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10日の香港市場概況:ハンセン1.1%高で4日続伸、科技指数は5.2%急反落


10日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比285.31ポイント(1.10%)高の26301.48ポイントと4日続伸する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は46.18ポイント(0.43%)安の10586.89ポイントと7日ぶりに反落した(ハンセン指数は約4カ月ぶりの高値)。売買代金は2338億600万香港ドルに膨らみ、今年3番目の大きさを記録している(9日は1684億5300万香港ドル)。


前日までの好調地合いを継ぐ流れ。米中関係の改善期待が続いた。海外株高もプラス。昨夜の欧州市場では、主要株価指数が軒並み急伸し、米株市場では機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数が1.2%上昇し、ザラバで史上最高値を更新している。ただ、全体としては上値が重い。寄り付き直後に公表された10月の中国物価統計で、企業活動の目安となる生産者物価指数(PPI)がマイナス2.1%となり、予想以上に低下したことなどがネガティブ材料だ。ハンセン指数は上げ幅を削る場面もみられている(本土株指数はマイナス)。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)と不動産投資会社の九龍倉置業地産投資(ワーフ・リアル・エステート・インベストメント:1997/HK)がそろって14.0%高、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が9.9%高、金融大手グループのHSBC(5/HK)が8.2%高と上げが目立った。石油関連に関しては、昨夜のWTI原油先物が8.5%高と急反発したことも好感されている。


セクター別では、旅行関連が高い。中国3大エアラインの中国国際航空(753/HK)が13.7%、中国東方航空(670/HK)が7.9%、中国南方航空(1055/HK)が6.1%、香港フラッグキャリアの国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が14.1%、空港運営・管理の北京首都国際機場(北京首都空港:694/HK)が17.4%、航空情報システム大手の中国民航信息網絡(トラベルスカイ・テクノロジー:696/HK)が7.9%、旅行予約サイト運営の同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が5.2%、中国政府系旅行会社の香港中旅国際投資(チャイナ・トラベル:308/HK)が3.8%、「ペニンシュラ」ホテルチェーンの香港上海大酒店(香港上海ホテル:45/HK)が9.8%ずつ上昇した。


他の個別株動向では、上海復星医薬集団(2196/HK)が14.2%高と急伸。提携先のコロナワクチン開発進展が材料視されている。米ファイザーは9日、独製薬会社のバイオNテックと共同開発しているワクチンに関し、数万人が参加した最終臨床試験(治験)で被験者9割以上で有効性がみられたと発表した。上海復星医薬の子会社は今年3月、バイオNテックと提携し、中国・香港・マカオでコロナワクチンを独占販売する権利を取得している。


半面、ハイテクやITの「ニューエコノミー」関連はさえない。ハンセン科技指数は5.2%安と急反落した(前日は最高値を更新)。組み入れウエート上位の「ATMX」銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が5.1%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が4.4%安、美団(メイトゥアン:3690/HK)が10.5%安、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が4.3%安で取引を終えている。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.40%安の3360.15ポイントで取引を終えた。自動車株が安い。半導体株、証券株、医薬品株、公益株、防衛関連株、インフラ関連株、不動産株などの一角も売られた。半面、空運株は高い。レジャー関連株、食品飲料株、エネルギー株、銀行・保険株も買われた。


亜州リサーチ(株)




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