ダイキアクシス Research Memo(6):国内外の水インフラビジネスを中心に、環境関連の事業を複合的に展開(3)
■ダイキアクシス<4245>の事業概要
3. 再生可能エネルギー関連事業
「再生可能エネルギー関連事業」の2026年12月期中間期における売上構成比は、太陽光発電事業が75.0%、バイオディーゼル燃料関連事業が10.9%、風力発電事業が1.4%、水熱処理事業が12.6%であった。2019年より風力発電及び太陽光発電設備の開発・管理をDASPに集約しており、同社のバイオディーゼル燃料関連事業を移管・買収した(株)サンエイエコホームを2023年1月に、また2023年2月に株式取得し、太陽光発電事業を手掛けていた(株)メデアを2025年8月に、それぞれDASPへ吸収合併し、事業統合している。
(1)太陽光発電事業
太陽光発電事業は、2021年12月期に130ヶ所のDCMグループ店舗の屋上を賃借利用して設置した発電設備の系統連系が完了した。長期にわたる安定収益源となる※。
※ 太陽光発電施設の償却期間は、固定価格買取制度(FIT制度)の買取期間と同等の20年(定額法)である。また、同社は20年後の撤去費用について、期間按分して引き当てた予算を既に組んでいる。
FIT制度終了後における持続的な事業運営に加え、世界規模での環境意識の高まりによってPPAモデル※をはじめとする様々な方法での需要が増している。2021年のサンエイエコホームの買収に続き、2023年2月には埼玉県さいたま市に本社を置くメデアの株式の100%を取得し子会社化した。メデアは、太陽光発電設備の設計・施工・維持管理を主とした電気工事業及び自社保有太陽光発電所における売電事業を主要事業としていたが、2025年8月にDASPへ吸収合併する形で、事業統合された。同社グループは、活発なM&Aにより太陽光発電に関わる経営リソースを取得することで、大口電力需要家からの要望に対してより迅速に対応できる体制を構築している。
※ 同社グループが無償で配置した太陽光発電システムの運用・維持管理を提供し、電力需要家は同社が発電した電力を購入、使用した分の電気代で支払う契約である。カーボンニュートラルの実現に向けて大企業を中心に電力需要が高まっているなか、FIT制度終了後の事業モデルとして注力している。
また、2026年3月より稼働を開始したグリーンデータセンター(太陽光発電を主な電力源とする)についても本セグメントに含まれている。
(2)バイオディーゼル燃料関連事業
バイオディーゼル燃料関連事業は2002年に開始した。一般家庭やレストラン、コンビニエンスストア、食品加工工場などから出る揚げ物等に使用した植物系廃食用油を回収してバイオディーゼル燃料に精製し、軽油などの代替燃料として再利用する。植物系廃食用油を原料とするバイオマスエネルギーの利用は「カーボンニュートラル」であると考えられている※。同社は地産地消の循環型エネルギーの実現を目指して、自治体の参加協力を仰ぎながら、廃食用油のリサイクルを推進する「油~モアプロジェクト」を進めている。
※ 政府が掲げた第7次エネルギー基本計画(2025年2月閣議決定)において、次世代エネルギー・燃料の1つとして位置付けられた。
DASPでは2023年4月より、日本航空<9201>松山支店が行う実証実験として、空港内作業車両に高品質バイオディーゼル燃料「D・OiL」の提供を行っていたが、2024年1月からは日本航空の高知空港所、5月に同徳島空港所、6月には同高松空港所と、四国4空港にて「D・OiL」の提供を開始している。
なお、関東地方におけるバイオディーゼル燃料の安定供給とさらなる事業展開を企図し、茨城県にバイオディーゼル燃料の精製プラントを2024年5月に新設した。2024年12月からは、茨城県牛久エリアにおいて、「セブン‐イレブン」店舗への配送車両にバイオディーゼル燃料を供給している。また2023年8月より、東武鉄道<9001>グループが環境省の脱炭素先行地域に選定された奥日光エリアを含む日光地域で運行するバイオ燃料バスに「D・OiL」を供給し、実証運行を行っていたが、2025年8月より本格運行を順次開始している。
(3)風力発電事業
2012年12月期に風力発電事業に参入した。DASPは、2021年12月末に風力発電を12サイトで系統連系し、FIT売電を開始した。現在は36サイトが稼働している。1サイト当たりの売電収入は、2~2.5百万円、営業利益率25~30%程度を見込んでいる。ただし、2018年度に、20kW未満の区分の買取価格が20kW以上と同等の20円/kWhに改定されたため、新しいFITには50kW機で対応する意向である。許可が下りれば、20kW未満のサイトに50kW機を設置する。設置コストは同等であるが、売上高が2.5倍になるメリットを生かす方針である。
風力発電機の開発では2020年から(株)シルフィード(現 DASP)が、ゼファー(株)、ジャトコ(株)、リコージャパン(株)(リコー<7752>のグループ企業)とともに、低圧風力発電機に関する技術開発・実証事業を行っている。地域の防災対策や、自営線・既存配電網を活用した独立系グリッドを作る動き、事業所内で再生可能エネルギーを自家消費する動きが顕在化してきたことを踏まえ、社会受容性の高い定格出力50kWの風力発電機を新たに開発することを目的としている。ゼファーが風車の全体設計、翼の設計、フィールド試験、風車制御のアルゴリズムの構築を、ジャトコが自動車部品の風力発電機への転用開発を、リコージャパンがAIを活用したメンテナンス支援ツールの開発を、DASPは翼の生産を、それぞれ担っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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