい場合には、所得税額が控除できる上限となります。

3. 節税対策はコスパを考えること

配偶者控除や扶養控除は、条件を満たせば支出ゼロで控除を適用できますし、住宅ローンを組んで自宅を購入した人は住宅ローン控除を適用することで、所得税の還付を受けられる可能性があります。

生命保険控除や医療費控除などは、納税者の支出した額に応じて控除額が大きくなる控除ですが、控除額を増やすために支出を増やすのは本末転倒です。

所得控除を増やして1万円の還付金を受け取ったとしても、1万円以上の支出が伴っていれば、手元のお金は減っているので逆効果です。

また所得控除や税額控除を適用するためには、確定申告手続きが必要になるものもありますが、還付金額が少額であれば手続きするのはコスパが悪いです。

したがって、還付される税金が発生する場合でも、金額によってはあえて手続きしないのも選択肢です。

医療費控除

自身が納めている所得金額は1度確認すること

所得税の節税効果は、所得金額や控除額の大小で変わりますし、控除額の上限が設定されている控除も存在します。

生命保険料控除は、10万円または12万円が控除額の上限ですので、すでに限度額に達している方は、これ以上生命保険に加入しても所得税の節税効果は得られません。

一方で、適用要件を満たしているのにもかかわらず、所得控除等を適用していないケースもあります。

支出を増やすことなく適用できる控除は積極的に活用すべきなので、ご自宅にある給与所得の源泉徴収票をご覧いただき、控除漏れがないかいま一度チェックしてください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

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