■Lib Work<1431>の事業概要
4. 3DP住宅事業、Housing OS事業へ展開
(1) 3DP住宅事業
3DP住宅事業は大幅な工期短縮・コスト削減を実現し、大工をはじめとする職人の高齢化や人材不足といった建設業界が抱える主要な課題の解決に貢献する事業である。一般的な3Dプリンティング建設では材料にセメントを使用しているが、同社の3DP住宅は土を主原料として使用するため環境にやさしいほか、現地施工のため建築現場の状況に合わせた建築も可能という特長・強みがある。
同社は2022年8月に、世界有数の建築物の構造設計を手掛けたグローバル企業であるオーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッドと業務委託契約を締結し、建設用3DPを活用する住宅の開発を進めてきた。2024年1月には国内初の土を主原料とする3DPモデルハウス「Lib Earth House “model A”」の建築に成功し、同年8月に都市計画区域内における建築確認済証を取得した。
2025年7月には国内初の土を主原料とした約100m2の一般住宅用3DP住宅「Lib Earth House “model B”」が完成した。第1作の「“model A”」での実証・検証を経て強度・施工性・意匠性を高めた。特に「“model B”」の壁に関しては産業廃棄物になるセメントを一切使わず、土を主原料に天然由来の素材だけで作られたサステナブルな土壁の開発に成功し、セメントを一部使用していた「“model A”」に比べて約5倍の強度を実現した。同社が目指す、生成AIによる設計と3DPによる施工を融合した世界初の完全自動化住宅建設の実現に向けた第一歩である。
また同年7月にEV大手のTesla
そして2026年1月より、フラッグシップモデル(100m2)のPremium Edition及びスタンダードモデル(85m2)のStandard Editionの2商品で販売を開始した。国内外からの提携を含む反響件数が累計1,500件を突破するなど大きな反響を呼んでいる。革新的な次世代住宅であり、AIによるフルオートビルド(完全自動住宅建設)という世界初の挑戦に対する期待の表れと考えられる。2026年7月には同社の3DP住宅事業の取り組みが世界的ニュースメディアである「Newsweek International」に掲載された。今後の展開としては自社製の3DPを使用し、全国のハウスメーカー・工務店向けに3DP住宅のフランチャイズ・ライセンス展開も進め、2040年までに3DP住宅累計着工棟数1万棟を目指す。また住宅分野にとどまらず3DP建築技術により商業施設や宿泊施設など多様な分野へ展開するほか、グローバル展開では東南アジアを中心にパートナー企業との連携も含めて同社が直接展開することを検討している。
(2) Housing OS事業
My Home Robo事業は、パートナー企業の安心計画(株)と共同開発し、2022年6月に開始した全国の住宅会社・工務店向け住宅ソリューションサービスである。1ライセンスごとの月額課金(税抜6.8万円~)型サブスクリプションサービスとして、AIを活用した住宅プラン提案サービス「My Home Robo」を提供している。顧客が簡単なアンケートに回答し、AIがわずか5分で初期プランを提案する革新的ツールである。「圧倒的なデータ資産」と「営業現場の標準化」を同時に生み出し、競合優位性と経済優位性(解約率低下・安定収益拡大など)を実現する。
2026年6月期時点でMy Home Robo事業の登録プラン数は国内最大級の10,000プラン超、導入社数は149社となった。年商500億円以上の大手ビルダーの加盟や1社で複数アカウントを利用する大手ビルダーも増加傾向であり、今後は導入社数の増加とともに1社当たり複数アカウント利用を促進する方針だ。
IPライセンス事業はアダストリアと提携し、2023年5月に開始した住宅業界初の住宅IPライセンスサービスである。20代~30代の男女に人気を誇るアダストリアのスタイルエディトリアルブランド「niko and ...」がプロデュースする戸建商品「niko and ... EDIT HOUSE」のライセンス(当該商標・意匠デザイン・販促ツールの利用権)を全国の住宅会社・工務店向けに提供している。一般的な住宅FCと異なり、指定構造材の購入はなく、基本デザイン(外観・内観)や素材・設備を仕様として設定し、商品の世界観を表現するものであれば、加盟事業者が価格を自由に設定し、受注・建築できる。加盟事業者にとっては、人気ブランドとのコラボレーションによる集客力の向上や顧客層の拡大が可能になり、業績の向上につながるメリットがある。利用費は月額固定で、1棟販売ごとのロイヤリティ課金もないため、同社(同社の子会社リブサービスが当該事業を運営)の管理コスト負担も小さい。
2026年6月期末時点でIPライセンス事業の加盟企業数は20社、完成したモデルハウスは27店舗となった。2026年6月期の当該モデルハウスとしては、2025年8月に(株)丸尾建築が兵庫県に、タクエーホームが神奈川県に、同年10月に(株)アルプスピアホームが長野県に、同年12月にねこまるホーム(株)が福岡県に、2026年5月に(株)クラシノハウスが富山県に、田中建設(株)が山口県に、ネクストイノベーション(株)が東京都に、同年6月に(株)幹建設が愛媛県に完成実績がある。また2027年6月期に入り、2026年7月に(株)プライズが岐阜県に、同年8月に西和不動産(株)が滋賀県に完成した。今後は地方の戸建事業者の経営支援として展開するとともに、様々な企業ブランドと提携して新商品開発を推進する。
AI集客プラットフォーム事業は、リアルの住宅展示場に代わりインターネット上で住宅展示場を構築・運営する事業である。全国のハウスメーカー・工務店の出店により手数料収入を得る。2027年6月期中のリリースを計画している。
Housing OS事業(My Home Robo事業、IPライセンス事業、AI集客プラットフォーム事業)は、全国の約35,000社の住宅会社・工務店向けに提供する事業であり、市場規模は大きく、また市場開拓余地も大きい。さらにサブスクリプションサービスであるため、加盟店の増加に比例して高利益率のストック収益となる。したがって今後も加盟店拡大に向けて機能・利便性を強化する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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