食品の値上げが続き、消費者は今まで以上に食品の値段に敏感になっています。
スーパーで少しでもお得な商品を探していると、名前とパッケージが似ていても値段に幅があるものがあることに気がつきます。
まったく同じものならば安い方が得ですが、本当に同じものなのでしょうか。
今回は、賢く食費節約をするために知っておきたい値段の違いの意味についてお話しします。
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ピーナッツバターの値段の違いはピーナッツの量の違い
ピーナッツバターは、朝食や料理の隠し味に使うことが多いです。
スーパーのジャム売り場には、さまざまな種類のピーナッツバターが並んでいます。
しかし、値段をみると100g当たりの値段に大きな差があるのです。
安いものは135g100円以下ですが、高いものは340g500円以上しています。
100g当たりに換算すると倍以上の差があるのです。
高いものは外国からの輸入品であることも多く、円安の影響かもしれませんが、それにしても差が大きすぎます。
材料の90%以上がピーナッツであるものを「ピーナッツバター」といいます。
安いものは、ピーナッツがほとんど使われず「ピーナッツ風味のクリーム」であることが多いのです。
材料をみると「ピーナッツバター」はピーナッツと砂糖と植物油と塩ですが、「ピーナッツクリーム」と書かれている商品は水あめや植物油脂が多く使われています。
「ピーナッツクリーム」には、ピーナッツバターも原材料に含まれていますが、ピーナッツ感は圧倒的に「ピーナッツバター」の方が強いです。
値段だけをみて選んでしまうと、味に大きな違いがあります。
「ピーナッツクリーム」は、なめらかに作られているため塗りやすいメリットがあります。
「ピーナッツバター」はピーナッツの風味が強いため隠し味に使えるメリットがあります。
「ピーナッツバター」と一言で言っても、クリームとバターの違いがあり、それが値段の差に通じていることに要注意です。
牛と豚と鶏の値段の違いは飼育の長さの違い
円安が続き輸入牛肉の値段があがっています。
「牛肉はなぜ高いの」と思ったことはないでしょうか。
一般的に肉の値段は牛が一番高くて、豚そして鶏と続くと思われています。
肉の値段の違いは飼育の長さの違いです。
牛肉は、飼育する長さが2年程度です。
豚肉は半年程度で鶏肉は55日程度になります。
飼育する長さが長くなるほど、えさ代などのコストがかかるため肉の値段もあがるのです。
牛肉の中でもとくに値段が高いブランド牛は、えさにこだわるだけでなく、一般的な肉牛よりも長く飼育しています。
例えば「神戸ビーフ」は約2年7か月という長い期間飼育してから出荷されます。
鶏肉は、肉の中では手ごろな値段ですが地鶏は高価です。
「地鶏」と名乗るためには、ふ化してから80日以上の飼育が条件になっています。
一般的な若鳥は55日程度の飼育で出荷されるため、やはり長く飼育されているほど値段は高くなるのです。
「手間暇かけて飼育された肉」と思えば、高い値段でも納得できるのではないでしょうか。
飼育の長さ以外にも肉の値段は需要と供給の関係によっても影響されます。
チョコレートの値段の違いはカカオの量とこだわり
筆者が子どものころは、板チョコは1枚65gありカロリーも360kcal以上ありました。
しかし、時代とともに板チョコのサイズは小さくなり、今は1枚50gになりカロリーは283kcalです。
お菓子の中でもチョコレートは商品によって値段に差があります。
海外の高級ブランドは一口サイズのチョコレートが1個300円近くすることもあります。
一方、100円ショップでは大ぶりの板チョコが1枚100円で売られています。
チョコレートの値段の違いはチョコレートに使われているカカオの量とこだわりが大きく影響しているのです。
チョコレートには、使われているカカオの割合によって区分が決められています。
安価なチョコレートは、値段が高いカカオバターではなく植物油脂を多く使うことでコストを下げている可能性があります。
有名な明治の「ミルクチョコレート」は、昔よりはサイズがかなり小さくなっていますが、植物油脂は使わずにカカオ分35%以上でココアバター18%以上であり、区分は「チョコレート」になります。
植物油脂が多く使われ、カカオ分やココアバターの割合が減ると値段は安くなりますが「準チョコレート」と表示されるのです。
高品質のチョコレートを手ごろな値段で販売できる理由は、明治という大きな会社だからこそ持てる大きな市場のおかげではないでしょうか。
海外の高級ブランドのチョコレートは、カカオの割合だけでなくカカオの種類や質にもこだわるため値段が高くなっています。
食費を節約する方法は「食べる量を減らす」か「安い商品を探す」か
安い食品は魅力的ですが、高い食品には高いなりの理由があります。
節約生活というと食費がまっさきに取り上げられますが、食品は体を維持する大切なものであり「安い理由」「高い理由」を知って選ぶことが賢い節約のコツです。(執筆者:クリエイティブな節約家 式部 順子)