先週は、17日の窓を開けての大きな下落後の値動きが警戒され、日経平均株価はとても弱い展開でスタートしました。
意識されていた5月12日の終値2万5748円を日中に大きく割ってしまった月曜日でしたが、終値では何とか戻し、2万5771円とわずか23円上回って、結果的に下髭を作って先週の底として終えました。
この5月12日の価格を割ってくると、次の想定は2万5000円割れの3月9日が意識されるところでしたので、よく戻したといったところでしょうか。
この3月9日安値から5月12日の安値を結んだラインが、窓を開けた6月16日の安値と、そして先週の金曜日24日の高値に触れています。
このラインは下値支持線として機能していたところが、金曜日には上値抵抗線となっているというところが現在とても重要な局面で、このラインを上に抜けるかどうかが2万7000円到達のカギとなりそうです。
6月第3週の海外投資家動向は現物8044億円の売り越しで、先物は9115億円の売り越し、合計1兆7160億円の売り越しとなりました。
この大きな売り越しはインフレの警戒で株価が大きく下げた要因でもありました。
【今週の日経平均を考える】重要な節目ラインに到達し分かれ目の週
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
下向きに推移していた5日線は、金曜日に上向きに向きを変え、水木金曜日と5日線の上を推移して、短期的な上昇となりました。
25日線は、下向きで2万7000円処を推移し、ローソク足との乖離は500円程となっています。
横向きだった75日線は、金曜日に若干上向きとなっています。
並び順は25日75日5日の並び順となり、下降トレンドのはじまりとなっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、2万7800円処を下向きで推移しています。
トレンドライン
5月12日の安値2万5700円付近の節目ラインから、反転して直近の6月16日17日の窓を埋めました。
下は、3月15日16日の窓埋めが完成しなかったことで、このラインが意識されるところです。
上は、三空を作りながら下げてきたことでできた窓が、13日14日、10日13日、9日10日とあります。
2万7000円処が重要な節目となっていますから、ここを突破できるか、それとも突破できずに半値戻しで終えるのか注目です。
一目均衡表
雲から乖離していたローソク足が、薄い雲の下限に到達し、ここから一気に雲を抜けていきたいところです。
雲の薄い期間が水曜日まで続くので、今週の3日間で上に突破していくなら強さが見えますね。しかし遅行線の行方が詰まっています。
ここから4日間は上に抜けられずに横ばう動きも想定できます。
前回も記載しましたが、ここからの一目均衡表は雲のねじれがとても多く、7月11日まで株価がどのように推移するのか注意深く確認していきましょう。
ボリンジャーバンド
-2σから-1σに戻しての週末入りです。
バンドがそれぞれ均等に横へ向かっているので、BOX示唆の動きに見受けられます。
まずはTPラインまで株価が戻せるか見ていきましょう。
スローストキャスト
売られすぎゾーンの底辺から、金曜日には売られすぎゾーンを脱出する位置にまで戻してきました。
ここから買われすぎゾーンへ順調に向かっていけるのか、それとも中折れしてしまうのか、もし中折れとなると、とても弱い相場となりますので注意が必要です。
MACD
0ラインを割って下降トレンドが続いています。しかし、まもなくヒストグラムの好転間近となり、月曜日には強気に転換することも想定されます。
MACDもシグナルもクロス間近です。
この好転の機会を逃さぬように推移していけるか注目です。
月の満ち欠けですが、次回の新月は6月29日、満月は7月14日(スーパームーン)です。
総合判断
2万5700円処が下限で、上値は2万8000円のBOXを作っているような動きではありますが、6月9日から6月20日までの下げに対して0.382戻しが2万6615円で、金曜日の終値が2万6491円ですので、まもなく第一関門です。
その上にも移動平均線も壁となり、上限に到達するには障害物が多い展開ですが、まずは0.5戻し2万6954円までの戻りを期待します。
この水準は6月13日14日に開けた窓埋めと同水準となります。
しかし、世界的な同時インフレリスク警戒がなくなったわけではありません。
ショック級の下落に転じる可能性もあり得る情勢ですので、建玉は常に警戒を怠らずに管理していきましょう。(執筆者:城 晶子)
【今週の日経平均を考える】6月相場入りとなり方向感が出てくるのか