トランプ訪中延期から見える習近平の思惑と米中首脳の力関係【中国問題グローバル研究所】
3月14日、トランプ大統領はイランが封鎖しているホルムズ海峡航行再開に向けて中国にも護衛艦派遣などの協力を求めた。3月15日のフィナンシャルタイムズのインタビューによると「協力しなければ訪中を延期する可能性がある」と「脅し」をかけていたくらいだ。
しかし16日(日本時間17日)になると一転。トランプは「交戦中にホワイトハウスを空けるのは良くない」という理由で訪中延期を宣言し、「中国が護衛艦派遣に積極的でないこと」には、ひとことも触れなかった。
この時点で米中どちらが首脳会談をしたがっているかが見えてくる。
習近平国家主席にとっては、友好国イランを攻撃している最中の国の大統領を歓迎するわけにはいかない。トランプが訪中を延期してくれたのはありがたいことだ。イラン攻撃停戦後でないと、トランプを北京に向かえるわけにはいかないのが本音だろう。
一方で習近平は、トランプ訪中の際に「台湾統一」に関してトランプに是認を迫ろうとしていたはずだ。そのために護衛艦派遣に関しても、回答を出していない。米中の「腹の探り合い」と習近平の思惑を考察したい。
◆トランプ、「中国、フランス、日本、韓国、英国などに艦船派遣」を要求
トランプは(日本時間)3月10日9:30、「イランがもしホルムズ海峡を封鎖するならば20倍の打撃を与える。これは中国と全てのホルムズ海峡を頻繁に利用する国へのプレゼントだ」(※2)と述べた。
(日本時間)3月14日22:04には、トランプは「アメリカは既にイランの軍事能力を完全に破壊したが、ホルムズ海峡封鎖の影響を受ける中国・フランス・日本・韓国・イギリスと他の国がアメリカと一緒に軍艦派遣してほしい」(※3)と呼び掛けた。
さらに日本時間3月15日2:58になると、「ホルムズ海峡経由で石油を輸入する国は一団となって通路の安全を守るべきだ」(※4)と、一歩進んで語調を強めている。
一方では、すぐさま賛同を示さない国が多いことを知ると、トランプは3月15日、フィナンシャルタイムズ(FT)のインタビューに対して(※5)(有料)、「中国は石油の90%を(ホルムズ)海峡から得ているのだから、中国も協力すべきだと思う」、「(米中)首脳会談まで待つのは遅すぎる」とした上で、「それまでに知りたい。2週間は長い。中国訪問が延期される可能性もある」と、中国に「脅し」をかけるトーンに変わっていった。
「90%」はオーバー・エスティメイトで実際は30~40%に過ぎないし、また3月6日の論考<イラン「ホルムズ海峡通行、中露には許可」>(※6)という事実を知らなかったのか、3月16日になると、トランプは突然「脅し」のトーンを変えた。「交戦中にホワイトハウスを空けるのは良くない」という理由で訪中を延期し、「中国が護衛艦派遣に積極的でないこと」には、ひとことも触れなかったのである。
この時点で、トランプと習近平の力関係が決まったようなものだ。
習近平は何も言わずに、時々刻々変わっていくトランプの言動を静観しているだけだが、トランプは正直に、そのときどきに思うことをぺらぺらと喋り、自らのSNSであるTruthにも思いつくままに書き綴る。まるでプライベートな日記のような投稿を、国家の意思決定として発信するので、心が変わるごとに信用を無くしていく。「正直な人」という点においては好意的に受け止めることもできるが、議会を通さずに、自分の頭の中で思いついたことを気ままに断行していくという点から見ると、独断的で刹那的ではある。
一方の黙して語らない習近平は、それなら「何を企んでいるのか」?
