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29日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で続伸、中国金融セクターに買い


29日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比110.38ポイント(0.45%)高の24883.14ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が32.52ポイント(0.32%)高の10184.41ポイントと続伸した。売買代金は1044億4800万香港ドルとなっている(28日は1124億1600万香港ドル)。(亜州リサーチ編集部)


本土株高が相場を支える流れ。上海総合指数の上げ幅拡大をにらみながら、安寄りした香港の各指数はプラスに転じた。本土マーケットの資金流入期待が根強い。指数算出するMSCIの内部関係者は28日、足もとで中国A株市場から海外資金が流出していることについて、全体のボリュームに比べれば正常の範囲内としたうえで、「外資の長期で継続的な流入に変化はない」との見方を示した。ただ、買いの勢いは弱い。世界的に新型コロナウイルスの感染者数が高止まりするなか、経済回復にも時間がかかると警戒されている。

セクター別では、中国の金融が高い。中信建投証券(6066/HK)が8.3%、中信証券(6030/HK)が4.3%、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が1.6%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が1.3%、招商銀行(3968/HK)が1.8%、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が0.9%ずつ上昇した。証券と保険に関しては、本土株高のメリットが意識されている。手数料収入増や運用収益改善などで、業績が上向くと期待された。

中国不動産セクターもしっかり。世茂房地産HD(813/HK)が4.3%高、中国金茂(817/HK)が1.8%高、広州富力地産(2777/HK)が1.7%高、万科企業(2202/HK)が1.6%高で引けた。

半面、香港消費セクターの一角はさえない。香港地下鉄運営の香港鉄路(MTR:66/HK)と外食チェーン大手の大家楽集団(カフェ・ド・コラル:341/HK)、ペニンシュラ・チェーンの香港上海大酒店(香港上海ホテル:45/HK)がそろって1.2%安、化粧品販売店チェーンの莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が0.9%安と下落した。香港では新規感染者数が連日で100人を超える状況。29日からは外食店での店内飲食を終日禁止するなど、コロナ感染対策が一段と強化された。

一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比2.06%高の3294.55ポイントで取引を終えた。保険・証券株が相場をけん引する。ハイテク株、医薬品株、消費関連株、不動産株、自動車株、運輸株、インフラ関連株、資源・素材株なども買われた。

亜州リサーチ(株)




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