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9日の香港市場概況:ハンセン0.04%安で反落、香港銘柄さえない


週明け9日の香港市場は小幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比9.36ポイント(0.04%)安の26681.40ポイントと反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が13.28ポイント(0.13%)安の10417.39ポイントと4日ぶりに反落した。売買代金は724億400万香港ドルに縮小している(6日は998億6500万香港ドル)。

香港情勢の不透明感が投資家心理の重しとなる流れ。「逃亡犯条例」改正案の撤回が発表されて以降も反政府デモに収束はみられず、香港では7~8日にかけても大規模な抗議デモが行われた。米シティグループは最新リポートで、2019年の香港域内総生産(GDP)成長率予測をこれまでの1.0%から0.6%に0.4ポイント下方修正している。また、中国輸出の低迷もネガティブ。8日に発表された8月の中国貿易統計では、人民元ベースで輸出の伸びが前年同期比2.6%増にとどまり、市場予想(6.3%増)を大きく下回った。なかでも米向け輸出が落ち込んでいる。

ただ、下値は限定的。中国当局の景気テコ入れスタンスが好感された。中央銀行の中国人民銀行は6日夜、全ての銀行に対し、預金準備率を0.5ポイント引き下げると発表。一部の地方銀行に対しては、10月15日と11月15日の2回に分け、さらに合計1.0ポイント引き下げる。これらにより、市中銀行全体で9000億人民元の資金供給が可能となる見通しだ。

ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が4.2%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が2.8%安、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が2.7%安と下げが目立った。創科実業は米国向け売上比率が大きいこともあり、中国輸出の低迷も売り材料視されている。

香港銘柄の一角もさえない。莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が3.9%安、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が1.7%安、新世界発展(17/HK)が1.2%安、信和置業(83/HK)が1.0%安で引けた。化粧品販売店をチェーン展開する莎莎国際を巡っては、「従業員の一部に対し、無給休暇の取得を要請したもよう」などと伝えられている。

半面、中国の自動車セクターは高い。吉利汽車HD(175/HK)が5.2%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.4%、広州汽車集団(2238/HK)が2.8%、東風汽車集団(489/HK)が2.6%、長城汽車(2333/HK)が1.3%ずつ上昇した。民間自動車メーカーの吉利汽車に関しては、新車販売の回復期待などが高まっている。同社の8月新車販売は前年同月比では19%減少したものの、今年7月との比較では11%増だった。

他の個別株動向では、都市ガス供給の港華燃気(タウンガス・チャイナ:1083/HK)が11.2%高と急伸した。同業による買収の思惑が刺激材料。シティグループは最新リポートで、港華燃気に対し同業の華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が買収を提案する可能性を指摘した。大幅なプレミアム価格で買収をオファーすると分析している。華潤燃気も4.8%上昇した。

本土市場は6日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.84%高の3024.74ポイントで取引を終えた。ハイテク株が高い。証券株、不動産株、資源・素材株、インフラ関連株、運輸株なども買われた。半面、銀行・保険株の一角は安い。医薬品株や消費関連株の一角も売られた。

【亜州IR】




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