◆習近平の頭の中には「台湾統一」のタイミングしかない
習近平がトランプ訪中と米中首脳会談を重視しているのは「台湾統一」という一点においてしかない。
2025年11月5日の論考<トランプが「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言! これで戦争が避けられる!>(※7)で書いたように、習近平とトランプの「蜜月度」はこの時から具体性を持ち始めた。特に昨年12月5日にNSS(国家安全保障戦略)を発表したトランプは、続けて「習近平が台湾を中国の一部だとみなしているのなら、「台湾をどうするかは)習近平次第さ」という趣旨のことまで言うに至っている。
習近平としては、千載一遇のチャンスだと思っていただろう。
今年1月3日のトランプによるベネズエラ攻撃と大統領夫妻の拘束連行は、それをさらに後押しした。あれだけ「力による変更」として中国を非難してきたアメリカ(バイデン政権)が、トランプ2・0になった途端、民主主義の衣を脱ぎ捨てて、まるで植民地時代に戻ったように武力による他国への侵攻を堂々と断行する。しかも議会を経ない独断だ。
もし習近平が、中国百年の悲願である中華民族同士の台湾統一を成し遂げたとしても、どの国も中国を非難することはないだろう。
習近平はそう思ったにちがいない。
ましてやNSSで「西半球はトランプが、東半球は習近平が統治する」と言わんばかりの「ドンロー主義+G2構想(米中二大国で世界を統治)」を唱えたトランプが、今年2月28日になって、突然、西半球ではないイランを襲撃し、最高指導者ハメネイ師まで殺害した。
これが世界最大の民主主義国家がやることなのか。
力に任せて他国を攻撃し殲滅しようとする。
まるで植民地時代の弱肉強食の原理で動いているではないか。
仕掛けたイスラエルのネタニヤフ首相は汚職で提訴されており、戦争を続けていないと逮捕される。だからエンドレスに戦争を仕掛けている。
片や、トランプは相互関税(トランプ関税)を議会を通さずに実行したことが違法となり、11月の中間選挙で負ければ議会で弾劾決議を受けるかもしれない。
いかがわしいエプスタイン事件にもかかわっているので、大統領権限で今は何とか抑え込んでいるが、大統領でなくなったら逮捕される可能性さえある。
そのような中、「自分が大統領になったら、無駄な戦争は全て終わらせる」と選挙演説で約束していたのに、戦争を終わらせるどころか、逆に次々と「人間であるならあり得ない(国際法では考えられない)」理不尽な戦争を次々にけしかけているではないか。
しかも攻撃されたのは中国の友好国だ。
中国のネットはもとより、日本のネットにさえ護衛線派遣を半ば強制的に求めるトランプに対して「戦争を始めたのはお前だろ!なんで俺たちの国がその尻拭いをしなければならないんだ」というコメントが数多く見られる。
しかし習近平は王毅(外相兼中共中央政治局委員)を通して、ひたすら「早期停戦」を呼びかけ、数多くの関係各国と連携を取らせてはいるが、それでいて、トランプを非難する言動を避けている。
ここが肝心だ。
習近平は習近平で、トランプン訪中を重んじているのである。
現在、アメリカ財務長官・ベッセントや中国の副首相・何国峰が、米中首脳会談のための赤絨毯を敷くべく会談を重ねている。
トランプは中国のレアアースと製造部品がなかったら、米軍の武器を製造することができない。
2015年から習近平が強烈な号令をかけて推し進めてきたハイテク国家戦略「中国製造2025」が、達成目標年の2025年を待たずに成果をあげ、今や米中力関係において効果を発揮し始めたのだ。
習近平が狙っているのは、レアアースを含めた中国新産業の力によって、アメリカの産業力を凌駕し、その現実を突きつけてアメリカに「台湾統一」を認めさせることにある。
いまその実現は目前に迫っている。
それも、トランプ政権内でないと実現が困難だ。
だから習近平としても、トランプのご機嫌を損ねたくない。
トランプとしては、せめて今ここで「中国とのディールに成功した」という成果でも出さなければ、中間選挙は乗り切れない。アメリカ国内でもイラン攻撃に賛同する人は少ない。中間選挙に敗ければ、議会を通していない上にあまりに非人道的なイラン攻撃を勝手に断行したとして追及される可能性もゼロではない。
そのトランプに手を差し伸べて、台湾統一に関しては譲歩していただく。
それが習近平の腹積もりである。
なお、たとえ大規模軍事演習によるエネルギー封鎖という手段であったとしても、台湾と共産中国が一体になるなどということを、台湾の世論が許すはずがないだろうと思われる読者はきっと多いことだろう。筆者もその一人だ。そこで機会があれば、台湾世論と北京政府の現在の動き方を詳細に考察し、読者とともに考えたいと思っている。
この論考はYahoo!ニュース エキスパート(※8)より転載しました。
