「楽天SPU」とは、楽天経済圏のサービス利用状況に応じて、楽天市場での買い物で獲得できる楽天ポイントの還元率がアップする仕組みのことです。
特に「楽天カードの引落先を楽天銀行口座に設定すると+1倍(+1%還元)」のSPUは、多くの方が利用しているのではないでしょうか。
ところが2022年7月1日以降、このSPUの条件が改悪されます。
改悪内容を一言で表すと
ということです。
ユーザーの中には自営業や家事専業の方など、サラリーマン以外の方もたくさんいますから、給与振込の設定条件を満たせない方にとっては困った問題です。
この記事では、ユーザーの属性別に「楽天銀行+楽天カードSPU改悪」への対処法をお伝えします。
ご自身のケースにあてはめ、損をしないようぜひ対策をとってください。
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「楽天カードの引落を楽天銀行口座に設定で+1倍」の改悪詳細
2022年7月以降、以下のようにSPUの条件が変更されます。
変更前
楽天銀行の口座で楽天カード利用代金の引落をすると、楽天市場での楽天カード支払分がポイント+1倍
変更後
以下の2つの条件を達成した場合に、今までと同じ+1倍が得られる
(1) 楽天銀行の口座で楽天カード利用代金の引落をすると、楽天市場での楽天カード支払分がポイント+0.5倍
(2) 楽天銀行で給与・賞与・年金を受取ると、楽天市場での楽天カード支払分がポイント+0.5倍
今まで楽天カードの引落先に楽天銀行口座を設定するだけで+1倍獲得できていたところを、給与振込先を楽天銀行口座に設定するというひと手間を加えないと現状維持ができなくなります。
条件達成となる「給与振込」の定義は?
「給与振込」の条件を達成できるのは、次のような場合と案内されています。
Q:給与受取とはどのように判定されますか?
A:「給与振込」の電文で振込をされているものを給与受取として判定します。
給与・賞与の受取口座変更手続きを行う際は、給与・賞与が「給与振込」の電文で振り込まれていることを勤務先のご担当者さまに必ずご確認ください。
銀行間での取り決めによる資金振込時の入金方法(「通常の振込」と「給与振込」等)が「給与振込」でないものは、給与として認識ができかねます。
「給与振込」以外の電文で受け取った場合は、給与・賞与と判断されず、特典を受けることができませんのであらかじめご了承ください。
具体的には入出金明細に「給与」や「賞与」と漢字で表示された場合、条件を満たしていると考えて良いそうです。
フリーランスの受け取る報酬や売上などは、給与としては振り込まれませんので、残念ながら7/1以降のSPUでは対象外となります。
なお年金受給者の方は条件達成の対象になりますので、所定の手続きをとって準備をしておいてください。
参照:楽天銀行 年金のお受取
ユーザー属性別の対処法
それでは、ユーザーの属性別にそれぞれの対処法を紹介します。
【サラリーマン・年金受給者】
給与振込先を楽天銀行口座に設定する(口座の複数指定ができる場合は、給与振込特典のある他行口座と併用する)
【フリーランス】
以下の3つの方法から、自分にとって1番お得な方法を選択する
(1) 楽天カードから楽天プレミアムカードに切り替え「+2倍」にする
(2) 楽天モバイルを利用する(2022年7月以降の新SPU+1倍特典)
(3) 2022年6月までに楽天スーパーセールやお買い物マラソンなどでできるだけ買い物し、7月以降は他の経済圏へ移行する
ひとつずつ詳細を説明します。
サラリーマン・年金受給者は条件達成の手続きを進めよう
給与振込のあるサラリーマンやアルバイト、年金受給者の方は、給与(年金)振込先を楽天銀行に設定しましょう。
これで7月以降も、今までどおりの+1倍を得られます。
楽天銀行は「マネーブリッジ※1」を設定している場合、300万円以下の預金金利が年0.1%※2と非常に高いです。
※1:楽天銀行と楽天証券の口座連携サービス(設定するには楽天証券の口座開設が必要)
※2:300万円を超える部分は年0.04%の金利がつく
給与振込によって口座残高が増えれば金利も多くつくので、マネーブリッジの設定ができる方は今まで以上の利点があると言えるでしょう。
楽天銀行「ハッピープログラム」でさらなる特典あり
楽天銀行には「ハッピープログラム」という優遇制度があり、サービスの利用状況によって5つのステージに振り分けられます。
ステージに応じて振込手数料が無料になったり、楽天ポイントのプレゼントがあります。
給与振込設定もハッピープログラムの対象となっており、行うと以下の特典があります。
・ ステージアップの要件として利用実績にカウントされる
・ 他行宛振込手数料が月3回まで無料になる
・ ステージに応じて給与(賞与)振込1件あたり、1~3Pの楽天ポイントがもらえる
給与振込の設定にはひと手間かかりますが、設定後は何かとお得になるので、ぜひ準備を進めておいてください。
給与振込の口座を2つ以上持てる方は他行と併用しよう
会社によっては、給与を複数の口座に分けて振り込んでくれるケースがあります。
その場合は、楽天銀行の口座を振込先にしてSPU+0.5倍の特典を得ながら、給与振込特典のある他行の口座も振込先にしてお得の2重取りをおすすめします。
