人生を豊かなものにするためにお金を上手に使うスキルは必要不可欠です。
子供へのマネー教育は人生を左右するほど重要なものと言えます。
今回はマネー教育の1つとして5歳の長男にお小遣い制度を導入した筆者の成功や失敗談を紹介します。
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子供のスペック
長男は言葉が出始めるのはやや遅めでしたが、最近はうるさいくらいよく喋り、聞く力もだいぶついてきた5歳児です。
1~100までの足し算や100円玉何枚で500円、1,000円になるかなどは大体わかっているようです。
マネー教育として、過去に特別何かしたことはありません。
お出かけの時などにいくらか渡して、好きに買い物をさせたりした程度です。
初孫で祖父母にも甘やかされてぬくぬくと育っているため、お金の大切さはあまり理解できていません。
そこでお小遣い制のメリット・デメリット、
「お金がなくなっても追加の資金は出ない」
などを説明すると、本人が前向きだったので導入することにしました。
我が家のお小遣い制度
「自分でお金の管理をすること」と「世の中のお金の仕組み」を学ぶことに重点を置きたかったので、労働の対価としてお金を渡し、好きなものだけではなく、必要なものを買うお金や未来のための貯金もその中から出してもらう形式にしました。
この金額は1週間で私や祖父母が買い与えたりしているものの金額から計算しました。
5歳児に週1,000円は高額すぎるという印象を受けるかもしれません。
ノートや鉛筆などはもちろん、状況が許せば「欲しい!」と言うだけで買ってもらえていたお菓子やおもちゃ類など誕生日・クリスマスを除き自分で購入することになります。
労働の対価としてお金が支払われる
世の中の仕組みを知って欲しいので、お小遣いは労働の対価として支払われます。
事前に本人と仕事について話し合い、テーブルふきや、弟の保育園用のオムツにお名前スタンプを押すなど、いくつか仕事をお願いしました。
労働の対価なので、サボったり、適当な仕事をしたら、減額もあります。
説明しても理解できないことは未来に託す
このお小遣い制の肝のひとつは、未来のために貯金をしておかなければならない、と言うことです。
しかし、日本語能力が上がってきているとはいえ、短期・長期貯蓄の必要性などは、噛み砕いて説明しても、ピンときていない様子でした。
理解できないのは人生経験がまだ少ないのも原因と考えられるため、もらった金額の2割程度を貯金すると後ですごくハッピー、というざっくりした説明で納得してもらい、詳細は壁にぶつかった時や自分で疑問を持った時に説明することにしました。
導入直後の変化
お小遣い制度導入前はもらったお金はさっさとその場で使い切るタイプだった長男。
今回もどうせすぐなくなってしまうだろうと予想していました。
しかし、いざ自分のお金となると大事なものに感じられたのか、使い切らずに残すようになりました。
お気に入りのおもちゃが壊れてたので、自分で買えるように貯めていくことを提案し、長期的な貯金をする意味であることも説明しました。
予算が多すぎたのかも お金が余りすぎるという事態に
週1,000円という金額はもともと子お菓子やおもちゃ代として保護者(私や夫や祖父母)が子供に使っていた金額なので、使い切ってもおかしくないのですが、お小遣いになった途端に本当に欲しいもの以外に使わなくなり、3回目のお小遣いの時点で所持金額が2,000円を超えていました。
設定金額をもっと低くてもよかったのかと思いましたが、無駄遣いが減って、貯金癖もついてきているので、週1,000円は変更せずに続けています。
どのような事態になるかわかりませんが、決めた金額が下がると、子どものモチベーションも下がるので、最初の設定は低めでもよいと思いました。
労働の成果には期待せず根気が必要
最も苦戦を強いられたのは、お金のことよりも労働に関してでした。
お小遣いスタートから数日は自ら動いてくれたものの、徐々に「面倒くさい」「疲れてるから後で」などとグズグズし始め、言わなければやらない状態になりました。
・ 労働の対価としてお金が支払われているという認識を持ってもらうチャンス
と考え、やるように叱るのではなく「やりたくないならやらなくていいけど、その分のお小遣いは引かせてもらうね」と冷静に説明しました。
いつまでも冷静でいられないと感じたら、限界が来る前に「お小遣い会議」を再び開くことをおススメします。
自分ができる仕事、できない仕事、好きな仕事、嫌いな仕事を精査してもらったり、それに対して筆者が納得できる金額を考え、お互いが納得できるラインを探りました。
結局、仕事内容が変わって、減額の交渉には失敗したのですが、怒りをぶつけることなく、本人も納得して、なんとか続けられています。
子供なりに真剣にお金と向き合えていると感じる日々
長男は、お小遣い制を導入したことによって、今まで保護者の気分次第で買ってもらえたり買ってもらえなかったりしたものが、自分で自由に買えることに喜びを感じている様です。
少し高額なものを買うときは、100円玉何枚が必要なのか計算したりして、算数の勉強にもなっているようです。
もちろん失敗もいろいろしています。
お金が余っていると調子に乗って弟にお菓子を買ってあげたら、週末に自分の分を買うお金が足りなくなったり、クレーンゲームに夢中になって財布を空にしてしまい後で地獄を見たり、貯金をしすぎて寂びしい思いをしたり。
お小遣い制を導入しなければ経験できなかった様なしくじりをどんどん重ねています。
人は失敗から学び強くなっていくので、筆者は基本的にはどんな失敗もして損はないと思います。
しかしお金の失敗は社会に出てからだと、取り返しのつかない事態になる可能性が否めません。
まずは家庭という守られた環境下でやらかしてくれた方が親としても安心です。
この点もお小遣い制を導入してよかったことの1つだと思いました。
子供の仕事への価値観を知るきっかけにもなりそう
仕事については、相変わらずさぼりすぎているので、そろそろ減額についての会議が開かれる予定です。
減額なんてかわいそうかな?と思ったりもしますが、この経験は
「多少無理をしてでも、たくさん稼ぎたい」
「お給料が少なくても好きな仕事をしたい」
「最低限の努力で効率よく収入を得たい」
など、将来の方向性や職業の選択をする時などに知っておくべき自分の価値観の確認になると思います。
そんな経験ができることもお小遣い制度の魅力だと感じました。
子供と一緒に親も日々是精進
お金の仕組みを子供でもわかるように説明しながら実践させるには、親自身がお金についてしっかり理解しなければならず、あらためて勉強の機会が必要でした。
筆者の計画では、労働の対価としてお金をもらう苦労を知ってもらい、また物事の理解力が上がってきたら、今度は労働以外でお金を稼ぐ方法(=投資)の教育も取り入れていきたいと思っています。
そのため自身が投資の知識をつけるための勉強をしています。
お小遣い制は、親子で成長できる「マネー教育」として役立ちます。(執筆者:田丸 可奈)
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