2026年3月、全国人民代表大会にける習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)
(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/116202054617775180
(※3)https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/116227904143399817
(※4)https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/116229058692001771
(※5)https://www.ft.com/content/1ca6d121-760b-4ec5-b6ad-514fdaa94873
(※6)https://grici.or.jp/7198
(※7)https://grici.or.jp/6854
(※8)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d2650ee43e98275b710dcc0f31cb620d48152d3f
<CS>
水川かたまりが実名暴露、学生の頃に双子の姉に告白→×→1週間後に妹に告白→×だった吉本芸人
小堺一機「やっぱり浅草の伝統なんだね」欽ちゃんとたけしの“共通点”に納得
女性モデルが訴え「ほぼ毎回打ち合わせの最後は枕営業の話」「令和の時代にもまだある」
どぶろっくが衝撃告白 大悟驚き「ちょっと待ってそれ言っちゃっていいの?」
日向坂46佐藤優羽
大阪メトロ「ヒューマノイド駅員」登場 AI搭載、60言語対応
星野真里「確かにそうだなと」夫高野貴裕氏の言葉で難病患う長女との向き合い方が変化
元鉄工所勤務グラドル「隠れてます?」衝撃ランジェリー姿に驚きの声「おしりに虹もかかって…」
安住紳一郎アナ「私も張り倒したい」衝動に駆られる出来事を告白「横でそういう会話聞いたら…」
米財務長官「日本は円高へ措置講じる」 日銀への利上げ圧力強め
モラタメにて「2024年台湾東部沖地震救援金」を受付中
キーワードを見つけて賞品ゲット!冬のプレゼントキャンペーン
伊達みきお「脳梗塞」コンビのTVレギュラー8本、29日生ラジオ、放送界は対応追われる
【全文】西野亮廣、先輩芸人への「訴訟予告通知」発表 法的措置を検討「私に対し激しい暴力を」
近藤真彦、田原俊彦との“不仲説”を直撃質問され回答「だって…」
【高梨沙羅】まるで別人?白いビーチでのプライベートショットを公開
佐藤沙織里都議が辞職表明、YouTubeで 25年6月に初当選
安住紳一郎アナ「私も張り倒したい」衝動に駆られる出来事を告白「横でそういう会話聞いたら…」
「まるで海のよう」 一変した富山・氷見の景色 大雨特別警報
伊藤かずえ、愛車シーマの“最新”走行距離写真を公開「すごーい」と驚きコメントも
鈴木宗男氏、駐露大使を批判 プーチン氏の北方領土訪問巡り
星組トップ暁千星 暁ラーマが主人公として帰ってくる 瑠風ビームに「同期ならではの安心感」
【広島】バッテリー乱れ6回に3失点…捕逸の石原貴規「ボクが捕れなかっただけ」松本竜也も猛省
“9頭身美ボディー”斎藤恭代「着てます。たぶん。」ボディーあらわ投稿に「安心できない」
【甲子園】横浜ラストミーティングで小野舜友主将が流した涙…12月の主将クビ宣告から建て直し
【甲子園】智弁和歌山 決勝戦を前に中谷仁監督「智弁和歌山らしく、打ち勝ちたい」
久保建英、今季開幕戦に先発も見せ場作れず Rソシエダード、ベティスに0-1黒星スタート
【甲子園】日南学園・谷口銀次郎 横浜・織田との対戦で芽生えた決意 母の教え守り聖地帰還誓う
【中日】細川成也4年連続20号「先制点を取りたかった」ドーム開場97年以降、球団史上4人目
【広島】2試合連続&今季14度目ゼロ封負け 8月ビジター6戦全敗&41イニングゼロ行進

イラン・中国外相会談 習近平の存在によりトランプがイランとの合意に傾く【中国問題グローバル研究所】
トランプ氏の習近平・高市両氏への電話目的は「対中ビジネス」(2)【中国問題グローバル研究所】
中国がMAGAを肯定!【中国問題グローバル研究所】
トランプ訪中へ(1)【中国問題グローバル研究所】
トランプ氏の習近平・高市両氏への電話目的は「対中ビジネス」(1)【中国問題グローバル研究所】
習近平の思惑_その2 台湾への武器販売を躊躇するトランプ、相互関税違法判決で譲歩加速か【中国問題グローバル研究所】
トランプ訪中へ(2)【中国問題グローバル研究所】
中国が抱え続ける不安と不満(2)【中国問題グローバル研究所】
敗北(2)【中国問題グローバル研究所】
2025年は転換点だったのか?(1)【中国問題グローバル研究所】