楽天銀行の方は条件達成に必要な入金額のしばりがないため、併用する他行口座の特典条件を満たせるよう、振分けを決めると良いでしょう。
併用におすすめの銀行口座例
スルガ銀行 Tポイント支店 | 「給与」と認識できる10万円以上の入金で毎月Tポイント50Pプレゼント |
スルガ銀行 ANA支店 | 「給与」と認識できる10万円以上の入金で毎月50マイルをプレゼント |
スルガ銀行 Dバンク支店 | 給料をGポイントクラブで受け取るだけで、毎月50Gポイントをプレゼント |
T NEOBANK | 「給与」として受取があった月にTポイント30Pプレゼント |
ヤマダNEOBANK | 1回3万円以上の給与受取でヤマダポイント月30Pプレゼント |
NEOBANK 住信SBIネット銀行 | 給与受取・年金受取・定額自動入金いずれか利用でスマプロポイント月30Pプレゼント |
新生銀行 | 口座へ1回1万円以上の振込入金で25Pプレゼント(月最大200P) ※新生銀行でもらえるポイントは、Tポイント・dポイント・nanacoポイントの中から1つを選べます。 |
フリーランスは他サービスでポイントをどう取り戻すかが鍵
次はフリーランスや家事専業の方の対処法です。
サラリーマンや年金受給者の方と比べて給与振込の設定ができない分、どうしても損をするので、他のサービスでどう取り戻すかが鍵となります。
(1) 楽天カードから楽天プレミアムカードに切り替える
現在、楽天カードもしくは楽天ゴールドカードを利用している方は、楽天プレミアムカードへの切替を検討してみましょう。
楽天プレミアムカードのみ「+2倍」の特典があるため、今回の改悪を十分カバーできるからです。
ただし楽天プレミアムカードには1万1,000円の年会費がかかるため、獲得ポイントで年会費をどうペイするかが重要です。
年会費の損益分岐点
は、楽天プレミアムカードの損益分岐点をクリアして、年会費をペイできる可能性が高いです。
<計算根拠>
・ 楽天プレミアムカードで+2倍(楽天市場での買い物で常時)
・ 選べるサービスに「楽天市場コース」(毎週火曜・木曜は+1倍)を選択
・ お誕生日月特典で+1倍
買い物をお得になる火曜と木曜に集中させ、誕生日特典のある月も同じペースで買い物をした場合、年間約36万円購入すると年会費1万1,000円分の楽天ポイントを獲得できます。
年間36万円は月額なら3万円です。
日用品や洋服、お酒や水などを全て楽天で購入している方なら、実現可能な数字と言えそうです。
(2) 楽天モバイルを利用する
「1GBまでは0円」の宣伝で多くのユーザーを獲得してきた楽天モバイルですが、先日5月13日の三木谷会長の会見で、残念ながら0円を廃止することが発表されました。
2022年7月以降は0円の料金設定はなくなり、最も安い料金で月額1,078円からとなります。
この料金プラン改定に伴い、楽天モバイル契約特典のSPU(現行は+1倍)に、7月以降は新たにさらに「+1倍」を追加する方針です。
楽天モバイルユーザーが被る不利益を、できるだけ補うためと考えて良いでしょう。
0円で利用していた場合には新SPUでもお得は取り返せないと思いますが、もともと1GB超えて有料になっていた方には単にお得の追い風となります。
新料金プランが月々のスマホ代の予算に合う方は、楽天モバイルの新SPUによって失ったポイントを補完できる可能性があるので、検討してみてください。
(3) 6月までにできるだけ買い物し、7月以降は他の経済圏へ移行する
最後の手段は、他の経済圏への移行です。
au経済圏、ドコモ経済圏をはじめ、最近はPayPayカードの誕生によりPayPay経済圏の充実も期待されています。
楽天経済圏はこのところ改悪が続いており、今後も広く浅く楽天のサービスを使っている人よりも、既存サービスをがっつり利用しているユーザーに利益還元を行っていく方針だといいます。
コストをかけずにポイントを得るのはだんだん厳しくなってくるかもしれません。
新興の経済圏は、まだまだ経済圏の住人を増やすことに重きを置いているため、太っ腹なキャンペーンもバンバン実施します。
この機会に他の経済圏への移行を検討するのもアリでしょう。
6月は楽天スーパーセールやお買い物マラソンに期待
楽天カードの引落先に楽天カード設定で+1倍の改悪は、7月以降に実施されます。
どんな選択をするにしても、6月までに楽天市場でしっかりお得を獲得しておきましょう。
近年の傾向をみると、6月に楽天スーパーセールやお買い物マラソンが実施される可能性が高いです。
買いまわりによりポイントを積み増すには、「楽天ふるさと納税」がおすすめです。
その際、寄付先が5自治体を超えてしまうとワンストップ特例制度が使えなくなり、年明けに確定申告が必要となります。
1つの自治体がたくさんの返礼品を用意しているケースもあるので、申告の手間や年間予算と相談しながら、6月末までのお得なうちに楽天経済圏で効率よく買い物し、楽天ポイントをゲットしてください。(執筆者:石田 彩子)
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