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9日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で6日続落、資源・素材は逆行高


9日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比38.75ポイント(0.13%)安の28742.63ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が24.77ポイント(0.23%)安の10704.75ポイントと小幅ながらそろって6日続落した。売買代金は1163億7700万香港ドルと低水準が続いている(8日は1226億4200万香港ドル)。


米中対立の激化が警戒される流れ。米上院は8日、中国に対抗する法案「米国イノベーション競争法」を異例の超党派多数で可決した。同法には、ハイテク分野への大規模投資のほか、北京冬季五輪に外交使節団の派遣を禁じることや台湾に米当局者を2年間派遣することなどが盛り込まれている。中国側の反発は必至だ。ただ、下値は限定的。商品市況高などを支えに、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。朝方公表された5月の中国物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)が下振れる半面、生産者物価指数(PPI)は上振れるなどまちまちの内容となっている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が2.5%安、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が1.6%安、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が1.5%安と下げが目立った。


セクター別では、港湾や空港の交通インフラが安い。廈門国際港務(アモイ国際港務:3378/HK)が1.7%、中遠海運港口(1199/HK)が1.6%、天津港発展HD(3382/HK)が1.5%、招商局港口HD(144/HK)が1.4%、北京首都国際機場(北京国際空港:694/HK)が3.1%、海南美蘭国際空港(旧・瑞港国際機場集団:357/HK)が2.1%ずつ下落した。


建機セクターも急落。中聯重科(1157/HK)が3.0%安、中国龍工HD(3339/HK)が2.9%安と値を下げた。業界団体の中国工程機械工業協会によると、主要建機メーカー26社の油圧ショベル内外販売台数は、今年5月に前年同月比14.3%減の2万7220台に縮小したという。マイナス成長は15カ月ぶり。


プラットフォーム(囲い込み型のビジネスモデル)企業の一角もさえない。美団(メイトゥアン:3690/HK)が1.3%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が1.0%安、快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が0.8%安で引けた。


半面、石炭・石油セクターは高い。エン州煤業(1171/HK)が2.9%、中国中煤能源(1898/HK)が1.5%、中国神華能源(1088/HK)が1.2%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.0%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が1.8%、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が1.7%ずつ上昇した。昨夜のWTI原油先物は1.2%高と反発し、時間外取引では約2年8カ月ぶりの高値水準を切り上げている。


鉄鋼・非鉄セクターもしっかり。馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.1%高、鞍鋼(347/HK)が2.1%高、重慶鋼鉄(1053/HK)が1.5%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.3%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が1.4%高で取引を終えた。昨夜のロンドン金属市場(LME)では、アルミや銅など主要商品が軒並み上昇。この日の上海商品取引所では、非鉄や鉄筋など主要産品の先物が値上がりした。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.32%高の3591.40ポイントで取引を終了した。資源・素材株が高い。公益株、半導体株、医薬品株、インフラ関連株なども買われた。半面、銀行・証券株は安い。不動産株、空運株も売られた。

亜州リサーチ(株)


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